【自転車】海外遠征航空券色々まとめ

どうも、パースで怪我をして自転車に乗れなくなって時間を持て余しているマツハシです。

インスタグラムのトークのお題募集の際に、「海外航空券の安い取り方」というトピックを投げてくれた方がいたので、チケットの取り方から海外遠征時の自転車関係で役立つTipsなどをnoteにまとめます。自転車を持っての遠征は5回目、今までに行った国は15カ国ほどです。
こう言ったちょっとためになる備忘録的な話題は音声・動画メディアよりも文章にまとめてある方が見やすいですよね。


検索方法

最初の段落から身も蓋もありませんが、基本的には普段私が海外に行く際はSkyscannerという航空券検索エンジンを使用してチケットを探しています。
他にもGoogle, Trip.com, Kiwiなど検索で引っかかるものを手当たり次第に検索していますが、経験則的にSkyscannerが一番包括的に検索できて、尚且つ検索のフィルターなどの機能も一番充実していて使いやすいです。

裏技ですが、予約の際にVPNを利用すると航空券が安くなる場合があります。
これは、航空券の価格が現地の通貨との強弱やその便の需要(繁忙期に価格が釣り上がるのはこのせい)の影響を受けるためで、一般的には航空会社の拠点とする国やGDPが低めの国からアクセスした状態で検索すると感覚的に数%〜10%くらいまで安い状態で予約できる場合があります(全く変動しない場合もありますが)。
航空券の価格は流動的なので日程が決まったらなるべく早く予約しましょう。

航空券を予約する際に気をつけること

オーバーサイズの荷物は詰めるかどうか

航空会社によってはそもそも寸法3辺の合計が200cmを超える受託手荷物を扱っていなかったりします。多くの会社では200〜292サイズまで取り扱ってくれるはずですが、例外もあります。
バイクバッグは大体合計230〜270ほどのサイズになることが多いため、ほぼ確実にオーバーサイズバゲージとして預けなくてはなりません。
ほとんどの航空会社はオーバーサイズの荷物を取り扱ってくれますが、ごく稀に一部のLCCなど受け付けてすらくれない場所もあるので、予約前に必ず当該航空会社のCheck-in baggage(受託手荷物)関係ののページを確認しておきましょう。

オーバーサイズの荷物の料金体系

とりあえずオーバーサイズの荷物を取り扱っていることを確認したら、次はどのくらい料金がかかるのか確認しましょう。
各国のフラグシップエアラインの場合は、結構オーバーサイズでもスポーツ用品なら30kg程度まで無料で受け付けてくれるところも多いです。
便や航空会社によって料金体系はかなりまちまちなのでこちらも各会社のCheck-in baggage、Special equipment, Sports euipment, oversized baggageなど関連のページで確認しましょう。
よくある料金体系パターンは、
①25〜30kgまでオーバーサイズでも自転車なら無料(各国最大手エアラインなどによくある)
②20〜25kgまで無料だけど、オーバーサイズ料金の支払いが必要(大手エアラインによくある)
③サイズは関係なく重量に応じて支払い(大手エアラインによくある)
④サイズ超過料金+重量料金支払い(LCCなどによくある)
といった感じでしょうか。
本当に航空会社と便でまちまちなので都度調べるしかありません。
②〜④の場合なんだかんだ超過料金が嵩んで、合計料金がフラグシップエアラインと変わらなくなったりするので、手間と受けられるサービスの良さを考慮して最初から各国最大手エアラインを使ってしまうのも手です(日本で言えばANAや JAL)。

目的地まで同一の航空会社で行けるか

地味に重要なポイントです。
大きい荷物と一緒に目的地に付かなければならない関係上、身軽に動けるバックパッカーと違って目的地、または目的国までは最小限の乗り継ぎと航空会社で到達したいところです。
と言うのも、(可能性は高い訳ではありませんが)ロスバゲした時に超面倒なことになること、乗り継ぎで飛行機が遅れた時に待ってもらえない事、大きな荷物をまた一度入国審査を超えて、チェックイン→再度保安検査を通過しなければならないこと、とにかく複数の航空会社を使うことは現実的ではありません。
目的地最寄りの空港まで一つの航空会社で行けなかったとしても、最低限出国から目的国までは1つの航空会社で行けるような経路を選びましょう。

入国で必要な申請を済ませておこう

日本のパスポートは世界最強格と言われるだけあって、多くの国はビザの申請なしに入国することが出来ます。
アメリカ、オーストラリア、イギリスなどは事前にビザの電子申請が必要なので少なくとも渡航の1週間前には済ませておきましょう。
(今年私がいくオーストラリア、アメリカのビザは申請後数時間でおりました)
特別な申請が必要かどうかは、各国の大使館のページ等を参照すると確認することが出来ます。

