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◯ツコの知らないプレミアリーグ選手入場曲の世界

じゃん♪♪
じゃらん♪♪
じゃら だ だ だ だ だ だ だ♪♪

だん♪♪
Da-dum♪♪
Da-da-da-da-da-da-da-da-da♪♪

Dum♪♪
Da-dum♪♪
Da-da-da-da-da-da-da-da-da♪♪

Why haven't I told you♪♪
Oh, baby……♪♪

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

○ツコの知らない!!

プレミアリーグ選手入場曲の…世界!!

(ガチャッ)

ということで、

今回は、

「  Premier League ✖︎   音 楽   」

という観点から、筆者が前々から興味を持っていた『プレミリーグの選手入場曲』についてまとめていきます。

(その前にイケメてるペップについての記事もどうぞ)

◯ツコの知らないプレミアリーグ選手入場曲の世界

選手入場曲#とは

本題に入る前にまず…

突然ですが

プレミアリーグ……ではなく、UEFAチャンピオンズリーグの試合で流れている選手入場曲を、脳内若しくは声に出して再生再生再生成してみてください。

多くの方は上の音楽が思い浮かんだかと思います↑

音痴な人はこっち↓

しかし、この曲は

厳密に言うと、UEFAチャンピオンズリーグの試合で流れる選手入場曲ではありません

実況の方も毎回仰るように、「チャンピオンズリーグアンセム」であって、ザックリいえば、選手入場時に流れているとも言えますが、実際には選手が入場し終わり整列した後に、代表戦で言う国家に近い形で流れているので、あくまでアンセムとしての扱いなのです。

ちなみに、このCLアンセムを作ったのは、イギリスの作曲家Tonny Brittenさん。王立音楽大学を卒業後、作曲家やロンドン国立劇場の音楽ディレクターなどとして活躍。1992年にUEFAから依頼されて作詞作曲を手掛けたそうです。壮大なオーケストラ演奏はロンドンフィルハーモニー管弦楽団によるものだそう。

同様に、

プレミアリーグの中継等で使われている下の曲も、選手入場曲ではなくてアンセムであり、

スタジアムでは、選手が入場し終わって、握手をしているタイミングに流れています。

(更新)2020/2021シーズンから上の新しい曲がアンセムとして使用されています。

こちらは2019/2020シーズンまで使用されていたアンセムです。

前の前(2013-2016)のプレミアアンセム。
ライオンのガオーッ!が印象的でしたね。

下はさらに前のバージョン。シティに対する扱いが雑なので気にくわない(2010-2013)

(それ以前は割愛。)

これらもまた、厳密には、選手入場曲として使用しているとは言えません。

「選手入場曲」の定義を勝手に定めるならば、「審判団を先頭に選手たちがピッチに歩いて入ってくる時に流れている曲」のこと。

選手入場曲は、これらとは別にあるよってことです。

ちなみに、チャンピオンズリーグにおける選手入場曲は、この曲が統一して流されています。(決勝戦除く)

それに対して、

プレミアリーグは、選手入場のタイミングで流す曲は、リーグ全体で統一されていません

なので、各クラブが好きな曲をかけることができるのです。

それぞれのクラブがそれぞれ想い想いの曲を選曲し、スタジアムのテンションが高まる雰囲気を作っています。

そんなナナナナナイロなプレミリーグ選手入場曲の世界……

今回は、プレミアリーグのクラブの中から、筆者が独断と偏見で選んだクラブの選手入場曲について、それが使われるようになった由来を含めて紹介していきます。取り上げられなかったクラブのファンはごめんね。各々でまとめといて!

*以下の情報は2019年末時点でのもので、由来は諸説あります。ちがうだろー!って思ったら優しく指摘してください。
*「誤字脱字」疑惑によるVARの発動は、対象外のため発動いたしません。アドバンテージの適用をお願いします。
*ここから先もYouTubeの音源をたくさん再生再生再生成しながら進むので、Wi-Fi環境を整えてから進んでください。通信量がBabyだいじょばなくなります。

Manchester City FC

入場曲
*19-20シーズンの2試合目より
「Hey Jude」/The Beatles

Naaaaa Na Na
Na Na Naaaaaaaaaaaaa
Na Na Naaaaaaaa City♪♪♪♪♪♪♪

Hey Judeの部分をシティと叫ぶのがシチズン流(もしくはya ya ya~toure~笑)

試合開始前など *19-20ホーム開幕戦のみ入場曲として使用
「Blue moon」

歌詞(チャント部分のみ)

Blue Moon,
You saw me standing alone,
Without a dream in my heart,
Without a love of my own,

18-19シーズンまでの選手入場曲
「Right here, Right now」/Fatboy Slim

4年目に突入したペップシティ。超野戦病院化と相手に研究し尽くされたシャークチームは、令和最初のクリスマスを前に、3連覇を懸けたリーグのタイトルレースから後退中です。盛者必衰の理を表す。出木杉くんだったここ2シーズンとのコントラストは否めず、あのシルバも若干輝きを失いつつあ…。Perfumeが歌っているように、チームとして再生再生再生成の段階に来ている事は間違いありません。アルテタもいなくなっちゃったし。

そんな19-20シーズンから、エティハドスタジアムで流れる選手入場曲が変更されています。スパーズとのホーム開幕戦では、これまでの「Right here Right now」から「Blue moon」に変更。さらに、次の試合からすぐにまた変更され、「Hey Jude」が今季の選手入場曲になっています。

変更された理由は今のところ明らかになっておりません。マンチェスターにいる友人にも聞きましたが、分からないとのこと。

理由が分からないのでなんとも言えない部分はありますが、筆者としては、この変更に対して少し残念に思っています。

その理由は、Right here Right nowがマンチェスターシティの選手入場曲として定着したきっかけにあります。

1999年春。

当時3部に所属していたマンチェスターシティがデビジョン1(2部)昇格をかけて、ジリンガムと対戦しました。

旧ウェンブリーで行われたこの一戦は、マンチェスターシティの歴史に残る劇的な試合となったのです。

両チームゴールレスで迎えた81分、ジリンガムが先制ゴールを挙げると、87分にも追加点。終盤に2失点を喫したシティは窮地に追い込まれます。

残り時間も少なくなる中、シティは猛反撃。まずは90分、ホーロックのゴールで1点を返し2-1に。

そして……

5分のアディショナルタイムもほぼ残っていなかったラストプレー…

ポール・ディコフが正確なトラップから渾身のシュート

そのボールは

DFにディフレクトして

ゴールに吸い込まれました

2-2

土壇場で試合を振り出しに戻したのです

その後、PK戦にて勝利し、ディビジョン1(2部)へ昇格。この試合は、シティの歴史において重要な試合の1つとなり、ディコフ氏のゴールは、アグエロの「93:20」と同じように、シティ史上重要なゴールの1つとして語り継がれています。

