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心臓

突然に心臓が、ギュッと握られているような
そんな感覚になる時がある
その痛みはどことなく心地が良くて
自然と頬が緩む
無限の宇宙が心の中に広がり
その想いは細胞という細胞から溢れ出して
大地とつながり、際限なく巡っていくような
あたたかい気持ちに包まれる

この世に産まれ落ちて
そんな想いを持ったことがあっただろうか
恥ずかしげもなく愛を感じることがあっただろうか
忘れていただけなのか
わたしはこの感覚を知っている気がする
もうずっと、ずっと、昔から

生きていると不思議なことがたくさんある
人間はどこまでも無知だと思い知らされる
この肉体だけでは狭くて仕方がないだろうな
まるで檻のような、借り物のような
肉体を脱ぎ捨て全てに溶け込んでしまいたい
血が身体を巡るように
生命が大地を巡っていくように
このあたたかい風に身を任せていれば
いつかはどこかにたどり着くのかなぁ

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