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株式投資における「株価の変動要因」には何がある?


日経平均は1ドル140円台となる円安や金融緩和の影響もあり2023年6月16日に3万3706円08銭の値をつけて1990年3月以来、およそ33年ぶりの高値を更新しました。
日々、上がったり下がったりを繰り返す株式市場ですが、どのような要因で上下をするのか?
今回は株式の価格に影響を与える事柄をピックアップしてみました。
下記に挙げる要因以外にもさまざまな事柄があります。
昔とは違い、現在はグローバル社会のため日本国内の事柄だけを見ていても足りません。
広い視野で幅広く情報収集をする必要があります。
このコラムが株式投資の一助になれば幸いです。

【企業の業績】
企業の売上や利益が増加すれば、その企業の株価は一般的に上昇します。逆に業績の悪化は株価の下落につながります。
業績については決算報告書や四季報で確認できます。決算報告書は会社のHPに掲載されています。

【経済指標】
国内外の経済指標(例:GDP成長率、失業率、インフレ率など)が発表されると、株価に影響を与えます。景気の動向が良好であれば、株価が上昇しやすくなります。

【金利】
中央銀行の政策金利の動向は、株価に影響を及ぼします。
低金利の環境下であれば、企業は資金の借入が容易になり、事業投資を活発にすることで業績が上向きやすくなります。
投資家はリスクをとって株式市場に資金を投入しますので株価が上昇しやすくなります。
逆に金利が上昇すると企業は資金調達が難しくなり、事業投資を控えるようになります。また金利が上昇すると債券の利回りも高くなるため、投資家はリスクをとって株式投資をするよりもローリスクの債券投資に資金を割り振るようになるため株価は低下しやすくなります。

【政治】
政治の動向は、特定の企業や産業、あるいは市場全体に影響を与える可能性があります。国策として特定の産業に補助金や助成金を出すこともあります。また法律の改正により株価に影響を与えます。
そのため、経済だけではなく、政治の動向にも注意を向けておきましょう。

【国際情勢】
国際的な政治情勢や貿易関係の変化なども株価に影響を及ぼします。
現在は米国が中心に経済はまわっていますが、中国も力をつけてきています。これらの経済大国の動向には特に注視する必要があります。

【テクニカル要因】
チャートの分析や取引量などのテクニカル指標により、投資家の心理や市場の傾向が把握され、株価が変動することがあります。
代表的な指標として移動平均線・MACD・STC・RSI・ボリンジャーバンドなどがあります。

【市場の心理】
投資家の心理や感情が株価に影響を及ぼすこともあります。市場の不安定さや不確実性が高まると、株価が変動しやすくなります。

【メディアと情報の影響】
市場心理に影響を与える主なものとしてメディアがあります。
企業に関するポジティブまたはネガティブな報道が株価に影響を与えることがあります。メディアによる報道は、投資家の意識を喚起し、株価に対する感情的な反応を引き起こす場合があります。
ただ、媒体によっては視聴率を重視するため偏った内容になっているものもありますので、真偽を確かめ必要があるかもしれません。

【レーティング】
証券アナリストや評価機関による株式評価のアップグレード(見通しの改善)またはダウングレード(見通しの悪化)は、投資家の信頼度や期待に応じて株価に影響を及ぼします。
定期的にレーティングは更新されますので、自分が保有している銘柄や購入を検討している銘柄については注意しておきましょう。

【テーマ株】
特定の産業やセクターに関するトレンドや技術革新が株価に影響を与えます。例えば、特定の産業の成長が見込まれると、その業界の企業の株価にプラスの影響が出る可能性があります。
ただ、テーマには流行り廃りがありますので短期的な値動きになる事もあります。

【季節的要因】
特定の季節や期間において、特定の産業や商品の需要が増加することがあります。
例年より暑い夏にはビールや飲料、エアコンなどが売れることもあります。過去の株価の推移を確認して毎年、夏頃に株価が高ければ季節要因が影響している可能性が高いです。

【グローバルイベント】
国際的な政治的な事件や地政学的なリスク、テロ攻撃、感染症の拡大(パンデミック)など、世界的なイベントが株価に影響を及ぼすことがあります。突発的なマイナスイベントが発生すると株価は下がりますが、その後に急回復する銘柄があります。イベントごとによって個別の銘柄の動きは異なりますので、過去に似たようなイベントが発生した際に「株価はどう動いたのか」確認しておくと良いでしょう。