1980年代から約20年強の間、マンチェスターシティは、タイトルはおろか昇降格を繰り返し、1998/99シーズンは、3部リーグに相当するディビジョン2に降格するなど不遇の時代が続いていました。ほぼ同時期に、三冠を達成するなど輝かしい歴史を作り上げていたユナイテッドとは対照的に、シティは「陰」に隠れていた暗黒期だったのです。(だが決してオイルマネー以前ずっと暗黒期だったわけではない)

もし、この2部昇格プレーオフで負けていたら……今の姿があったかどうかも分かりません。ジリンガムのように今もなお下部リーグに低迷していたかもしれません。

それほど重要なプレーオフで劇的勝利を収めた我らがマンチェスターシティ。その試合会場で、初めて選手入場曲として使われたのが「Right here Right now」だったのです。(元々ジリンガムの入場曲で、この試合ホーム扱いだったから使用した説あり)

Right here Right nowは、イギリスのクラブDJミュージシャンである、ファットボーイスリムの曲。1980年代にバンドマンとしてデビューしたのち、DJとしてテクノポップなジャンルに囚われず、ダンサブルな曲調などを融合したビッグビートで大ヒット。全体的に癖の強い曲が多いです苦笑

この曲は、1998年のアルバムに収録されたのちにシングル化された曲。彼がブレイクするキッカケとなった曲であり、プレミアリーグの番組や日本の自動車CMでも使われたことのある曲でもあります。

Fatboy Slim

この曲がマンチェスターシティの選手入場曲として使用される意義は、とても大きいと思います。

「FIGHT 'TIL THE END」

毎シーズン終盤戦になると、チャッチフレーズとしてよく使われたり、チャントやドキュメンタリー番組のタイトルにもなっているこの精神は、アグエロの93:20より前から……このディコフ氏のゴールから受け継がれてきたものだと解釈しています。それを思い出させてくれる曲が「Right here, Right now」だったのではないでしょうか?

昨季まで選手入場曲として使用されてきましたが、先述の通り、19-20シーズンから変更されてしまいました。何か理由があるのかもしれませんが、個人的には、シティの選手入場曲はRight Here, Right Nowであるべきだと思います。

ヘイジュードの方が、静地エティハドでも大合唱されるので、盛り上がり度で勝っているのは間違い無いです。なおこの曲については、各自でググれば山ほど情報が出てくるので割愛。高1の音楽の授業で筆者が歌ったこともあるという令和一どうでも良い情報だけ入れておきます。

Blue Moonは、言わずと知れたシティの代表曲。チャントとしてもしょっちゅう歌われています。

(詳しくは、マンチェスター大学在学経験があり、コアサポエリアのシーズンシート保有者の日本人シティサポである、けんたろうさんが分かりやすくまとめたブログ記事をご覧下さい  )

(1999年2部昇格プレーオフでゴールを決めたホーロック氏(右)とプレーする筆者。2018/5撮影)

さて、ここからは、イギリス南部から北上するようにして他のクラブの選手入場曲を紹介していきます。

まずは、イギリス有数のリゾート地にあるこのクラブから!

Brighton & Hove Albion FC

選手入場曲 Sussex by the sea

正式名称は「ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン・フットボールクラブ」。シーガルズの愛称でも親しまれているこのクラブの本拠地、アメックススタジアムといえば、2015年のラグビーワールドカップで日本が南アフリカから大金星を挙げた時の舞台となった場所でもあり、マンチェスターシティがプレミア連覇を決めた場所でもあります。

クラブ自体は、1901年に創設されたものの、一部の経験は少なくメジャータイトルも獲得していません。しかし、2011年に新スタジアムが作られ、17-18から久しぶりに一部に昇格し健闘しています。試合を見に行ったことがある先輩によると、二部時代でもユニホームだけは一丁前に高ったそうです。アメリカンエクスプレスがスポンサーについている影響なのか、そもそも物価が高いのか苦笑

そんなブライトンの選手入場曲は「サセックス・バイ・ザ・シー」

サセックスとは、ブライトンを含むイギリス南東部地方のことを指し、イングランド統一前のアングロサクソン七王国(7~9C)の一つ「サセックス王国」が起源となっています。サセックス王国は、ウェセックス王国の支配下になった9世紀前半まで栄えました。そんな歴史的な街サセックスは、自治体再編によりイーストサセックスとウェストサセックスに分割されるなどしたのち、1997年にイーストサセックス県からブライトン・ホーブが単一自治体となって分離し今日に至ります。まさに「海辺の古き良きサセックス」ですね。ちなみに、プーさんでお馴染みの100エーカーの森もイーストサセックス州にある実際の森が参考になっているそうです。

歌の話に戻ります。

「Sussex by the sea」は、1907年に作られ、非公式ながらサセックス地方の愛国歌的存在として、この地方のボンファイヤーナイトやスポーツの試合、祝祭などで幅広く使用され愛されている曲です。

あくまでイギリス王国のサセックス公爵を称える歌との位置づけだそうですが、2度の世界大戦の際には、この地方の軍隊行進曲や海軍の重巡洋艦の入港の際に演奏されるなどしたこともあって、有名になったそうです。

追記:現在(2020年1月)のサセックス公爵はヘンリー王子で夫人がメーガン妃。ご存じの通り、年明け早々高位王族から退く意思を表明し、イギリス王室、イギリス国内で大きな波紋を呼んでいますね。一見フットボールと全く関係のないヘンリー夫妻の問題ですが、変な紐解き方をするとブライトンの選手入場曲につながっている話なわけです。だから何だって話ですが、日本はもちろん世界のほとんどのメディアで取り上げられることがないと思うので書いておきました。

また、ブライトンに加え、クリケットチームもこの曲を公式ソングとして採用していますが、歌詞が少し書き換えられています。

例)本家

Oh Sussex, Sussex by the Sea! Good old Sussex by the Sea!
You may tell them all we stand or fall,
For Sussex by the Sea.

