見出し画像

発令直前・変身恋心京都怪獣バスの旅

 毎月恒例超大怪獣大特撮大全集2021、今月は『マタンゴ』『超少女REIKO』の変わりゆく人間SFホラー繋がりの二本。と、その前に、今週より始まった多発型イベント『ゴジラVS京都』の一つ、京都市美術館別館で行われている『GODZILLA GENERATION』を見に行こうかと午前中には家を出た。いつもの駐車場に車を停め、バスに乗って美術館まで。普段大阪にいるときもバスなんか使わないから、まずそのバス停を探すのに一苦労。いや、地下鉄でもよかったのかもしれない、でもグーグルマップは近場のバス停からのルートしか教えてくれなかった。

画像1

画像2

画像3

 京都市美術館別館は5年前にゴジラコンサートを見たロームシアターのお隣。しょっちゅうみなみ会館に行ってるものの、ここまで来ることはめったにない。

画像4

画像5

画像6

画像7

 撮影可能ポイントにはゴジラVSコングの巨大ポスターに開田裕治氏、西川伸司氏のイラストも。中に入ると両氏のイラスト原画がびっしり。どこを向いても怪獣、という幸せな空間でした。

画像8

画像9

 再びバスに乗り、京都駅へ。ここにもゴジラVS京都の告知が。あいにくスタンプラリーは三度目の非常事態宣言が発令されるために休止中。原画展もどうなるかわからない、なので、滑り込みで見に来たということなのです。

画像10

画像11

 ひょっとしたら『ガメラ3』公開時のイベント以来の京都駅の大天井。ここにガメラとイリスがすっぽり収まったのか。そして徒歩でみなみ会館へ。

画像12

 女子高生とキノコの二本立て。『マタンゴ』は無人島サバイバル、極限に追い込まれた人間が感情をむきだしにし、裏切りと対立、愛憎入り混じったどろどろのドラマを展開。それに雨が多いし、じめじめとした空気。そんな人間たちのことなどつゆ知らず、ぬっとあらわれるマタンゴ。やっぱり初登場シーンは怖い。もったい付けず、自然に姿を見せるのがかえって怖い。でも、人間からすれば恐怖のバケモノだけど、マタンゴ側からすれば、人間たちを仲間にしようとお誘いしているだけかもしれない。誘惑に負けてマタンゴを口にする仲間たち。ついには恋人さえもマタンゴ入りを果たし、守る者がいなくなった主人公は島を逃げ出す。人間同士はいがみ合うものの誰一人マタンゴに殺されていない、自死か事故死という皮肉。強い理性のために仲間を見捨てたように見えて、実は見捨てられた主人公はラストで後悔する。しかし……。明るく楽しい東宝映画らしからぬ救いようのないラストが強烈。

画像13

『超少女REIKO』は今年で30周年、実に公開時以来の鑑賞。あの時はもう一つだったけど、今見るとどうだろう……。実に丁寧に、かっちりと作られた青春ホラーだった。女たらしの男子学生が引きが目となり、彼に捨てられ死んだ女学生の例が学校を襲う、と見せかけて実は……のどんでん返し。しかし、真犯人が出てくるのが遅く、取って付けた感じに見える。それと、真面目な作風だけど、学園物だからもう少し笑いの要素があってもいいかな、とか、冒頭からかなり低空飛行なので、どうにかならなかったのかなとか、アラも見えてしまうのは確か。しかし、学園祭を舞台にした超能力合戦はかなりの迫力でした。場所をポンポンと移動して戦ったり、『さよならジュピター』が上映されていたりと、偶然にもシンエヴァンゲリオンを思わせるシーンもある。それにしても主人公観月ありさの祖母、菅井きんは強い。それが目立ってやや観月ありさが目立たない。個性派ぞろいのESP研究会のメンバーももっと役割を生かした見せ場を作れなかったのか。とか、やっぱりあらを見つけてしまう。悪くはない、あの時期にしては早すぎた学園SFホラーだし、平成、ミレニアムシリーズのゴジラを作ってきた下地がここで徐々にできつつある。大いなる助走、のような映画。

 そして来週からは怒涛のゴジラ連続上映が始まるけど、非常事態宣言が発令されたけど大丈夫なのか? 案の定、京都市美術館の展示は休止になりました。これからちょっと窮屈な連休が始まるのか、それはまだ、分からない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?