ネット動画と著作権
先日投稿した掌編小説「きっとかわいい女の子だから」は、BLANKEY JET CITYの「ディズニーランドへ」の歌詞を知っていることを前提として書いた。知らなかったとしてもその場で探して聴くことを期待していた。そのためには、YouTube動画を埋め込むのが表現手法としては最良だと思ったのだが、公式動画らしきものが見つからなかったため断念した。
僕も著作者の一人であるから、他の著作者の権利を侵害するようなことはしたくなかった。とは言っても、インターネットに溢れる様々な形態の著作物の利用に対して何が不当で何が正当なのかは分かりづらい。特に自己の投稿に他者の動画を埋め込むことの法的正当性は正しく理解している人の方が少ないのではないかと思う。僕もいろいろと調べてなんとか理解できたかどうかというレベルであるが、誰かの役に立つのであればと思い、簡単に説明する。(もし間違いがあった場合はご指摘いただけると有り難いです)
1.基本的な考え
(1)動画を含め、他者の著作物のリンクを張ることは著作権の侵害に当たらない。
(2)動画の埋込みはリンクを張ることと同等と見做すことができる。(埋込みの場合は、ファイルの保存や送信機能の主体はあくまでも動画サイトなので送信可能化には当たらない。コピーしたものを自分のサイトに保存・公開したりSNS等にアップロードするのは駄目)
以上はあくまでも合法でアップロードされた著作物に限る。違法アップロードの動画に関しては、
(3)違法アップロードと知っていてリンクや埋込みを行なった場合は著作権侵害の幇助と見做される可能性がある。
(4)著作権侵害は親告罪であるため、元著作者が違法アップロードに対して侵害の申告をしなければ幇助罪も成立しない。
※おもに以下の記事を参考にした。
「動画像の埋込(エンベッド)と著作権」
2.アップロードされた動画の違法/合法の見分け方
「公式動画ならば合法」と判断するのがいちばん簡単だろう。著作権所有者自身により公開されたものであるから。利害関係においても、たとえばミュージックビデオの場合、販社やレーベルやアーティストの公式チャンネルの動画ならばプロモーション目的であり、拡散されることに対して文句を言われることはないはず。また、海外アーティストがよく利用している“VEVO”をプラットフォームにしている動画は公式と判断して間違いないだろう。
3.著作物の権利者として
アクセス制限をせずにインターネット上に公開した著作物については、拡散されることを容認したと見做され、引用やリンクのレベルにおいては勝手に拡散されたからと文句を言っても通らない。SNSの投稿についても同じ。
以上
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?