サッカー、クリケットの試合ver (1957年作詞)
歌詞変更に加え、本家の歌の一部がカットされショートverに。

Good old Sussex by the sea, Good old Sussex by the sea
And we're going up to win the cup
For Sussex by the sea.

なお、いつから選手入場曲として使われ始めたかは不明。1957年にクリケットの試合用に歌詞が書き換えられたくらいなので、昔からブライトンのサッカーファンの間でも歌われていたと推測します。

さて続いては、タイタニックの母港でお馴染みのサウサンプトン!

Southampton FC

選手入場曲 いろいろ

・筆者現地観戦時に流れていた曲
The Saints Are Coming/ ザ・スキッズ(カバーver:U2&グリーンデイ)

・英文のまとめサイトに紹介されているが…
O Fortuna(おお、運命の女神よ)/ Carl Orff

・ナイトゲームの光の演出時に使用されがち
Hate Me Now/Nas feat. Puff Daddy

吉田麻也所属のサウサンプトンといえば、2019年5月に、我らが清水エスパルスと業務提携を結びましたね。

アカデミー含めた交流や情報交換などに加え、

歴史的大敗までシェアした両クラブ…

先日(2019.12.10)、リブランディング発表も行われたエスパルスの今後にも注目です。チームとしての課題は山積みですけどね…

入場曲のほうに話を戻しますね。

セインツの入場曲は、昔までは、ドイツで発見された詩歌集カルミナ・ブラーナをもとに作曲された曲の一つ「O  Fortuna(おお、運命の女神よ)」がメインでしたが、最近は以下の二曲の使用率の方が高い印象です。

筆者が現地観戦した17-18シーズン最終節、ジェズスがアディショナルタイムに劇的決勝点を決めてシティが勝点100に到達した試合でも使用されていたのが「The Saints Are Coming」。

この曲はもともと、1978年にThe Skidsがリリースした楽曲ですが、2006年にU2とGreen dayがコラボしてカバーしたバージョンの方が、洋楽好きには馴染み深いかと思います。彼らがカバーした理由は、2005年にアメリカで死者2,000人弱という甚大な被害を及ぼしたハリケーン(カトリーナ)のチャリティーソングとして、特に、歌詞にも出てくるニューオーリンズのミュージシャンを救うためで、実際にNFLのニューオーリンズ・セインツのスタジアムでも演奏したそうです。

【サビの歌詞】
The saints are coming, the saints are coming
(聖者がやってくる、聖者がやってくる)
I say no matter how I try, I realise there's no reply
(どうやって試してみても、なにも返事がないと気づいた)

歌詞の解釈はそれぞれあると思いますが、サウサンプトンがこの曲を選手入場曲として使用する意義は、そこそこ大きいと思います。以下、勝手な解釈です。

サウサンプトンの愛称は「セインツ」(セントメリーズ教会が創設した「St. Mary's Young Men's Association FC」が由来)。1800年代から存在する古いクラブながら、タイトルには恵まれず、獲得したメジャータイトルは75‐76シーズンのFA杯のみ。今シーズン(19‐20)は、レスターにホームで0-9の歴史的大敗を記録するなど、サポーターにとってはなかなか報われない…つまりは「I realise there's no reply」な日々が続いている。それでもなお、サポーターはスタジアムに足を運び、「セインツ(聖者)の行進」のチャントを大合唱し、「セインツ」の勇姿を見届けにやってくる。

こう考えると、「The saints are coming」を選手入場曲として固定しても良いのにな、と筆者は勝手に思っています。(セインツの試合を毎試合見ていないので確証は持てないけど、この曲はもしかして大事な試合の時だけ使用しているのかも…)

ちなみに、この文章を書いているまさに今(2019年12月19日)、USBの南野がリバプール加入が正式発表されてすごく騒がれているけど、リバプールの下部組織で長いことプレーしている吉田麻也も忘れないであげて。彼こそがリバプール史上初の日本人選手よ。

さてさて、ここからは、サウスウエスタントレインに乗車してイギリスを少し北上。ロンドンのクラブの選手入場曲を紹介していきます。

Chelsea FC

入場曲「Liquidator」/Harry J All Stars

* * * *
♪♪♪♪♪♪♪♪
****
We hate Tottenham!Chelsea!
(*=手拍子)

試合前「Blue is the color」

歌詞(冒頭のみ)
Blue is the colour, football is the game
We're all together and winning is our aim
So cheer us on through the sun and rain
Cos Chelsea, Chelsea is our name.

元祖金満クラブの選手入場曲は、「Liquidator」。スタンフォードブリッジで最初に流されたのは、1960年代後半だそうで、スタジアムに招かれたウエストインディアンの方々(ジャマイカ人の移民の方々)を歓迎するために、試合のハーフタイムでDJによって流されたのがきっかけだそうです。

ちなみに、チェルシーファンなら既に知っている方も多いとは思いますが、この曲に乗せて現地のサポーターは「We hate Tottenham, Chelsea!!」という歌詞を加えて長年(いつからかは分からん)歌っています。

Blue is the colorは選手入場曲として使用されていた時期もありましたが、現在は別のタイミングで使用。まあそれ以前に、そもそもチェルシーの超代表曲として有名ですよね。詳細ついては、調べるのが面倒になったので、ウィッキをコピペしておきます苦笑

1972年当時に在籍していた選手たちによって収録され、同年のFAカップ決勝・ストーク・シティFC戦に合わせてリリースされた。レーベルはペニー・ファーシング・レコーズ。1972年3月時点におけるイギリスの音楽チャートでは5位、アイルランドでは8位を記録した。今日ではイングランドサッカーにおける最も有名なサポーターズソングの一つになっている。

だってよ。

19-20からスーパーフランキーランパードが監督に就任し、若きチェルシー軍団としてそれなりに頑張っています。まあ、「Just like Manchester, London is Blue♪♪」なので、筆者はチェルシーのことは入場曲含めてそこまで嫌いではないです。

West Bromwich Albion FC & Wolverhampton Wanderers FC

Liquidator」といえば、チェルシーのイメージが強いですが、ウェストブロムウルブズも、この曲をスタジアムでよく流してます。

バギーズは、選手入場曲(Insomia/Faithlessの2分17秒から)とリーグアンセムを流した後に使用しており、掛け声「Fuck off Wanderers!! West Brom!!」の迫力だけは3クラブに負けていません。

