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9月から変わること、変わったこと・・・②

オミクロン株による重症化率・死亡率の分析がすすんでいます。
その結果も厚生労働省から公表されました。

第 6 波 における重症化率・致死率について
第98回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料より

高齢者ではまだまだたくさんの重症者や死亡者がでていますが、若年者はかなり少なくなりました。
そのことを踏まえて、9月から変更になるポイントがあります。

1.全例届け出が変更

先だって全例調査を中止している地域もありますが、今後は全国的に全例調査が変更になります。
今パンクしている保健所業務を削減し、第8波でまたパンクするであろう医療資源を本当に必要な人に提供するためと思われます。

1-1.段階的に調査項目を削減していたが・・・

以前は1名陽性が出るたびに
・住所・氏名・生年月日・性別・電話番号・職業
・発症日・症状・経皮酸素飽和度
・検体採取日・検体採取場所・検体採取方法
・重症化リスクの有無や種類・ワクチン接種年月日と種類
・感染した原因(分かれば)と場所・海外渡航の有無と場所
そんな事を入力していました。

1名入力するのに5分ほどかかります。
10人陽性者が出たら、それだけで1時間ほどかかっていた訳です。
陽性者が増加してからは、項目数が段階的に削減されていました。

最終の今年7月22日の変更では、
・住所・氏名・生年月日・性別・電話番号
・診断日・検体採取日・発症日・ワクチン接種回数
となっていました。
ですが65歳未満の重症化リスクのない方は、
・住所(市区町村名まで)・氏名・生年月日・性別・電話番号
・報告日
のみとなります(首相官邸HPより)。

1-2.そして検査体制も変更

医療機関を受診されたら我々が報告しますが、今後は「コロナっぽいから医療機関へ」も変わります。

新型コロナの今後の診療・検査:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料より

65歳未満で症状が軽い方は、自主検査・自主届け出となります。
朝起きたら喉が痛くて微熱が・・・と感じたら、抗原検査キットを申し込んで下さい。翌日に到着します。

翌日じゃ間に合わない!と思うかもしれませんが、発症当日は感度が低めなので丁度よいと思っています(新型コロナ診療の手引きでは、第2版まで抗原検査は発症2日以降で使用することとなっていました)。

インフルエンザだとしても、発症24時間以降で受診が推奨されているので、抗原キットで陰性を確認してから医療機関を受診すれば大丈夫です。

逆に高齢者や重症化リスクのある方が発熱外来で待たされたり、受診できなくならないようにすることが大切です。

1-3.コロナは自主管理へ・・・

65歳未満で妊娠を含む重症化リスクがなく、症状が軽い方は自主管理となります。

発生届対象外の方の保健・医療体制:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料より

抗原キットで陽性になったら自分で登録して、My HER-SYSに健康状態を登録して、食べるものがなければうちさぽ東京にお願いして、家族を感染させたくなければ宿泊申し込みをする。
分からないことや不安があれば、うちさぽ東京に相談をする。

そんな時代になります。

2.それって5類扱い!?

2-1.5類に近づいたけど・・・

全例把握は2類感染症の措置とされています。
それを終了するということは、一歩5類に近づいたといえます。
他、医療費の公費負担、入院・隔離勧告、就業制限が解除されれば、5類となります。

5類になると抗原キット費用、ホテル療養のホテル代、うちさぽ東京の相談費用・食料の費用も払うことになります。
入院してレムデジビルを点滴すれば、3割負担で10万円かかります。コロナの飲み薬も3割負担で3万円弱かかります。

現実的には5類にするのは難しいと思っています。

2-2.自宅療養・自主隔離は必要!?

コロナの死亡率はだいぶ下がったとはいえ、70歳以上の方が感染すれば1~数パーセント程度死ぬ病気です。
日本人の22%は70歳以上です。
まだまだ「ただの風邪」とは言えない病気です。

また、よくコロナと比較されるインフルエンザも陽性者は出勤停止です。
ノロウィルスや風疹、水ぼうそうも出勤・出席停止です。
普通の風邪でさえ、マスクをして極力行動を控えるのがエチケットです。

死亡率が下がったから、全例調査が終わったから、もう何でもOKという訳ではありません。
しっかり自宅で過ごすようにして下さい。

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