宿を抑えよう

航空券を押さえたら次は宿。北海道民の格言にもある通り、「メシより宿」
専らBooking.comのホテルか、Airbnbの民泊を利用することが多いです。これ以上に安く効率的に宿を探す方法は知りません。
レースの際は、キッチンを利用して自分で食べ物を作りたいので、Airbnbでキッチン付きの民泊を探して泊まることが多いです。大きなレースなどがある際は宿が一瞬で予約されてしまうので、こちらもなるべく早く予約しておきましょう。
レース後に自分を甘やかす場合はBooking.comでスター付きのホテルを取って快適に過ごしましょう。部屋にミニバーがあると尚良いです。


準備(パッキング)で気をつけること


横着しないでしっかりパッキング

国内の輪行に慣れていたらカルチャーショックを受けるかも知れません。
多くの海外の空港ではたとえ自転車であってもバッグは超雑に扱われます。
ポーンと投げられるなんて当たり前です。
機内から積み下ろしの光景を見ていると、「おい!宙舞ってんじゃん!」と言いたくなります。
しっかり緩衝材(プチプチくん、配管保温剤)をテープか結束バンドなどでフレームやパーツに固定して、バイクバッグが投げられても自転車が傷つかないようにしましょう。
私は現地で使い勝手のいいセミハードバッグを常用していますが、自転車が傷つくのが気になる方はしっかりとしたハードバッグを購入しましょう。
突起物がバッグにあたっても大丈夫なように、私はフレームやハンドルの隙間にジャージなどを入れた袋を緩衝材がわりに敷き詰めたりします。
また、輪行あるあるトラブルのハンガー曲がりを避けるために常にハンガーは外して輪行しています。

参考情報的に、今まで利用した航空会社の中でANA、JAL、台湾系の航空会社、Jeju Airあたりは自転車の取り扱いに関してとても丁寧に行なってくれた傾向があり、あくまで個人の主観的にですが安心感があります。

帰りのことも考えて梱包用テープ等を持っていく

前の段落で使用した緩衝材は帰りの便でも勿論使用します。
帰りの便のことも考えて必要なテープ類は同時に梱包しておきましょう。
まあこの辺りは国内輪行と大差ないですよね。

ディスクブレーキの扱い

ちょっと面倒なのがディスクブレーキの扱い。慣れていたらどうってことは無いのですが、衝撃によるローターの曲りを避けるために、ローターはホイールから外して百均のプラケースに入れて携行することが多いです。ローター取り外しに必要な工具も忘れないようにしましょう。
また、移動中にブラケットレバーが押されることも十分に考えられるのでディスクブレーキキャリパーにはスペーサーを必ず差し込んでおきましょう。
以上の点さえ気をつけていればそれほど神経質になる必要はありません。
最近の自転車はディスクブレーキが基本なので、この機会に扱いに慣れておきましょう。

その他知っておいたら役立つかも知れない豆知識

1つはハイクラスカードを作っておこう

乗り継ぎや搭乗前、カード提携ラウンジやプライオリティパスを利用してラウンジで休憩できるます。
空港の保安検査後のエリアは空腹になっても食べられる物がレストランのものしかなかったり、健康な物があってもめっちゃ高かったりします。
参考にオーストラリアで一食で満足するくらいのサラダとコーヒー、水を頼んだら余裕で40ドル(4000円ほど、2024年5月現在の為替)くらいまでいっちゃいます。サラダが25〜30ドル、コーヒーが5〜7ドル、水が3〜4ドルと言った具合です。
多くの国際線ラウンジはサラダ、飲み物、なんらかのメイン食事をバイキング形式で提供しているので栄養バランスに気をつけて食事を摂れますし、無料です。
無いところもありますが乗り継ぎ時にシャワーを浴びて脚の毛を剃ったりリフレッシュできるのもとても良いです。

また、ハイクラスカードは海外で利用できるコンシェルジュサービスやレンタカー割引サービスなどもありますし、利用限度額が大きいので何かと助かることが多いです。

クレジットカードは必ず持っていこう

日本はいまだに現金社会ですが、海外ではクレジットカードでの支払いがメインになる場合がほとんどです。
ファストフード店などで現金を出すと店員が現金の扱いに慣れていなくてあたふたさせてしまうなんてことも。
マスターまたはビザ銘柄のカードを少なくとも2,3枚は持っていると良いでしょう。
なんらかの理由でカードが使えなくなった場合、盗難されてしまった場合などに重宝します。
また、一部のカードでは渡航前にカード会社に連絡していないと海外で使用時に詐欺か何かと勘違いされてロックされてしまうものもあります。
お使いのカードが使えそうかどうか、一度渡航前に調べておいた方が良いかも知れません。
ちなみに今回のパース遠征では一度も現金は使いませんでした。