ウルブズは逆に、「Fuck off West Brom, Wolves!!」と掛け声を発するそうですが、最近この曲を聴くことは滅多になく、違う曲を選手入場曲として使用しています。ちなみに、この3クラブの中で「Liquidator」を一番最初に使用しだしたのはチェルシーだそうですよ。

どんどんまいります。

Arsenal FC

(2018年5月ヴェンゲルありがとうムード全開だったエミレーツスタジアム)

選手入場曲  プレミアアンセム笑

一応「The wonder of you」

アーセナルといえば「The wonder of you」でしたが、最近聞かないな…と思ったら、さるグーナーさん曰くやはり数年前からエミレーツでは流れていない模様。(しかも厳密には選手入場前に流れていた記憶が…)

で、今は何が流れているかというと、

なんとプレミアリーグアンセム苦笑

GROLIAの時代から、ピッチに歩いてくるタイミングでリーグアンセムが使用されています(たぶん)

なんというセンスのなさ…

整列後にRight here, Right nowとともに選手紹介をするのは良いと思いますが、なぜ入場曲がデフォルトなのか…ここに関しては、クラブのアイデンティティのかけらもない非常につまらないクラブだなと感じます。

と言いたかったが、

うちで育った”指導者”アルテタがアーセナルの新監督に就任したことについては、どうでもよいでは済ませられないですよ。交渉プロセスに不満大ありだからおこがましく言わせてもらうけど、おたくのフロント大丈夫ですか?監督や選手含め変わったほうが良いかもでけど、それ以上にフロントが……おっと、頭痛が痛い(清水方面を不安げに見つめらがら

まあとにかく、頑張れアルテタ。頑張れペップ。

さて、お次はノーロンの白いほうのクラブへ!

Tottenham Hotspur FC♨︎

入場曲
「Duel of the fates」(スターウォーズより)

(入場曲と同じ感じで聞きたければ、最初の14秒を再生したあと、2分38秒まで飛ばしてください。)

筆者は昔から映画のサントラが結構好きで、タイタニックやゴジラ、ハリーポッター、パイレーツオブカリビアンなどのサントラは今でも時々聞いています。特にアクション映画のサントラは、壮大かつ迫力あるクラッシック曲が多く、入場曲映えもすると思います。

スパーズの選手入場曲は、そんなサウンドトラックから、スターウォーズのエピソード1で流れるサントラの「Duel of the fates」(1999年リリース)を採用。

この曲を2007年から入場曲として使用しているそうですが、

なぜ使い始めたかについては、以前、ツイッターのフォロワーさんとスパーズジャパン(@SpursJapan)さんとでこの話題に触れたことがあるので、そのやり取りをご紹介します。

日本語公式曰く、

「カッコ良いからじゃね。」

ですって。

運営側の事情もあって、おそらく、曲を流した雰囲気的に、クラッシックのカッコ良い曲で入場曲映えしていたから採用したのでしょうね。

スパーズといえば、18-19の開幕から……いや秋から…いや冬から……もうすぐ春ですねえって時期からやっと、新スタジアムをオープンさせました。

航空写真だと便器だったけど、実際に中に入ったらなかなか凄かった。

新スタといえば、ハマーズもアップトンパークから、ロンドンオリンピックスタジアムに本拠地を移しましたね。

ってことで続いては…
ウェストハーーーム!ユーナイテーッド!!
(現地のDJ風に)

West Ham United

入場曲&試合前
「I'm forever blowing bubbles」

I'm forever blowing bubbles
(私はずっとシャボン玉を飛ばし続ける)
pretty bubbles in the air
(空に浮かぶ綺麗なシャボン玉)
they fly so high, 
(シャボン玉は空高く飛び)
nearly reach the sky
(空に届きそうなくらい近くへ行くけど)
then like my dreams they fade and die
(私たちの夢と同じように、シャボン玉は弾けて消えてしまうの)
fortunes always hiding
(幸運はいつも隠れてしまう)
I've looked everywhere
(私はこれまでも至る所探しているのに)
I'm forever blowing bubbles
(私はずっとシャボン玉を飛ばし続ける)
pretty bubbles in the air
(空に浮かぶ綺麗なシャボン玉)

おまけ
選手紹介曲 BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY/布袋寅泰

キックオフ前
再びBabbles

大量のシャボン玉とともに流れるこの曲は、ハマーズのアンセムとしてプレミアサポならお馴染みですね。筆者も好きな曲の1つです。

原曲は、アメリカのJohn KelletteとJaan Kenbrovinによって作られ、1918年にアメリカでメジャーヒットを記録。その後、1920年代にイギリスにも知れ渡り、ヒットソングとなりました。曲を聴くとわかるように、ユルネバやシティのBlue Moonと同じように、アゲアゲの曲ではなくてしんみりする曲ですし、歌詞をみると寂しげな曲なのが分かります。

しかし、この曲がハマーズのアンセムとして定着した明確な理由は分かっておらず、諸説ある状態です。

諸説その①
1920年代、ハマーズの学生チームにWilliam Murrayという若い選手がいました。当時、いわゆる下部組織の試合はトップチームとともに人気があり、彼も出場していたアップトンパークでの試合に1,000人近くの多くのファンが詰めかけていました。そこでいつからか、William Murrayが上の絵画の人物と似ていると話題に。上の写真は「Bubbles」という題名の絵画で、イギリスのPear's soapの広告に使用されていたことで知られていたのです。そしてそこから、彼に「Bubbles」というニックネームをつけられ、彼のチャントとして、「Bubbles」繋がりで当時流行っていた「I'm forever blowing bubbles」が歌われたとか。尚、この選手は、結局トップチームには上がれなかったそうです。
諸説その②
1920年代にスウォンジーが「I'm forever blowing bubbles」を歌っていたという証拠がある。そして1922年にFA杯でハマーズと対戦したことから、この試合をきっかけにハマーズサポーターも真似するような形で歌い始めたんじゃないか説。しかし、定着したのは1920年代後半ではないかといわれているそうです(1923年にFA杯決勝に進出した際の配布物に掲載されていたチャント例に別の歌が載っていたから)。
諸説その③
第二次世界大戦開始後に定着した説。それまでは、少なくともアップトンパークで全然歌われていなかったが、WWⅡ中に、人々が防空壕の中で士気を高めるために「I'm forever blowing bubbles」を歌い始め、それがフットボールの試合でも歌われるようになっていったかもしれないらしい。直接証拠ではないが、1940年にハマーズがウェンブリーで戦ったカップ戦決勝で、この歌が合唱されていた記録が残っているんだそうです。

