チームが負け続ける理由を探しに行ってきた

プロフィール
1999年生まれ。東京都調布市出身。
大学を中退し、ドイツでプレーするサッカー選手。
好きなテレビ番組は「家、ついて行ってイイですか?」


怪我をして1週間が経過。

病院に行って言われた診断は「足首の靭帯が伸びている」というもので、ひとまず4週間は安静にするように言われた。

そんなこんなで、いつもとは少し距離を置いたところからサッカーを眺めることができる機会が訪れる。怪我はいつもポジティブな何かを与えてくれるので大歓迎だ。

今回もこの怪我期間でそんなポジティブな何かを得られたらいいなと思う。

というわけで早速、観客席から自分のチームの試合を見に行ってきた。


僕のチームは絶不調。
ここ10試合で結果は2勝1分7敗と、地獄的に悪いシーズンを送っている。

毎年残留争いをしているチームの立ち位置としては妥当だが、この不本意なチーム状態にどうやってメスを入れられるかを研究してみたくて、観客として試合を見に行ってきた。

観客やファンの人と一緒に試合を見て、話し合う機会は怪我でもしなきゃそうそうないので、とてもいい機会だった。

そんなこんなでそういった人たちの意見も聞いて、自分で見て感じたことも踏まえて、僕が感じたことをまとめる。



負けるチームの特徴

負けるチームには総じて負ける雰囲気、オーラが漂っている。

と、こんなんでは素人でも言える感想なので、そのオーラや雰囲気はなんなんだっていうのを解明したい。

そのオーラやら雰囲気やらを作り出しているのはなんなのか。

答えの一つになりそうなのは「全員が自分のゴールに向かってプレーしている」ということ。

サッカーの試合は当たり前だけど、相手のゴールを目指してやるスポーツだ。勝利のためには相手のゴールにボールを運ばなければならないからだ。そんな当たり前の根本的な話なのだが、これができているようでできていない。

ボールを下げる。
後ろ向きでプレーする。
下がってきてボールを受ける。
ボールを受けても前を向かない。

僕のチームは、こんなプレーが7割を占めていたように見えた。

試合中、自分が相手チームを応援している側の気持ちに立って考えてみたりしたけど、そしたらこういったいわゆる消極的なプレーが相手にとってはものすごくありがたいことだと感じた。自分のゴールは相手が取りたいゴールでもあるので、そのゴールに向かってプレーしてくれるのなんてラッキー以外のなにものでもない。

その積み重ねがそのまま試合の流れになり、雰囲気になる。そして、相手がゴールへ迫る回数を増やしていき、失点を誘発する。

なるほど、いい感じのからくりがわかってきた。



消極的なプレーを誘発する要因

では、消極的なプレーを誘発する要因となっているものはなんなのだろうか。

そこには、シンプルな能力とメンタリティの二つが関係していると思う。

相手が強ければ強いほど、相手のプレスの質が高くなる。それはすなわち、前向きでプレーする難易度が上がるということでもある。

だから、そのプレスの中で前向きにプレーできる能力があるか否かが関わってくる。ここで能力的に負けてしまうと少し難しい展開を強いられるようになる。

とはいえ、チームスポーツなので、個人として必ずしも勝たなければいけないのではなく、味方とのユニットを形成して、そこで勝てるような連携があれば問題なく戦えるようにもなる。


2つ目にメンタリティの問題。
「ボールを(自分が)失いたくない」
このメンタリティが少なからずサッカー選手にはある。

この意識が強すぎると、プレーが消極的になる。そして、その消極的なプレーは味方へと伝染していき、チームへと充満する。

(逆に前向きな積極的なプレーを1人がすれば、見方はそれにシンクロするように前向きにサポートなりアクションを起こさなければいけなくなるので、個人の積極性はチームに伝染する。)

これを引き起こしているのは間違いなく周りの環境だ。

ボールを失っても取り返せる自信。
カバーしてくれるだろうという味方への信頼。

こういったものが土台にあれば、「ボールを失いたくない」という消極的な気持ちは少しずつ薄れていく。

ミスしてはいけない職場やミスしたら上司から怒鳴られる職場で部下が消極的に仕事をするようになるのと同じ原理だ。これを部下が悪いと捉えている職場は一向に良くならない。

が、これを上司のせいと捉えて改善できる上司はそうそういない。



というわけで、

どうすりゃいいんだ!というのは、一概にこうすればいい!みたいなのは見つからなかったけれど、負ける理由の大きな原因になっているものは突き止められたような気がする。

まだまだ解像度は低いし、他にも負けるべくして負けているたくさんの要素がありそうなので、片っ端からあたっていこうと思う。

ではまた!

文章の向上を目指し、書籍の購入や体験への投資に充てたいです。宜しくお願いします。