現地に着いたらまずSIMカード購入+アクティベート

現代のライフライン、電波はいち早く入手しましょう。多くの場合は空港の到着ロビーなどにSIM販売店があります。
店員も慣れているので使用日数を伝えると適当に見繕ってくれて、クレカで決済して使用可能になります。
現地に深夜、または早朝につく場合はSIMカードショップが開いてないことも稀にあるため、多少割高にはなりますがAmazonなどで事前に入手しておくのも良いでしょう。
事前にAmazonなどでSIMを購入しておくと、現地でのSIM屋混雑回避や着陸後即ローカルエリアにアクセスできるなどのメリットもあります。

レンタカーと保険はケチらないようにしよう

アジア圏の多くの都市を除く多くの国は車社会です。電車で移動できないこともないと思いますが、レースやイベント会場まではレンタカーが一番合理的で楽な移動になる場合が多いです。
バイクバッグを楽に積むためにもレンタカーは十分なサイズのものを予約しましょう。

私は既に会員ランクがレベル3のBookingcomを良く利用していますが、Rentalcars.comなども昔はよく利用していました。同じ検索エンジンを使っているようなのであまり差はありませんが、rentalcars.comはアカウントを作らずに予約することが出来たはずです。
また、現地で車をピックアップする際に保険の加入を勧められるかと思いますが、基本的には免責額(車を壊したりした際に払わなければいけない上限額)がゼロになるような保険に入っておきましょう。
道路が広いオーストラリアやニュージーランドではそれほど気にする必要もありませんが、ヨーロッパやアジアの一部の国では車をぶつけるのはもう日常です。バンパーはぶつけるためにあると言う言葉はマジです。
駐車して2〜3時間後に戻ってきたらバンパーやドアがベコベコなんてことは普通にありえます。
保険はケチらず加入して心理的余裕を持って運転しましょう。

ポーチなどがあると便利

飛行機内やちょっとした外出時にパスポート、カード、運転免許、モバイルバッテリー、スマホ、ホテルの鍵などを入れて携帯できるポーチなどがあると便利です。
治安のいい国では気にする必要はありませんが、観光情報でスリなどに注意と言われるような国では必ずファスナー付きのポーチやバッグに貴重品を入れて目を離さないようにしましょう。
また、ファスナー等がない場合はパスポートやスマホ、カードなどの貴重品は尻ポケットには入れないようにしましょう。治安の悪い国では消滅します。

国際免許をとっておこう

レンタカーを利用する場合は国際免許が必要になります。最寄りの運転免許試験場で国際免許を入手しておきましょう。
3000円ほどの証紙代を払って書類に必要事項を記入し、1時間ほど待てば発行され、当日のうちに入手できます。

好みのケミカル、補給などは持っていこう

現地で入手するのが難しそうな好みのチェーンオイル、シャモアクリーム、補給などは持っていきましょう。
100均のおさかなしょうゆパックや小分け瓶などを利用するとコンパクトに携帯できます。

Airtag超便利

海外渡航時はロスバゲ時の荷物トラッカー、機内用手荷物盗難防止用として最低2つはいつも携帯しています。
緊急時でなくとも、受託手荷物として預けた自転車が自分の近くにあるとスマホ上でトラッキング出来るだけで心理的にだいぶ安心します笑

地図にマーキングしておこう

渡航前や乗り継ぎの時間に、現地で訪れることになりそうな場所(レースビレッジorテント、スーパーマーケット、宿、ガソリンスタンド、駐車場、何かあった際のための自転車屋さんなど)は前もってGoogleマップやアップルマップにお気に入り保存して位置関係をなんとなく把握しておきましょう。位置関係が全然分からないまま行動していると現地での無駄な行ったり来たりを解消することが出来てストレス軽減+時間も出来るので良いこと尽くめです。浮いた時間を観光に充ててもよし、回復に当ててもよし、ライドしても良しです。