このどれかが答えなのか、はたまた別のきっかけがあったのかはわかりません。でもまあ、100年近く歌っていることもあって、ハマーズにぴったりな曲ですよね。悲願のリーグ優勝を果たした時に歌えたら筆者でも感動して泣きそう…

ちなみに、選手紹介に使われているのは、日本人アーティスト布袋寅泰BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY。国内外問わず様々なスポーツシーンで使用されており、ラグビーのイングランド代表の試合でも使用しているのだそう。サッカー界でこの曲を初めて選手入場曲として採用したのは、北アイルランドにあるリンフィールドFCらしいです(どこや)。

ハマーズといえば、古き良きアップトンパークのイメージが強かったですが、ご存じの通り、現在はロンドンオリンピックスタジアムを改修した新スタジアムを本拠地として使用しています。ハマーズに限らず、スパーズが便所を造ったり、フラムがクレイブンコテージを改修したり、エバートンが新スタの計画を立てていたり……スタジアム自体の耐震性などの問題より、ビジネス的側面などの背景が大きいにせよ、イングランドらしい昔ながらのスタジアムが減っているのはちょっと寂しいですよね。

筆者としては、アップトンパークへ行けなかったことを今でも悔やんでいます(ロンドンスタジアムもよかったけど)。やっぱりね、行きたいと思ったときに、会いたいと思ったときに行くべきですよ。失ってから気づくことが多いけど、失ってからじゃ遅い。好きな人に好きって伝えることも、親や友人に感謝することも……。あるのが当たり前、いるのが当たり前のように見えて、実はとても儚い。シャボン玉や泡のようにすごく儚いんです。その儚さ、奇跡が積み重なって今の「あたりまえ」がある……。でも、それってあたりまえなんかじゃない。だから、今ある「あたりまえ」への感謝をしながら、これからも毎日を楽しく生きていきたい……。それでは聞いてください、Perfumeで「Everyday」。

お送りしたのは、2019年9月18日にリリースしたPerfumeのベストアルバム「P Cubed」にも収録されている名曲「Everyday」、でした。CMの後も引き続き「〇ツコの知らないプレミアリーグ選手入場曲」の世界をお楽しみください。

てことでいい加減本題に戻りますわ。

Crystal Palace FC

入場曲「Glad all over」/The Dave Clark Five

ペップのチャント「We've got Guardiola!!」で御馴染みの方もいると思いますが、その原曲がこれ。筆者のカラオケ十八番の一つです。

原曲とこのグループについての情報は、参考記事をぺったんこしておきます↓

ロンドン郊外のトッテナム出身。サッカー・クラブのメンバーが遠征費を稼ぐために結成したというエピソードもある。
デビューしたのは62年で、しばらくは鳴かず飛ばずの状態が続くが64年の「Glad All Over」がビートルズの「抱きしめたい」をチャートの1位から引き摺り下ろしたことにより、強力なライバルとして注目を集める。続く「Bits And Pieces」も全英チャート2位まで上昇し、ダンサブルなビートにキャッチーなメロディがのった音楽性は"トッテナム・サウンド"として絶大なる支持を得た。その後はブリティッシュ・インヴェージョンの旗手として米国に進出。よりポップ色を強め、「Because」「Catch If You Can」「Over And Over」などの連続大ヒットを放ちワールド・ワイドな存在に……。しかし時は激動の60年代。フォーク・ロックやサイケデリックなど、次から次へと新しい流行が生まれる中、グループは波に乗ることができずに徐々に失速。結局70年に解散してしまう。
現在でも、ビートルズやストーンズに較べるとアイドル・グループとみなされることが多いが、良質なポップ・バンドとしては60年代の英国でも一、二を争う存在だったことは間違いないだろう。(okmusicより引用)

コピペおわり。

クリスタルパレスがこの曲を使い始めたのは、1960年代から。

1968年には日頃から応援しているファンへの感謝の意を込めて、The Dave Clark Fiveをセルハーストパークに招いて生演奏を披露したそうです。多分そこからブレずにずっと使っており、サポーターも一緒に歌いながらセルハーストパークが一体感に包まれる光景は風物詩ですね。なお、ここ数年、シティと対戦するときはシティサポ含め全員が合唱して、すごい盛り上がりを見せています(理由は分かる人にはわかる)

また、パレスと言えば、2018年末から約半年間、オフィシャルチアガール初の日本人としてMonomiさんが活躍していました。おそらく彼女も、このGlad All Overに乗せてスタジアムでダンスを踊っていたのでしょう。すごい。リスペクト。

清水坂で出会ったユニを着たイーズルスサポ:2017年5月

Fulham FC

ロンドンへ訪れたら絶対に行くべきスタジアム第一位。
それが、フラムの本拠地クレイブンコテージ!!!!!!!!!!

イングランドの古き良きスタジアムの象徴の一つ!!入り口から座席まで全てがバリバリ年季が入っていて、ピッチからも近いコンパクトなつくり(2019年末現在一部改修中)!!そして、地元のファンの割合が圧倒的に高く、コンコースに出ればテムズ川を目の前に眺めながらビールが飲める最高のロケーション(なお水質は以下略)!!チケット代は、なんとスパーズ新スタのスタジアムツアーよりも安い!!スパーズなんて、ツアーの時間変更するだけで5ポンド盗るんだぞ、クソっしょ!!

ロンドンでイングリッシュフットボールの文化を味わいたければ、(ウェンブリーと)クレイブンコテージにはぜひ足を運んでほしい。

すっかり忘れておりました。こちらがフラムの入場曲「Palladio(Escalaヴァージョン)」です。由来は省略。とにかくスタジアムに行って感じろ。

ここまではロンドンのクラブを紹介しましたが、

次なる地は、リバプールでさえまだ獲ったことなかったのに「奇跡のプレミア制覇」を成し遂げたあのクラブの本拠地。ロンドンから、East Midlands Trainに乗って北へ進んでいきます。

Leiceter City FC

入場曲「Post horn gallop」

奇跡の優勝メンバーでもある「レジェンド」岡崎慎司が18/19シーズンを最後にレスターを退団。ロジャーズ体制として全く新しいチームになったフォックスは、再びプレミアリーグに旋風を巻き起こしていますね。いやシンプルに強いですわ。

