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短篇【芍薬】

携帯電話は携帯しなくちゃ意味がない。

家で居眠りを続けるようなら持つ癖自体に疑問を持たなくては、毎月払うべき料金が馬鹿馬鹿しくなるだけ。


上辺の友達しか記載されていないアドレス帳を見るのが好きだった携帯も今や持つことさえ忘れる始末で、私は何の為に買ったのか、何の為に月額払っているのかを大学の授業中に思い出しては笑うぐらいになってしまっている。


そんな私は金曜5限の授業後、授業プリント配布の際に誰かから渡された紙切れを元に学校から半歩で行けると認識されている近さの公衆電話に向かう。今日は特にやる気が俄然ない虚しい日だったが、それでも頼まれたら好んでやりたい性を使って導かれていた。

この日も使う人も廃れてしまった公衆電話のボックス内、私はダイヤル式に憧れを持ちながら、まだ時代に迎合しようとするボタンを押して、毎度の事ながら紙に書かれている番号に掛ける。

時折思う、「もしもし」って恥ずかしい。


向こう側の人に第一声を発してほしいと切に願いながら、それでも萎縮された相手の場合には溜息が受話器に当たらないように気を付けて第一声を言うしかない。

椅子取りゲームみたいな恥ずかしがり屋の応酬に飽きた頃、私は一言だけを、受話器と一番星に向かって言う。

「……………時間を指定して」

独り言のように響く私の依頼を受け付けて、受話器を元に戻す。伽藍としたボックス内にはまだ私がいた温もりが悶々と、居心地を作っていた。


「じゃあ6時に川崎ホテルね、宜しく……」

受話器を置いただけで疲れるほど弱った私も不可思議で、“川崎”という文字が付いているのに名前を口に出せば大半の常識人に理解されるほど全く関係のない田舎に建っている矛盾さが、私はこの上なく好きだった。

だからこそ拭えないほど獣感を表層前面に醸し出しているホテルの近くにある、いつもの渋谷系の喫茶店に寄ってみる。

ここではコーヒー以外邪道と言いながら邪全開で書かれている豊富なサイドメニューが羅列されている、頑固なオヤジが営んでいる喫茶店で、私はいつもサンドイッチとジンジャエールを頼むんだ。