【買収や合併】
イベントには企業の買収や合併があります。買収が予想よりも良い条件で進行すると、買収対象企業の株価は上昇する場合があります。

【四季報】
四季報は名前の通り、春夏秋冬の年4回発行されている日本に上場している企業の情報を網羅した本です。
見出し記事や業績、CF(キャッシュフロー)、ROEを確認することで、会社の状況を知ることができます。
また、大株主も確認することができますので、「アクティビスト(もの言う株主)」など著名な投資家が新たに加わっている場合は要チェックです。

【為替レート】
企業が国際市場で取引を行う場合、為替レートの変動が業績に影響を与えることがあります。
特に輸出入を多く行う企業にとっては為替レートの変動は業績に大きな影響を与えます。

【自社株買い】
企業が自社の株式を購入することで、発行済み株数が減少し、株価が上昇する傾向があります。

【第三者割当】
新たに株式を発行することにより、一株当たりの価値が下がり株価が下がることがあります。

【株式分割】
株式の売買を投資家に促すため、株式を分割することがあります。
1株1000円の株が2分割されると1株当たり500円(1000円÷2=500円)となります。
一株当たりの株価が下がるため、売買が促進され株価が上がることがあります。

【予想と実績の一致・不一致】
株式投資の難しいところの一つとして、決算が黒字でも株価が下がり、赤字でも株価が上がることがあります。
これは企業の業績が市場予想に応じているかどうかがポイントとなります。
業績が予想を上回れば株価が上昇し、逆に予想を下回れば株価が下落することがあります。
これは投資家が思惑(予想)で事前に株式を購入するために起こります。

【著名な投資家】
一部の大口の投資家や機関投資家が株価に大きな影響を与えることがあります。
特に、彼らが大量の株を買い占める場合は株価が急騰することがあります。
これは、一般投資家がプロの投資家の動向を見ながら追従して投資することに起因します。
著名な投資家には「ウォーレン・バフェット」「ジム・ロジャース」「ジョージ・ソロス」などがいます。

【企業のマネジメント】
企業の経営陣の実績や戦略、リーダーシップが投資家に与える信頼感や評価は株価に影響を及ぼす要因となります。

【インフレーション】
インフレーションが高まると、企業のコストが上昇する可能性があるため、株価に影響を与えることがあります。

【石油価格】
石油価格の変動は、エネルギー産業を含む多くの産業に影響を及ぼすため、株価に影響を与えることがあります。

【テクノロジーの進化】
新しいテクノロジーの発展や新製品の登場は、特定の企業や産業の競争力に影響を及ぼし、株価の変動要因となることがあります。

【自然災害】
自然災害は企業の事業を直接的または間接的に影響し、株価に影響を及ぼします。

【金融政策】
中央銀行の金融政策による利上げや利下げ、量的緩和などの措置は、市場の流動性や経済全体に影響を及ぼし、株価に影響を与えます。

【噂】
市場が特定のセクターや資産クラスに過度の期待を抱いたり、悲観的になったりすることで株価に大きな影響を与えることがあります。

【エコノミックサイクル】
景気循環や経済の成長・後退の周期が、株価に影響を与えることがあります。景気が拡大している時期は株価が上昇しやすく、景気後退時には株価が下落しやすい傾向があります。

【信用リスク】
企業や国家の信用格付けが下がると株価が下落することがあります。逆に格付けが上がると株価も上昇する傾向があります。

【法的問題】
企業が法的問題に直面する(訴訟、反トラスト問題、規制違反など)と、株価に影響を及ぼすことがあります。

【環境・社会・ガバナンス(ESG)要因】
最近では企業の持続可能性や社会的責任への取り組みが投資家の意識に影響を与えることがあり、これらが株価に影響を及ぼすことがあります。

【株主総会】
株主総会では経営者と株主が集まり、会社の運営における重要な議案について話し合われ決議されます。
総会の内容によって株価に影響があります。
株を100株でも購入すれば株主となるので、機会があれば株主総会へ参加されることをおすすめします。
経営者自らが業界や会社の最新動向を伝えているので大変有益な機会となります。

【株主優待】
株主優待の内容が変わると株価に影響を与えます。

【配当】
配当が減ったり無配になったりすると株価が下がります。また業績が良く増配されると株価が上がる傾向にあります。

上記のように様々な要因があります。
株式投資を始める際には基礎知識を身に付けてからスタートしましょう。

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