そんなレスターといえば、

独特な雰囲気のキングパワースタジアムが印象的な方も多いと思います。観客に配られるクラップバナー。その手拍子の音に乗せて流れている選手入場曲が「Post horn gallop」です。

「Post horn」は、直訳すると「郵便ラッパ」であるように、この曲は、郵便と関係しています。その歴史は18世紀まで遡るのです…

18~19世紀のヨーロッパでは、情報伝達手段として「メールコーチ」と呼ばれる郵便馬車が使用されていました。イギリスでは1784年から、鉄道が普及するまでの間用いられ、配達員に加え、監視員や一般乗客のThe posh(富裕層)が数名乗り込み、長距離移動しながら郵便を配達していました。

その馬車の中には、懐中時計とともに、Post hornが持ち込まれており、郵便が到着したことを街の郵便局や人々に知らせたり、今でいうところの車のクラクション代わりとして、通行の優先権があった郵便馬車がスムーズに通れるようにラッパを鳴らして使用していたのだそうです。

レスターの地でも、このラッパの音は鳴り響いており、ある時、演奏されていた郵便の到着を告げる音楽を、サッカーの試合前にやるのはどうかという話になったらしく、最初は反対意見も多かった中、*1941年頃から、レスターのスタジアムで使用され始めました。

*1938年から説もあり。
*サッカークラブで一番最初にこの曲を使ったのはコルチェスターユナイテッド説(1938年~)

ちなみに、ラッパ繋がりでいうと

毎年11月上旬のプレミアリーグの試合で、上の動画の演奏と共に黙とうが行われますね。この曲は「The last post」。戦時中もさまざまな理由で使われており、現在は、葬送時や、ロンドン塔で消灯時間を告げる時などに主にイギリス軍の方が演奏しています。そして、毎年11月11日(第1次世界大戦終結日)のリメンバランスデーで近づくと、イギリスのスタジアムでは、戦争によって命を落とした犠牲者への追悼の意味を込めて、試合前に黙とうと共にこの「The last post」が演奏されるのです。

その他にも、各クラブはユニホームなどにポピーの花を着け(強制ではない)てプレーしたり、様々な活動に参加して社会貢献を行ったりしています。

今は亡き美脚なムーンビームちゃん……

さてと、

田舎町レスターを離れ、クロスカントリー線でバーミンガムへ向かいます。

Aston Villa FC

選手入場曲
Escape / Craing Armstrong

イギリス最古のサッカークラブの一つで、ヘンリー王子のおかげでゴタゴタシテいるイギリス王室のウィリアム王子が熱狂的なファンなことで知られているアストンビラ。

本拠地ビラパークがあるのは、イギリス第二の都市バーミンガム。多くのバンドやミュージシャンを輩出している街でもあり、

先日のマンチェスターシティ戦(1-6)の中継の際に、下田さんとベンさんがビラパークに流れる音楽について話していましたね。話の中で出てきたオジーオズボーンも、仰っていた通りバーミンガム出身のミュージシャンです。

選手入場曲の「Escape」という曲は、1999年にイギリスで制作された「プランケット&マクレーン」というアクション&コメディ映画のサウンドトラックの一つ。

しかし、調べてみると、この曲は1996年に公開された映画「ロミオ+ジュリエット」(シェイクスピアの超有名な「ロミオとジュリエット」をリメイクした映画)で使用された曲だ、と誤解している人をちらほら見かけました。

その理由がこちら。

フィギュアスケートの羽生結弦選手が、2012年にニースで行われた世界選手権の演技で、「映画ロミオ+ジュリエットより」としてEscapeの一部を使用していました。

ただ、実際には、ロミジュリのサントラである「O Verona」と「Kissing You」に加え、先ほど書いた通り「プランケット&マクレーン」という映画の「Escape」という曲をミックスした曲で羽生結弦が演技していたのです。

違う映画のサントラをミックスしても違和感がなかった理由は、どちらもクレイグ・アームストロングさんという方が音楽担当していたから。

で、なぜわざわざロミジュリじゃない曲にしたのか……

とこれ以上深い話に興味のある方は、羽生結弦ファンの方の解読記事をご覧ください。一応リンクだけはっておきます。

アストンビラに話を戻しますね。

なぜビラが「Escape」を選手入場曲として使用しているのか?

残念ながらその理由はよく分からず…

ベンさんは「スタジアムに流れている曲は基本的にDJのセンスで選ぶ」と仰っていましたよね。

じゃ、そのDJ(クラブ)の意図は何なのか?

と勝手に推測すると、

「Escape」はクレイグ・アームストロング氏が作曲

彼は映画ロミジュリのサントラも担当

戯曲ロミジュリは16Ⅽ末頃にウィリアムシェイクスピアによって作られた

シェイクスピアの故郷はバーミンガム近郊のStratford-upon-Avon

所縁があるっちゃある

うーん、結論ありきの少々強引な仮説。

まあいいや。

ちなみにアストンビラは、試合前にスタジアムで流す曲を、サポーターの投票で決めることもあるそうです。14-15シーズンのFA杯準決勝のリバプール戦では、ウェンブリーで何を流してほしいかを公式が投票を行い、下のアンセムが選ばれたそう。

リバプールは、仮に決勝戦に進めばこのシーズンを最後に退団が決まっていたジェラードの有終の美として、彼の誕生日にFA杯制覇という花道を作ることができたのですが…

勝ったのはアストンビラだったのでしたとさ。

Who the fuck are Manchester United!! When the Blues go Marching on on on! and on! and on! and on on on!

入場曲「This Is The One」/the Stone Roses

2000年初めから使用されているユナイテッドの入場曲「This is the one」。

がしかし、

あーこれね、知ってる。
これユナイテッドの入場曲だよな!

