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第一子出産の立ち会い

先日の記事の続きです。

気持ちだけソワソワしていた予定日の週

出産予定日は2021年11月26日の金曜日でしたので、職場にはこの週の月曜日から休む可能性があることを伝えていました。
予定日の週に入ると、周りの同僚からも「まだ?」という声がちらほら出ていましたが、実家に帰った妻の方は陣痛の兆候などは見られず、その時を待つという感じで過ごしていました。
週の後半に入るといよいよカウントダウンかという感じでしたが、妻の体調には変化はなく、携帯をこまめに確認しながら仕事をしていました。
この時になって調べて知ったのですが、第一子の出産は予定日より遅れることが多いみたいですね。
僕自身長男ですが、生まれたのは予定日の1週間後だったと母から聞きました。
というわけで、焦ることなく気長に待っていました。

出産の兆候が出始めた週明け

そして週が明けた月曜日、
出産する病院の近くのホテルを予約し、移動しました。
この時点で妻はまだ入院していませんでしたが、部屋に入ってテレビを見たりゲームをしたりしても、落ち着きませんでした。
そんなこんなで夜眠ろうとしていた深夜0時過ぎ。
妻が入院するとの連絡が入りました。
陣痛がひどくなっているとのことで、早く麻酔が打てますように、という一心でした。
もともと無痛分娩の予定だったので。
いつでも病院に駆けつけられるようiPhoneの着信音をONにして就寝しました。

進みそうで進まない出産

そして、次の日。
早朝にNST(ノンストレステスト)を受けたものの、無痛分娩の麻酔は当日午後以降になったとのことでした。
本人としては痛いのに、まだ子宮口が充分に開いていないためだそうです。
「早く痛みから解放してあげてほしい」という思いでした。
夫として何もできないのが、とてももどかしかったです。
この日の午前中、妻はお風呂に入ったり、よつんばいの姿勢をとったりして少しでも陣痛が進むよう頑張っていたようです。

この日の昼ごはんは、ホテル内のレストランで食べました。
このレストランは、定期検診に行った日の帰りに妻と一緒に昼ごはんを食べたことがある場所です。
そのレストランで一人で食べる昼食。
寂しいのと、とにかくもどかしく辛い気持ちでいっぱいでした。

ご飯を食べ終え、部屋に戻った後、妻と少し電話をしました。
電話の前、「1分待って」のメッセージが来ました。
電話していると、2分ほどで1度休憩を挟まないといけないぐらいでした。
痛みを我慢する時間です。
痛みに耐えながらよく頑張ってくれてるんだな、というのをこれでもかというぐらい感じました。

夕方にもNSTを受けたものの、麻酔を打つという判断にはならず。
この後の進み具合によっては、夜中に再度自宅に戻る可能性もあるということでした。
1日中頑張ったのに、振り出しに戻るっていうこと・・・?という感じです。
「晩ごはんはゆっくり食べて大丈夫だよ」という妻からのメッセージが、僕の心の傷をえぐるようでした。
出産ってこんなに辛いものなのか、と僕でさえ感じました。

いよいよ・・・

事態が急転したのは、この日の18時半頃。
破水したという連絡が入りました。
夜中か翌日の明け方に生まれるかもしれない、とのことです。
前の晩もほとんど眠れていませんでしたが、この日の夜も徹夜を覚悟しました。

夕食はホテルのレストランは営業していなかったので、外で食べることになります。
ただ、この日は爆弾低気圧が近づいていて、夜中から未明にかけて荒れた天気になるという予報でした。
なので、コンビニでおにぎりを買って、夜中にでも食べようと思っていました。

出産まではまだ少しは時間があるだろうということで、テレビでも見ながら寝ようとしました。
でも、全く眠くなりません。
バラエティ番組を見てリラックスしていたら、20時前、妻から連絡がありました。
出産が早く進んでいるからいつでも出られるよう準備しておいて、とのことでした。
程なくして、病院に来るよう連絡がありました。

入り口でCOVID-19の抗原検査を受け、分娩室に向かいます。
迎えに来てくださった助産師さんから、「夕食を食べてしまい麻酔が打てなかったので、自然分娩で頑張ってますよ」との話が。
もともと無痛分娩を希望していたので辛いだろうに、と不安な気持ちが大きくなりました。
帽子と白衣を着用するよう言われ、しばらく廊下で待機となりました。
入院中の生まれたばかりの赤ちゃんの鳴き声が響きます。
もうしばらくすれば、我が子の産声を聞けると思うと、それだけでウルっとくる感じでした。

そして、分娩室に入るよう言われ、向かうとそこには、人生で一番であろう痛みと戦う妻の姿がありました。
僕にできることは、妻の手を握り、「頑張れ」と声をかけることだけ。
5分もたたないうちに、黒い毛が生えた頭が見えたかと思うと、「オギャー」という泣き声が少し聞こえました。
初めて我が子と対面したときは、ホッとして力が抜けた感じでした。
出産直後の写真を撮った後、体重などの測定へ。
手をグーにしたりパーにしたり、目は半開きでゆったりとした様子でした。
他人の子を見せてもらっているような気分で、自分の子どもだという実感はまだ持てませんでした。
僕はここで病院から退出となりました。
出産の立ち会いをさせていただけたことに、ただただ感謝です。

立ち会い後の帰り道

病院の外に出ると、予報通り雨が降り出していました。
結構強めの雨です。
屋根の下で親に連絡を入れ、傘をさして歩き出そうとしたら、
雨がやんでいました。
地面には水たまりができていたので、雨が降っていたのは確かなのですが、ホテルまでの徒歩数分は傘をささずに戻ることができました。
部屋に戻りテレビをつけると、「報道ステーション」が始まったところでした。
こんな時間に、出産の立ち会いを終えて部屋にいるとは、数時間前の自分自身は想像さえできなかったんですよね。

買っていたおにぎりを食べ、シャワーも浴びて寝ようと思ったのですが、なかなか寝つけませんでした。
我が子が生まれて気分が高揚しすぎて、というわけでもなく。
疲れて眠たいという感覚はあるのに眠れない、という感じでした。
次の日も仕事や有給休暇を取っていたので、朝起きる時間は気にせず眠れる時間に眠ろうぐらいの気持ちでその日の夜は過ごしました。

続きを書きました。

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