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富士山と自転車と誰かさん

通勤はいつも自転車だ。


本当はもっと早く行ける道があるのだけれど
四季折々の景色が見たいから
川沿いの土手を自転車で進む。

春は桜が咲き、夏は緑が鮮やかで、
秋はススキが揺れていて、冬は景色が最高だ!

天気がいい日は
遠くに丹沢の山並みが見える。
(丹沢=神奈川県北西部にある山地)

さらにその向こうには大きな富士山が見える。

今は真っ白な雪化粧の富士山がよく見える。

これが会社に向かうのでなければ最高の景色だ。



話しは変わるが、僕は視力が良い。
視力検査では裸眼で1.5以上ある。

子供のころからずっと視力だけはよく、
メガネのお世話になったことがない。

まぁ歳も歳なので、
今後は老眼鏡のお世話になるのだろう。

自転車をこぎながら富士山を見ていると
遠くのマンションや家々が目に入る。

視力が良いのと冬の澄んだ空気のおかげで
かなり遠くまで見える。

その遠くの小さく見えるマンションの一室を
ぼんやり眺めていると
不思議な感覚に陥ることがある。

当たり前だが遠くのマンションの
その一室にも住んでいる人がいる
その人にも当然生活がある。

同じ朝の時間だ。

会社や学校に行く前に
バタバタしている時間だ

僕はいま自転車をこいでいる

その遠くのマンションの誰かさんは
今まさに「行ってきまーす」と
玄関を出る瞬間かもしれない

パパを会社へ送り出し、
子供を学校へ送り出して
ママも急いで化粧して出勤する
その瞬間かもしれない

まだトイレに入っているかもしれない

とにかく朝はいつもバタバタしている

当たり前だ。

誰にでもいつもの朝がある。

そんなことはもちろん理解している。
わざわざ考えなくてもわかっている。

でも、
その誰かさんは
僕と、【同じ時間軸】の世界で
生きているのか?
って疑問を感じた。


もしかしたら違うんじゃないか?



という意味のわからない感覚に陥る。


あなたの8時15分は
僕が存在している同じ世界の
8時15分なのか?

時間というのは誰にでも
平等に与えられているのか?

あの遠くのマンションの知らない誰かさんと
同じ時間を生きている?

あの遠くの小さく見えるマンションの一室の
誰かさんと同じ8時15分?

本当は違う世界に僕はいるのか?

同じであることが不思議で
異常に思えてくる。



そんなことを考えていると
まもなく会社に到着だ。
いつもの日常が、また始まる・・・


ごめんなさい。

意味がわからないですよね。

こんな風に意味がわからない世界に
突然行ってしまうことがあるんです。

この話を誰かに話しても伝わらない。

でも、そういう思考に至った
ということを残しておきたかった。

そんな馬鹿馬鹿しいお話しです(笑)

お付き合いいただきありがとうございました。


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