って言える人は、意外と少ないのではないでしょうか?何故なら、曲を聞いて貰えば分かると思いますが、前半部分の音が小さいから。オールドトラフォードで毎試合流れていますが、大抵は歓声にかき消されています。耳を澄ませば聞こえますが、筆者が夢の劇場に行った時は、入場曲よりもその前に流れたカントリーロードの方が印象に残っています←

そんなユナイテッドの選手入場曲。元々は、ガリーネビルのお気に入りの曲だったそうで、彼が直々に、これ(the stone rosesの曲)を選手入場曲として使って欲しい!とリクエストしたのがキッカケで使用され始めたのだそうです。プロ野球ではあるあるですね。ヤスアキジャンプでお馴染みDeNAの山崎康晃投手が登板するときに流れるKernkraft400のZombie Nationは有名ですし、マエケンはPerfumeの曲を選んでくれているそうです。中村晃はミーハーな洋楽ばかり選曲しており、甲斐拓也捕手は時々先輩に勝手に入場曲を変えられているんだとか。

で、

この曲を歌うThe Stone Rosesは、1983年にマンチェスター出身の4人組で結成した有名なバンド。

"石とバラ"という対極な物を同居させることをコンセプトとして活動を開始し、1989年にアルバムデビュー。このアルバムが、80年代のイギリスで最も素晴らしいアルバムとした評価しているメディアもいるほど大ヒットしました。その後は日本でライブを行うなど、イギリスを超えて人気を博し、80年代後半から90年代にかけて起こった(*)マッドチェスタームーブメントの代表的なバンドグループとして今日にも語り継がれています。代表曲は、YouTubeの再生回数も最も多い「I Wanna Be Adored」です。

*マッドチェスタームーブメント
80年代後半からのレイブ文化(屋外で一晩中踊り狂う)とドラッグ文化(ノエルファッキンおじさんなど)の流行が相まって起こったManchesterMad(狂った)を掛け合わせて造語された音楽ジャンルのこと。the Stone Rosesに加え、アグエロのチャントでお馴染みのInspiral CarpetsHappy Mondays、New Orderなどがこの時代に活躍しました。このマッドチェスタームーブメントの中心となったマンチェスターにある「ハシエンダ」という(音楽の)クラブは、19-20マンチェスターシティのアウェイユニフォームにおけるテーマとなっています。

ちなみに、ボーカルのイアン・ブラウンさんは、夢の劇場の入場曲として使用されたことをきっかけに、ユナイテッドのファンになったとかなっていないとか。きっと、オールドトラフォードでエビのサンドウィッチに夢中になっているのでしょうね。

さてさて、続いてはマージーサイドへ!

エバートンから紹介しますね(これにはちゃんと理由がある)

Everton FC

入場曲「Z cars主題歌」

狭い入場口から選手たちが窮屈そうにピッチに登場する選手たち。スタンドには屋根を支える柱があり、コンパクトでピッチとの距離も近く、試合中に勢い余ったサンチェスがスタンドに突入し、椅子に座り込んだこともありました。

そんなイングランド最古のサッカー専用スタジアム、グディソンパーク。

そこで選手入場時として使われている曲は、「Z cars」というドラマのオープニング曲です。この曲は、1962/63シーズンからグディソンパークで流れており、プレミアファンなら御馴染みの曲の1つだと思います。

聞いてもらってもお分かりの通り、まるで呑気に口笛吹いているかのような聞き心地の曲で、選手入場曲として、闘いの前に流れるような曲とは正直思えません。

ではなぜ、この曲が使われているのか?

今は昔、「Z cars」というリバプールが舞台の刑事ドラマがBBCで放送されました。そして、そのキャストの中に、熱烈なエバトニアン役(エバートンサポーター)がいたそうです。

しかし、1962/63シーズンに、そのエバトニアンだった方がお亡くなりになり、その追悼の意味を込めて、この人が亡くなった次のホームゲームの時に、彼が出演していた「Z cars」のテーマ曲を演奏。これが、この曲を選手入場曲として使われるようになった理由だそうです。そして、このシーズンにエバートンは見事リーグ優勝。そのゲン担ぎの意味もあって、今日まで使用され続けているのです。

(おそらく今後もずっと使用し続けると思います。その理由は後程)

なるほど確かに、ボルテージが上がるカッコ良い入場曲…とは言えないけど、そのような理由があって長年使用しているのであれば、エバトニアンにとっては特別な入場曲ですし、素晴らしい入場曲ですね。

(Watford FC)

ちなみに「Z cars」のオープニング曲は、ワトフォードも入場曲として使用しています。ベンさんも不思議に思っているその理由は、調べによると、エバートンがこの曲を使い始めた約一年後、当時ワトフォードの監督をしていたBill McGarryという方が「Z cars」の大ファンだったこともあり、彼の意向により流され始めたそうです。

1963年の10月のホームゲームで敗れた次の試合からこの入場曲に変え、そこから1964年の12月までの間、ホームゲームでは負け知らずだったこともあり、ワトフォードのファンの間でもZ carsのテーマソングが定着したんだとか。ですが、最近のワトフォードのホームゲームでは違う曲が流れている気がする…日本にいるワトフォードファンの方、最新情報を教えて!

Z carsのテーマソングついては、もう一つ話しておかなければいけない大切なことがあります。

Liverpool FC

エバートンの選手入場曲である「Z carsテーマソング」。

実はこの曲、普段は敵対関係にあるリバプールの本拠地アンフィールドで、一度だけ流れたことがあるのです。

時はさかのぼり、2007年の8月下旬…

殺害されたのは、リース・ジョーンズ(Rhys Jones)君(11歳)。22日夜、リバプールのパブの駐車場でサッカーの練習をしていたところ、洋服のフードをかぶって顔を隠しBMXに乗った少年に撃たれ、病院に運ばれたが死亡した。

リバプール郊外で、少年少女の非行グループによって射殺され、何の罪もない11歳の命が奪われるという凶悪事件が起こりました。亡くなったジョーンズ君は熱烈なエバトニアンだったそうで、お棺はエバートンカラーに塗られ、エンブレムもつけられ、選手やスタッフをはじめ多くの人々が殺害現場に足を運び、哀悼の意を示しました。

愛する家族の一人を突然失った遺族の悲しみは、我々が想像するよりも遥かに…遥かに深いものだったと思います。

もちろん、遺族の悲しみを完全に理解することは極めて難しいでしょう。ですが、ファンの垣根を超え、共にサッカーを愛するものとして…共に悲しみ、祈り、寄り添い、一緒に乗り越えようと一歩踏み出すことは出来る…。

普段はバチバチに争っているリバープールとエバートン。何を隠そう、Fワードも普段以上に飛び交い、煽りあいも毎度のごとく行われているのがマージ―サイドダービーです。

しかし、ヒルズボロの悲劇の際には、エバートンはリバプールと(もちろんほかのプレミアクラブも)共に寄り添い、共に「justice for the 96」と訴え、今日まで追悼の意を示し続けています。