「美波ちゃん、またその変な組み合わせかい」

ミスマッチと毎回言われていたが、鋭い熱意で私は依頼の日にはこれを欲しがる。

英気を養うつもりで食べたサンドイッチとジンジャエールの不可思議な化学反応が好きで、体内に野垂れ回っている悪美波が死んでいくのがわかる。

その瞬間、何故か日頃味わえない達成感が頬を伝って、微笑みに変わる。約束の時間になるまで私は頬張って、流し込む。


15分前にはもう待つ体制に入りたい。無闇に待たされている無意義な時間に心地よさが既に芽生えていて、依頼とは関係のない快感がある。

喫茶を出てすぐにホテル前で待ち合わせする。音楽や本のような普段必要不可欠の娯楽には一切手を付けず、赤く落ちていく太陽を見ながら約束までしがみつく。

ホテル前、静かな熱狂と共に現れる本日の依頼主は少しだけ見覚えがある男子学生。その青春のやるせ無さに殺されそうになる表情を感じ取って、私はこう言う。

「君が今日の依頼主だよね?大丈夫だよ、そんなに緊張しなくても。君の好きなようにしていいから。そのかわり最後まで楽しもうね」


そう言って彼の袖を掴んで、夜を離した。

気持ちいいとか、快感が忘れられないとか、そんな御託を考えるより目の前の彼と楽しむ事だけに熱中していた。

毎回一瞬のように感じる感情の廻りを目の前にいる切なそうな誰かと一緒に楽しみたいだけだった。

「………こういうのとか、どう?」

手を変え、品を変え。

私は知っている気持ちいい瞬間を味わおうと躊躇いもせず、体と体を擦り合わせて息を揃える。

誰かが望んで楽しんでくれる。それだけで頭の中に透き通った愛が巡り、私が吐く息も白く熱くなる。

「朝まで楽しもう?」

何回楽しんだ後に述べたか。私に数える力なんて大層なものはなかった。そういう俗みたいなものを気にして愛を迸れるほど、私は出来た人間じゃない。


ガット弦が震えて伸びて、
私のこの夜はゆっくりと沈んだ。

「…………本当にこれでいいんですか?」
こういう時、依頼主は優しく言ってくれる。

「いいよ、私が欲しいのはお金じゃないから。また電話してくれると嬉しいな」


片手間な金額だけ貰い、彼と談笑する。その瞬間も、他愛もなく好きだった。

優しい言葉を掛け合い、切磋する二人の心が無象になる顔もまた、刹那と甘味の雰囲気だった。

“うん”とか、”ありがとう”とかも言わずに、

黙った表情を見るとやる前に戻ったように思えて、不憫な彼を抱き締めたくなった。

「………じゃあね、また呼んで」

私はそんな虚無に苛まれて、弱く一言だけ言って依頼を終わる。いつも残っているのは彼から貰った少しのお金と帰り際にしたシャワーの生々しい匂いだけ。

“何の為に、そんなことを”とふと思い返して帰路に着くと、部屋で元気いっぱいに充電された携帯の顔には、特に目立った通知も何も無かった。


鼻で笑いたい気持ちすらも生まれず、カタストロフィに塗れた寝心地の悪いベッドにダイブして、朝を迎える。静かな朝に似合う空の音が聞こえてくると、ゆっくり窓を開けた。

虚構で生きた音と風を部屋に入れて、奔放に着ていた服を脱いで裸一丁になる。私の体から呼吸した温もりを近くで感じたくて、天井を見る。

明日の授業は4限から。たった5時間しかない睡眠時間でも死ぬように、稚拙に体を落とした。

そんな日々の繰り返しを始めてから今まで無情にも飽きは来ず、一年という短い暦が過ぎた。


—————————

大学三年生になってもそんな日々が続いた。水面下で自分に卑猥な呼び名がある事も知らぬまま、今日も机の上に置いてあった紙に書かれている電話番号に電話をした。

「……………時間を指定とかある?…………特に無しね、じゃあ今日6時に川崎ホテルはどう?」

『…………』


今日の依頼主は今までより比較的お気楽な方だった。私がいつものように虚しさを先に感じ取った第一声を掛けようとしたが、何故かちゃんと社会性に邪魔された気分だった。

電話越しの陽気な声だけで瞬間の不都合な予感に眉間がただ絞め殺して、思い通りにならない空気が沸々と雲を浮かした。

こんな事で気が苛つくような短気な女では無かったが、今あるのは私を呼んだのはどんな普通人間なのかということだけだった。

不思議とこの日は運命に操られてるような状態でも結局喫茶店には寄った。ルーティンに奇跡的な可能性を見出しているわけではなかったが、この日はいつものメニューに手をつけなきゃ死ぬと思い、店主に言った。


「いつものくれる?」

「ってあれ、美波ちゃん苛ついてる?」
メモ帳を見つめて私から何かを感じ取ったみたいだ。

「……なんで分かるの。そうだけどダメかな?」


「……ダメではないけどさ、らしくないと君みたいな人間は近くにいる人間に感情が透き通って見えてしまうから気をつけな」

なんだか芯の通った言葉を突き刺してきて、その後に出された”いつもの”に異変を感じた。


その後に飲んだ”いつも通り”は違った。
「……ジンジャエールってこんな味だっけな」


6時になるまでの時間をこんなに長いと思った日は初めてだった。砂時計のようにさらさらと落ちる感覚と喩えられれば分かりやすいのか、いつもならジンジャエールが飲み終わる頃が出逢い時だった。

