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アウトライン・プロセッシングとMECEについて

文章を書こうと思い、頭に浮かぶことを片っ端からアウトライナーに列挙する。
見出しを立て、アウトライン化する。
シェイクしながら新たに思いついたことをさらに加筆する。
そのときふと「これはさっき書いたことと重複している」と思い、手を止める。
別のことを書き始めるが、「これもさっき書いた」と思う。
まだ書いていないことを書かなければと思うけれど、うまく思いつかない。
そんなことをしているうちに何も書けなくなってしまう。

……というようなことがあるのでシェイクが続かないんです、と言われることがある。

同じことを重複して書くことはそんなに悪いことだろうか。同じことが何度も頭から流れ出てくることは事実なのだ。それは(自分にとって)それだけ重要なこと、書きたいことだということではないだろうか。むしろ、大事なことだから何度でも思いつくのではないか。

「MECE」という概念がある。「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive(相互に排他的かつ完全に網羅されている)」の頭文字を取ったもので、要は「抜け漏れがなく重複もない」という意味。「ミーシー」または「ミース」と読む。

マッキンゼー由来のコンサル用語みたいなものだが、そういう言葉は使わなくてもリストや一覧表を作るときに「ヌケモレや重複がないかもう一度チェックしろ」みたいなことは、どこでも言われるだろう。

もちろんMECEはロジカルシンキングのための優れた技法なのだが、そういう概念を知ると、真面目な人ほど「いかなる場合もそれを守らなくてはならない」と思ってしまうことがある。たとえばアウトラインプロセッシングの最中にもそれを意識してしまう。

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