そして、11歳のエバトニアン・ジョーンズ君が射殺された、とてもとても悲しい事件直後の2007年8月28日……

アンフィールドで行われたチャンピオンズリーグプレーオフのトゥールーズ戦に遺族を招待。ジョーンズ君も大好きだったエバートンの選手入場曲「Z carsのテーマソング」を追悼の意を込めて流し、直後にリバプールの代名詞「You'll never walk alone」を大合唱しました……

全てを美談で片付けて良いわけではありません。しかし、長い歴史の中で積み重ねてきたエバートンとリバプールの素晴らしいライバル関係、サッカーの、スポーツの力、素晴らしさを象徴する話の一つだと、筆者は思います。

さてさて、筆者がリバプールの良い話をするなんて滅多にないので、若干調子が狂い気味ですが……本題である、リバプールの選手入場曲を紹介していきましょう。

「おっけーぐー〇る…リバプールの選手入場曲を教えて」

(ピコーン)

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検索結果 0.00021s/0件

「リバプール」に一致する選手入場曲は見つかりませんでした。

検索のヒント:
キーワードに誤字・脱字がないか確認します。
別のキーワードを試してみます。
もっと一般的なキーワードに変えてみます。
「ゆーるねばーうぉーくあろーん」ではありませんか?

煽っているわけでもなく、嫌いだからでもなく、プレミア獲ったことがないからでもなく、ジェラートが滑ってスアレスが泣いたからでもなく、単純にリバプールの選手入場曲ってなくないですか?

ユルネバが流れるタイミングは、プレミアアンセムが流れた後、つまり選手が握手し終わってフィールドに散り、コイントスをしている間です(CLでは他のクラブと同様に選手が入場する数分前)。

なので、確かにリバプールの選手入場曲で検索をかけると、何の疑いもなくユルネバが出てきますが、冒頭で筆者が述べた定義からすると、ユルネバは選手入場曲ではありません。

とはいえ、せっかく南野が加入してのをきっかけにリバプールに興味を持ってくれた人も多い中、このまま終わるのも締まりが悪いので、代わりにとっておきのリバプールチャントをお送りいたしますね!皆覚えて歌おう!

All the way to Kiev, To end up in defeat,
Crying in the stands And battered in the streets,
Ramos injured Salah, Victims of it all,
Sterling won the double, And the Scousers won f*ck all,
Allez, Allez, Allez...

ごめんね。リスペクトはしているし、海外サッカー初現地観戦がアンフィールドで思い出深いけど、やっぱりリバプールを好きにはなれない。

気持ちを切り替えて、次がいよいよプレミアラスト!!

Newcatsle United FC

入場曲 ??

「Going home(Local Hero)」

これの時もある…
O Fortuna(おお、運命の女神よ)/ Carl Orff

イギリス北部に位置するニューカッスル。映画「GOAL」でサンティアゴが所属したことでクラブの存在を知った筆者です。本拠地セントジェームズパークは、観に行った方の評判が軒並み良いのでいつか行きたいですね。でも遠いんよニューカッスルは……ロンドンにあるセントジェームズパークにスタジアムがあればよいのにね?ホシさん?笑笑

と、内輪ネタはほどほどにして…

ニューカッスルの選手入場曲といえばローカルヒーロー、ってイメージがめっちゃ強かったんですが、15-16に降格した後くらいから、壮大なクラシック音楽に変わっちゃいましたね。

調べてみたら、変わる前から一部のファンやレジェンドから入場曲を変えるように言われていたとかいないとか。果たして真相は…疲れたのでニューカッスルはこの辺にしておきます。

プレミアの選手入場曲の紹介は以上ですが、最後にもう1クラブだけ紹介させてくださいな。

【番外編】清水エスパルス

選手入場曲
RAIJIN「雷神」 /林哲司

私の心のクラブである、清水エスパルスの選手入場曲は「雷神」という曲です。いいから騙されたと思って一度聞いて欲しい。

作曲家であり熱烈なエスパルスサポーターでもある林哲司さんによって作られたこの曲は、静岡らしい表現で言うと"ばかカッコ良いら?"と自慢したくなるほど、入場曲にぴったりなめちゃくちゃカッコ良い曲です。日本平で聞くとCLアンセム以上の高揚感に包まれますよ。入場曲前のオレンジウェーブのダンスと煽り動画含めて素晴らしい演出です。

お腹にいる頃から聞いていると言っても良いこのエスパルスの選手入場曲は、いつ聞いても好きです。大好きです。はい。ただ愛を叫びたかったからプレミアの記事にブッ込んだだけです←

あとがき

今回は「〇ツコの知らないプレミアリーグ選手入場曲の世界」をお送りしてきたわけですが、いかがでしたでしょうか。

note新規投稿一発目から暴走してしまいましたが、まあでも、サッカーにもいろんな楽しみ方があるよってことは、話の脱線ぶりからでもちょっとだけ伝わったかと思います。

選手入場のシーンって、試合観戦の中で大きく盛り上がるシーンのひとつですよね。コレオやタオルマフラー、フラッグにゲーフラなどが彩られ、スタジアムの空気がガラッと変わる。いよいよ始まるぞ!!と胸が高まったり、緊張感がグッと高まったりする瞬間です。選手入場曲は、そこに華を添えてくれているのです。ハイライトやゲームだけでも充分ですが、リアルタイムで観たり、現地に足を運ぶことで、こういう魅力、要素にも気づき、楽しみ、サッカーライフにより深みが生まれるというのは、面白さの一つだと思います。

まあなにも、サッカーに限った話ではなく、音楽のライブの一曲目…の前のイントロや煽り、映画の本編前のNo More映画泥棒などの映像、授業開始を告げる学校のチャイム、朝礼で話す人の声などなど、曲、音を聞いた瞬間にその世界により入り込む場面って、結構あると思うんですよね。俗な時間から聖なる空間に入る瞬間が……

それより、もうこの記事を書き始めて22,000文字超ですって。いい加減終わりますわ。

ではまた。

参考
各クラブ公式ホームべージ
YouTube
ツイッター
ウィキベディア
コトバンク
https://www.gq-magazine.co.uk/https://www.afpbb.com/articles/-/2271694?pid=2039971https://www.goal.com/en/news/how-im-forever-blowing-bubbles-became-a-west-ham-anthem/1q9e8ekreqgz71636r7de2mccyhttp://www.sussexhistory.co.uk/sussex-by-the-sea-lyrics.htmlhttps://thebeautifulhistory.wordpress.com/clubs/leiceter-city/    など

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