ただ早々に飲み終えたジンジャエールを皮切りに満たされない腹の中に押し込むサンドイッチの塩っぱい味に繰り返し苛ついてしまった。

そんなこと”いつも通り”ではない感覚が続いた6時手前、やっとこさ辿り着いた命の時間に息を切らして焦がれていた。

私は偉そうに支払い終えた後、ホテル前で待つ。この日は15分前に待つなんて微塵も過らなかった。虚しいのか、それでも電話番号をくれた相手に早く会いたいと漕いでしまったことは確かだ。


『……あ、梅澤さんですか?』

拍子抜けだった。

この土地には似合わない服としか表現出来ない格好で現れた彼女は、飄々と私の苗字を呼んだ。

空を読んだような言い方とその表層に絶妙に温度差が存在して、私は負けて間抜けな空気を発してしまった。

「………え、女性だったの?」

『はい、どんな人でも梅澤さんに連絡すれば出来るって友達から聞いたので』

馬鹿正直というか馬鹿な彼女はだらだらと言い訳を述べる。只今そういうことを聞いているんじゃないと彼女に対して問い正したかったが、そういうわけにもいかなそうな不純な状態だった。

だからこの地層の違和感を早く終わらせたくて、私は生まれ持った幸福な身長を利用して高圧的な態度を重ねようとするが、

「……私百合はした事ないんだけど、大丈夫なの?」

『あ、それは大丈夫です。私も初めてなので』


意外と彼女もそれなりの間抜けが点在して、私は何か押し倒されたような萎縮が始まりそうだった。

もう腹を括るしか帰り道は無かったと、
「じゃあ部屋行こう………」

いつもとは高揚感のない決まり文句を言って彼女から背を向けた時、さっと私の袖を掴んでいた。その不動の位置で私を待つ彼はゆるりと沈んだ日陰に向かってじっと言う。

『………あの!』


なんだ、6時の一番星が光る丁度いい時間すら邪魔して彼女は私の身体を止めて言う。

『今更で申し訳ないんですけど、まずは普通に遊んでくれませんか?』

利用価値を知らない彼女は空と月を騙して、

「は?」

『私梅澤さんの事が本能的に好きなんですけど、このまますんなりと梅澤さんと噂通りな事をするより、今の梅澤さんのことをもっともっと知ってからやってみたいんです』

匙を投げたくなる言い分に続きの言葉も浮かばなくなった。絵に描いたような無言と唖然で、このホテルの前を通せんぼする。

『だから一旦私と普通に遊んでくれませんか?』

例えば世間的には称賛された考えで私を止めようとしたなら、今ここで存在価値を否定されて、貶されて、殺される手前のように感じるだろう。

実際私のやってる柔らかい安直な行為自体、同性からは穢れのように扱われているのは、盲目的な私ですら当たり前に空いている耳でわかる。

ただ彼女にはそんな説教臭い、親や教師たちが血眼になって正そうとする滑稽な姿とは程遠かった。

今彼女から見えるのは、純粋に夜の光すらも知識ではなく、生き様として手の中に入れようとする、ある意味盲目な姿だった。


その瞬間、従順になって私は述べる。
「……………いいよ」

ただそう考えると、私からはまた光のように見える彼女に向かって進む事も一つの生き様なのかと掴まれた袖を見ながら吹っ切れた様子で思った。

さっきまであった苛つきはこの前の朝に感じた風のような、疾走感も倦怠感もない、憤りを殺した傘に差されているような感覚によって消えていた。

「いいけど、楽しませてよ?」

ハッと、明るくなって彼女の微笑みから希望が見えた瞬間、また続きそうな言い方で

『はい!じゃあ行きましょう!』

正しいのか、ばっかりを考えてきた私は、こうやって光に向かって進んでいく。


それから街の明かりが見えて、あんまり行ったことのない大学近くのゲームセンターに赴いた。夜の快感に華が咲いていた私にとって、こういうホームと呼べる雑味感は未経験だった。