今回のパース遠征でかかった費用まとめ

と、ここまでが豆知識などでした。以下は今回の遠征で実際にかかった費用のまとめになります。もちろん国内遠征に行くよりも高いですが、とんでもなく青天井に高いわけではないのでぜひ皆さんに海外の自転車イベントに行ってほしいと思います。
知り合いならいろいろといい航空券を探すのを手伝ったり、英語面での簡単なサポートなどできるので気軽にメッセージくださいね。

代金のうちいくつかの項目はスポンサー様に支払ってもらったものもあるのですが、一応全部一度立て替えていて金額は把握しているので全部自分で支払ったら、という金額を出しています。


まあまあ高いですね。。。
現地で買い食いやちょっとしたどうでもいい出費(石鹸歯ブラシ剃刀を宿に忘れて買いなおしたり)も含んでいるのでやや高いです。
宿はきちんと一室ある感じで、ドミトリーではありません。ドミトリーなら一泊30AUDくらいまで抑えられますがレース遠征ではやめた方がいいでしょう。

食事で1日40AUDは朝に適当なシリアルまたはトースト、昼はサンドイッチ、夜は安いチェーン店みたいな構成の場合での金額です。しっかりしたところで外食していたらもっともっとかかります。逆に、全部自炊で済ませる場合は1日20AUDぐらいで済むと思います。現地で住んでいた時はそのくらいでした。
オーストラリアは外食代が非常に高いので、どのくらいいい感じのおいしいご飯を食べるか次第なところがあります。

また、2人でレンタカーガス代宿代を割ったりしたらもっと安くなります。
出費を避け、上記の金額を2人で割ることができたら込みこみ20万円程度が目途でしょうか。また、新千歳~成田の料金も掛かっているので首都圏在住の方からするとやや割高になっています。
道内の匿名ライダーからの情報提供により、ツールドおきなわ参戦の際のかかった金額を教えてもらいました。


T氏情報提供

だいたい3回国内遠征する金額で1回海外遠征行けるかどうかといった感じでしょうか。

2024年5月現在で1AUD=103JPYほどなので、計算の簡単のため端数を切り上げて、1AUD=100円で計算しています。

しっかりとしたUCIレースで、オーガナイズがしっかりしていてエントリーフィーが220AUD(2万2000円)というのもちょっと魅力があります。


今回使った航空会社


今回、成田~パースで利用した航空会社はマレーシア系航空会社のBatik Airです。
結論を先出しすると、「絶対に使わない方がいい」です。今後は私も使いません。結果的に大きなトラブルは起きていないものの、ちょっと遅れたりトラブルが起きた場合でもなんとかなるような日程にしていたところと、航空会社との交渉でなんとかなったところが大きいので、相当海外遠征になれている方以外には絶対にお勧めできません。

合計4便(成田→クアラルンプール、クアラルンプール→パース、パース→クアラルンプール、クアラルンプール→成田)のすべての便が1時間以上遅れて出発+着陸していますし、予約した便のうち半分が渡航の10日ほど前に便の時間が変更されました。
もし他の航空会社との乗り継ぎを計画していたらすでにここでお釈迦になっています。
変更された便だと乗り継ぎが不可能だったので、チャット式のカスタマーセンターに問い合わせたところ会話の途中で返信が来なくなり、乗継便の変更ができず、その後直接電話で問い合わせする必要がありました。もちろん日本語の対応はないので英語リスニングスピーキングができないとここで困ることになります。
また、手荷物を追加で預け入れることができるオプションを購入していたのですが、現地でチェックインの際に今ここで決済しろ(すでに支払っているので2重決済になる)的なことを言われて、すでに支払ったことを証明する領収書のデータを見せたのですが、あちらの言い分としては領収書上の便の詳細と、いまから乗り込む便の詳細が一致しないのでダメだ的なことを言われてちょっとひと悶着ありました。そりゃ当初予約した便が航空会社都合で変更されているので詳細が一致するはずはないのです。
カウンターでちょっとゴネて、というかすでに支払っているので当然ですが認めてもらいました。

チェックインカウンター・機内でのサービスも質がいいとはお世辞にも言えないものでしたし、機内食のレベルも・・・想像にお任せします。ANA、JALの対応に慣れていたらカルチャーショックものです。いや、そもそも今までいろいろな航空会社を利用していますがANA、JALのカスタマーサービスは世界最強ですよ、神です。

ただ、時期によってはかなり安いので多少のリスクを冒してでも金額を安く抑えたい方にはいいかもしれません。23キロまでオーバーサイズの荷物も無料なので、非常に安く済みます。ロードなら追加重量分を買わなくても全然乗るでしょう。重ね重ね言いますが、リスクと金額のつり合いが取れないと思うので私は次は利用するつもりはありません




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