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無限上司の仕事の流儀



無限上司ってご存知ですか?

無敵上司の進化系だそうです。強い成功体験を武器にチームをぐいぐい引っ張っていく鬼軍曹、いわゆるハラスメント系上司ですね。結果を残しているので誰にも止められず、成功体験を武器にどんどん無限に無敵になっていく。それが無限上司。

送り込まれてくる若者たちは次々に潰れていく。

そんな話をあるメーカーの若手に聞きながら、あーこれってエースパイロットの話に似ているなと。

ある生き残ったエースパイロットの話。
生き残るために一番大切なのは実戦経験。生き残れば生き残るほど経験値が積み重ねられ無限に強くなっていく。
もちろん生き残るためではありますが、部下への当たりもどんどん強くなっていく。上の言うことも聞かなくなっていく。
それもエースとして生き残るための術なのです。

そして驚いたのは新人パイロットの生存率。
どんどん補充されてくる新人パイロットたちのほとんどは2週間以内に死んでしまったそうです。

運や環境もありますがとにかく必死でエースの教えを守り経験値を積んでいくしか生き残る術はない。

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大戦中の片翼帰還の英雄樫村エース。

樫村さんに訓練を受けて生き残った部下の話ですと、とにかく樫村教官は厳しくその厳しさがゆえに教官の間でも孤立していたと。
でも実戦で生き残れたのは、樫村教官の教えを守り必死で1番機に食らいついていったおかげで感謝していると。

無限上司。

結果を残しているから組織にとっては一見有益なようですが、その場限りの結果至上主義で一過性のもの。

組織というものは長いスパンで人を育てていかなければ未来はない。

終戦寸前の華々しい戦果で知られる日本海軍第343航空隊。かき集めた生き残りのエースパイロットと最新鋭機の紫電改で編成され、圧倒的な数の敵に健闘していました。その中でも腕利きのエースは燃料と弾の続く限り無限に敵を落とせたといいます。

でも戦いは非情です。機銃故障や機体故障やちょっとした不運などが命取りとなって徐々に消耗していき力尽きてしまいます。


先日のNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀 ー庵野秀明スペシャルー」での、消耗戦となった庵野秀明エヴァンゲリオンとの25年のストーリー。

無限上司となった庵野さんは苦悩の中で気がついたのでしょうか。

作り手側から熱狂的なファンまでを無事に家に帰さなければならないと。

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