光の速度に合わせて袖から手の平へ。

まるで恋人のように歩いた。不自然さは拭えないかもしれないが、今私たちにとって”心地”とはこの形しか無かった。


「………ホッケー?」

『正式にはエアホッケーって言うらしいですね、私もつい最近知ったんですけど』

彼女は小銭を入れて機械を起動させた。

我が物顔で光る体を二人で挟んで、勢いよくプラスティックの円盤が出てきてゲーム開始の合図が鳴る。


『”負けた方には罰”なんてどうですか?』

「えぇ、そんなの慣れてそうな貴方が勝つに決まってるじゃん。嫌だよ」

『大丈夫ですって。私も久し振りにやるので平等ですって』


この旅に必要の無さそうな上着をお互い脱いで、遊戯に向けて準備する。


その高揚された雰囲気が今の私には妙に馴染んで、その時ばかりは当たり前に意思のある返事が出来る様になっていた。

「………じゃあ負けた方が勝った方の言うことを聞くってのはどう?」

『乗りました、早くやりましょう』


光悦に期待を揺らして、機械の体に円盤の鈍い音が鳴る6時半。切磋琢磨の攻防がお互いの表情を明るく変えて、楽しませてくれる。

『……あれ、梅澤さん強いですね』

「そりゃ負けられない理由が乗っかってるからね。一筋縄ではいかせないよ」


交戦している此処では無闇な詮索をするよりは明るい未来への渇望をメインにしながら、野草のように根性出しながら捥がく。

音が光を超えて、雨上がりのような髪の乱れになっても私は気にせず、長い髪を靡かせながらその上へ進む。

その抑揚に気が付いた時、私は朝に似た微笑みの雫が頬を伝っていた。運動の終了だけで感じない彼女の正気な温もりを空気で感じる。

「……あれ、ジンジャエールってこんな味だっけな?」

『楽し過ぎて忘れてしまったんじゃないんですか?喜んでくれて何よりです』

「貴方に負けたこと以外は最高だったよ」
ネオンが周りを囲い、けたたましい音がノイズから祝福の奏でに変わり、汗を拭う。

外界と遮断された最後の砦のこの場所には沢山の心があるように見えて、まだまだ画策している彼女の含みのある微笑みが恐ろしくて、堪らなくなっていた。

『じゃあ私が勝ったのでいいですか?』

「お願いだから無茶なことはやめてよね。私も尻軽とはいえ、普通の人間なんだから」

潤した後の会話には爽快感が残り、まだ宙に浮いている言葉尻が彼女の元に届くまでの時間は私も心配になるぐらい長かった。

『…………じゃあ』


『プリクラ撮りましょう!』
煌びやかな箱から無邪気な箱へと移動して、福音から流行りを先行するリズムが流れる若者の集い場に二人で入る。

覚束ない記憶を辿ると昔同性の幼馴染と撮った以来の入店で、現代の蠢く若者臭に私は着いていけなくなりそうだった。


『ほらっ…!緊張してますよ、リラックスリラックスっ』

まさしく踊る彼女の身体は私の肩をドンと解して、アナウンスが響く箱に順々と前に進む。

どんな格好をしたらいいのか、この時するべき表情とは一体何なのか。多分一生正解は分からないだろう。

だから私1番今安心するものにしがみつくように彼女の肩に腕を回した。生まれ持った身長を活かした自然と違和感のない移動の瞬間、私のまだ強張っていた表情が溶けてナチュラルになっていったのを、撮り終わった後の写真を見直した時に気付いた。


最近のプリクラ機では最後に盛大なデコレーションするらしい。最早人間かも分からなくなるほど原型のない顔にも出来るらしく、記録に残る写真の現代と近代の意味の差に憂鬱になりつつも、陽気に華やかに彩ろうとする彼女に釣られて私もペン筆を持つ。


