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移行期間2週目

2017年、当時勤めていた大阪のオフィスでは万博を呼ぶぞ!と盛り上がっていた。会社を動かしている役員陣の世代からすると、幼い頃のレガシーであり、バブルが大人になってからの記憶だとすると、今なら高揚する気持ちが理解できる。

その会社は辞め転職した2019年、そこには東京オリンピックに湧く東京の姿があった。その後の顛末は、日本中が知るとおりだ。あまり、メダルの実績とかはその後、取り沙汰されない。オリンピックが終わったらマンション価格が暴落する、なんて適当な言説もあった。見事に外して、東京になんて、とてもじゃないけど住んでいられないとフルリモートを言い訳に逃げるように京都に移住した。

移住して2年が経った。人の移動はコロナの前に戻り、街にも活気が出てきた。酒場にも人が戻った。自分の家庭も、少しずつ正常化が図られ、止まっていた3年くらいが一気に動いている。キャリアも動き始めた。それは、ここ2年くらい停滞していたのが嘘のように、するするとご縁に運ばれて動いていく。物事が動くときというのは、そんなもんなのだろうか。

今週、上記記事を何度も読み返していた。「粘り強さ」は、自分も履歴書に書くぐらいアピールポイントにしていた。でも、最近の自分は往生際が悪かったんじゃないのか?と思うふしがあり、それってまさに、記事にあるような自分のことしか考えていないエゴなんじゃないかと。

冒頭の万博の話に戻る。そう、あの雰囲気は、今思い出しても正直、役員陣のエゴにしか見えなかった。7年後の大阪、当時50代も後半、そう、2024年現在、彼らはもう事実上引退間近だ。だとすると、最後に花火を打ち上げたい、なんていうのは、エゴ以外なにものでもない。でも、もし、自分がその立場だったら。最後に花火を打ち上げたいかもしれない。日本の歴史の1ページに、未来につながる良い仕事になるかもしれない。それは、粘り強さにもつながる。結果は、終わってみないとわからない。

新しい挑戦は必ずしも成功しない。そこで、往生際の悪い自分が顔を出すぐらいなら、潔く次の挑戦を出来る人間でいたい。どこまで挑戦が許される社会なのかもそうだが、そもそも自分の気力はいつまで続くだろうか。

自分の中の一人のヒーローだったphaさんの書籍もこのタイミングで非常に刺さるものとなった。でも、中年まで、あと10年もある。そう考えると、良いおっさんになるための挑戦が始まったばかりであることも頭では理解できる。

若者向けの酒場に行ったら、明らかに中年以上のおじさんが女子大生に酒を奢っていた。20代はあったノリが、最近ちょっと怖い。中年以上のおじさんは、もしかしたら怖いものが一周回ってなくなるのかもしれない。

今は中年ではない。日本全体で見たら、若者側にまだ位置している。この立場をどう活かしていくか。そんなことも移行期間は考えていきたい。


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