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pooteen
2016年2月3日 17:06
これは自伝ではない。自分自身の歴史を書くつもりは毛頭ない。改めて記憶の底から思い起こす必要の無い、忘れがたい印象を持つ出来事とその背景をランダムに書くつもりだ。*1道路の中洲のような電停で路面電車を待っていた。ポケットの中で握りしめた硬貨を何度も確かめる。幼い頃からの習慣だ。そんな時いつも思い出す。 父親が転勤族で生まれた場所は記憶に無い。記憶に残っているのは三つ目に移り住んだ土地から
2016年2月3日 17:13
南の島へ それまで住んでいた長屋の借家を出たあと、日数調整で数日間旅館暮らしをすることになる。気分は最悪だ。鵜飼で有名な川沿いの旅館は閑散としていて、その寂しさがよりいっそう絶望感を深めた。 JALのDC-8で舞い降りた南の島。異次元へダイブするかのように、緊張しながら機外へ出ると熱風が頬を舐めた。空港から市街地へ向う道の景色は延々と基地が続き異様な雰囲気だ。 仮の宿の旅館は港のほとり
2016年2月3日 17:19
本土帰還 今度は南の島から父親の実家へ。つまり仕事を辞めて故郷へ戻るという事だ。里帰りで何回か行った事はあったがあまり気乗りのしない街だった。父親は、このまま今の会社にいても先が無い事、ずっと南の島にいる羽目になるかもしれない事、また転勤族であるから子供の教育上良くない事を理由にした。正しい意見だ。ただ今現在を鑑みるに、それが正しい成果を出したかどうかについては甚だ疑問だ。僕には南の島の生活の