『……梅澤さん、最高に可愛くてなりましたね』

「これを可愛いって言っていいのか私には疑問だけど………確かに可愛くはなるかもね」

『でも出会った時と表情は全然違いますよ、今はこんなに笑顔ですし』

小悪魔の指先が私の頬を触る。まだ苗字呼びなのが手痛く残るが、何も違和感が付いている筈もない顔をそういう風に撫でられては、私の目のやり場に困る。


『あれっ……今照れました?』
滑稽に笑うのは、何でだろうか。

営みが無くなった今の時間にも、心地は以前と全く変わらない。そんな淡い感覚になれたのは、随分久し振りな感じもする。

「……照れてないよ……」

一頻り時間の経過を見据えられた


ただこれだけは言い出さなきゃいけないと、大人な梅澤が殻を破って無理矢理出てこようとしつが、彼女がいつも最初に踏み出す。

『………じゃあ行きますか?』

何だろうな、今は違う気がしてしまった。例えばカレー鍋の中にクリームシチューのルーを再度入れるような、確実に間違った手順を本能ではなく、理屈的に実行しようとしていた。

その緩く、他愛もない間違いを口に出して本音で語る事に真剣な心の状態だった。

「………無理にやらなくていいんだよ」


何かを発した口にはこれまで隠してきた筈の本音が現れた。下手な隠れ方だったせいもあると思うが、今の私にはその隠し方なんて自覚すら出来ないほど、脆く覚束ない。

それでも藻掻こうと必死で思い果てた言葉を述べる。それだけでも今までの経験的に思い返せば大きな勇気だ。

”精進した自身の気持ちを胸に抱いて飛ぶ”

そんな大層な事を言い張るつもりも毛頭になかったが、進歩を忘れると無下になるのを知っている。


だから私は後悔なく、拙い何かを伝える。

「貴方も私も今はそんな事するべきじゃないよ。少なくともこれからの事を考えた方がお互いの為にもなるし、何より貴方のそんな決心を見ながら私はしたくない」


ネオンを抜けて外気を浴びる。

二人で撮った記念を何かに貼りたくても貼れるような驕った物は無かった。仕方なく財布に入れて、後日秘匿の嬉しみを味わいながら、携帯し忘れる携帯のケースの裏にでも貼ろうかと、阿呆らしく思う。


それぐらい流暢な今の私達には愛を直接感じる必要はないと、今の弱輩立場の私でさえ理解出来る。

今の私達にはそんな風な程度で充分だった。


—————————
帰り掛け、夕暮れは夕闇に変わり、空は堕ちそうなぐらい明るい。

『そういえばいつもと違う顔だったんですけど、楽しくなかったですか?』

「ううん、違うよ。いつもが違う顔だったんだ。今が1番微笑みが多い瞬間だと、私は確信しているから安心して」


と言った。言いたかった言葉でもあったお陰で照れなく口に出せたのは、夜でも熱でもなく、他でも無い彼女のせいに違いない。


いつの間にか彼女は私を真似てジンジャエールを飲む。然程硬くないペットボトルをシュワっと開けると瞬く間に一口目を堪能して、私もその様子に手を伸ばしてしまう。


「私も飲ませて」

『……はい、どうぞ。そういえば梅澤さん、折角なら連絡先交換しましょうよ。また今度は気楽に会いたいです』

「いいけど、今携帯を家に忘れてるからまたいつかね」

『……携帯は携帯して下さいよ』


“笑い”という感情が立体的に目に見えるような言い方で、私は敢えて微笑みを隠さずにいた。

今日三度も飲んだジンジャエールはどれも違う味に感じて、馬鹿馬鹿しくどれも直感的に好みと言えるぐらい美味しかった。


空間にはただ何かは必ずある。空白という言葉はまやかしのような存在で、それに対して意味を議論するだけ馬鹿馬鹿らしいと今の私なら言い張るだろう。


“必ず誰かと繋がっていて、誰かといる”

これさえ覚えていれば、その空間には自分にとって有難い稀有な存在がいると思っていれば、以前のような夜も別の意味で愛おしくなるだろう。


だから今日の夜はこういう意味で、美味しかったとこの空間にいる私は思う。


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