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◎百足の草鞋/直撃!京阪怪獣哀歌編


最初は適当に思いついたタイトルをでっちあげて、書かずにおこうと思ってました。しかし、これもまた『独立愚連隊』の中谷一郎言うところの『平たく言えば意地ってやつ』で、毎日何かを書いてみよう、という思いに駆られ、長文からつぶやき、写真のみに至るまで、何とかつないできました。さんざん前振りをして、第一回で適当に書いた『激突!怪獣談話室編』と『衝撃!京都銀幕編』をミックスした『京阪怪獣哀歌編』をいよいよ始めようかな、と思います。もったいぶった割に拍子抜けするぐらい早く終わってしまうかもしれない。ひょっとしたらずるずる続いていくかもしれません。

 大げさに言えば、介護とわずかながらも続いてるモノカキ業が続いていくのかな、と思っていた人生に訪れた大きな転機のようなものです。いち観客がなぜ、こんな目に? それをだらだらと書いていこうかなと思います。それでは記憶があいまいなので、当時のブログから抜粋して……。

 それは今から6年前の2014年、ハリウッド版ゴジラが再び上陸。ちょうどゴジラ生誕60周年の年でした。そして、あの映画館も50周年だったのです。

(太字が抜粋箇所)

『そうだ、京都へ行こう』。 日曜日の朝、出勤準備をしつつ『仮面ライダー鎧武』を見ながらぼんやりと思った。その数日前AKB48の横山由依ちゃんが京都の町をぶらつく『京都いろどり日記』を見たから、ではない。しかしあの番組は何とも言えない味わいがある。地元ということもあり、横山由依ちゃんものびのびと町をぶらついている。ほっぺたをパンパンにして、ぶらついている。 AKBの話ではなかった。京都だ。いやひょっとしたら横山由依ちゃんに会えるかも……と思ったかどうか、ちょっと思った。そんなわけはないが、思った。男の浪漫はバカバカしくも無限である。 京都に怪獣がいる、怪獣をやる。 こないだ大魔神見たじゃない! いや違う。京都の映画館、みなみ会館で月イチの特撮映画上映があるのだ。京都みなみ会館50周年記念、ゴジラ生誕60周年記念、ということで『大怪獣大特撮大全集』をやっている!

 おりしも東京ではゴジラシリーズを連日上映、夏の新ゴジラに向けて祭りの準備が始まっている。

 その第一弾『地球防衛軍』が昨日と今日の二日限定で上映している。でも京都は遠いしなあ……でも待てよ、俺、仕事終わっても家に一人きりじゃないか。少々遅くなってもいいんじゃないか? それに勤務場所は堺市、京都には若干近いじゃないか。気分だけかもしれないが、近い! よし、京都に行こう! 100ccのスクーターを飛ばして北へ北へ、高速には乗れないけれど、何とかなるもんさ。そう、昔はカブを飛ばしてどこまでも走って映画を見に行ったじゃないか。その感覚を思い出せ! 要はやってることは昔と変わってないということだ。 一時間半ほどで京都に到着。

 まずはここまで。色々あって週末に時間ができてしまった。そんな時、たぶんSNSで見かけた『地球防衛軍』のみなみ会館での上映。よし行ってやろう。あの時と違い、高速道路ができたおかげで、京都にも行きやすくなった。バイクを飛ばしながら、感覚が映画のためにどこまでも走った学生時代に戻っていったような気がしました。そして数年ぶりのみなみ会館。
 
 

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 ロビーでは従業員の人とフィルム上映自体の大変さなどを聞く。そういやシネコン以外の映画館に来るのもみなみ会館に来るのも久しぶりだ。

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 ロビーに並べられるグッズ類、圧巻! 俺もモゲラ持ってくればよかった! いや、持ってきたところでどうという話ではないが、映画を見る時はこういった気分も大事なんです。


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 驚いたのは、もう50年以上前の映画の上映なのに、ロビーにずらりと並んだ怪獣商品と当時のポスター。『なんだこれは?』と思うと同時にわくわくした気分で開演を待ちました。そういえば情報の発信元が大阪にある怪獣玩具メーカーのキャスト社だった。なるほどそこのグッズを並べて売ってるのか。キャスト社といえば以前は食玩『特撮大百科』シリーズを出していたような。長テーブルに並べられた商品を見ながら、自然と顔がほころんでいました。これまで色々あって、怪獣とがっつり向き合えるなんて、長らく味わっていない、と思いました。そういえばキャスト社さんといえばツイッターで相互フォローさせていただき、その前年、尼崎で行われていた『怪獣市場』にも参加していたような。映画館と玩具メーカーの関係が何となくつながってきました。そして上映開始。スクリーンで見るのはいつ以来でしょうか、そして……。


 上映終了後に拍手が巻き起こりました。
 これはもう上映前のあれこれを考えると映画を『見た』のではなく『感じた』ようである。この祭りに参加したかったんだよ、どうしても!

 そう、祭りだったんです。ほぼ満席の劇場で特撮怪獣映画を見て、拍手が起きる。そして赤いリノリウムのロビーに出ると、夜店の露店のように怪獣グッズのお店が並んでいる。祭りだ、怪獣祭りだと思いました。そして、映画を感じるというか、大阪から京都へバイクで走ってきたことが映画体験、いや映画館体験だったのです。

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 来月以降はどうなるかわからないけれど、とにかく暇があれば行ってみたい、と思う。


 と、その日のブログにはこう書かれていましたが、『暇があれば行ってみたい』と言いながら、翌月も、その翌月も京都に、映画館を巻き込んだ怪獣祭りに参加することになったのです。そしてお客さんでごった返す中、相互フォローされているお礼を兼ねて、主催の方を探しました。どっちやろ、映画館の人か、キャスト社の人か。そしてそれらしき人物を見かけ声を掛けました。その方がキャスト社のF氏、そしてこの先、しがない作家を怪獣界隈に誘い込む『デビルマン』で言うところの飛鳥了のような存在だったのです。

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 F氏は、初対面だというのに会うなり次の話、怪獣市場への出演を切り出してきたのです。
 
 久しぶりのミニシアター、みなみ会館、久しぶりのスクリーンで見る特撮映画、久しぶりに見る怪獣界隈の人々。そして思いがけない縁で、生活が、人生がどんどん面白い方向に転がっていくのでした。さて次回からは怪獣まみれのお話になりそうです。


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