VOL.11「15分でわかる社会起業の一歩!その2!地域社会人大学院開校レシピ”一年間の奇跡”

2-3 特別クラス2

緊急事態宣言もありZoom開催での特別クラスを開催しました。そしてこの会のチャレンジは、知識(knowledge)ではなく、技術(skill)の“同期”へのチャレンジでした。

1. 大学院の講義可能性とオンラインとの親和性への挑戦

実証実験ではないのですが、たまたま私の事務局の方、そしてPTAでの私の知人が編み物×手芸で意気投合し、スキルの交換ではないのですが、その方のご家族の教会でワークショップを実施してみました。スピンオフクラスのような形で、イメージとしては、何か教室をやっているところをZoomで繋ぐことにより、今後、より多くの方の「ゆる〜い参加」が可能ではないかと考えました。(在宅で一人移動が不自由で退屈している高齢者などの参加)

“スキルをインターネットで同期化する”というのは、私にとってかなり無限の可能性を感じており、ビーズ制作と編み物クラスを2回ほどZoomでチャレンジしてみました。

このような活動、ノウハウが大学院でできるようになれば、例えば、どなたかの楽器や芸術活動(書道、お茶などなんでも)を地域大学院と繋ぐことにより、より多くの地域に住まれる方々の生活の質(QOL)、教養や感性の向上につながることになるのではないでしょうか。

ビーズクラスでのオンラインでの参加者はいらっしゃいませんでしたが、現場では私を含め、5名で楽しく、ビーズ制作を行いました。コロナ禍でもあったので、作品テーマは、「マスクの掛け紐」でした。初めてでしたが、男性にもビーズ制作はお勧めします。知的活動で指も動かしているので、老化防止にいいような予感がします(笑)。

また編み物クラスでは、最初は編み物でお酒用のコースター作りにチャレンジする予定であった私の人生初作品は、「ミサンガ(ただの紐)」でした(笑)。

2-4 第5回目

第5回目の参加人数は、17名になりました。この会の大きな変化は、開催場所として、地域の氏神様である中井御霊神社を使わせていただけたことでございます。

1. どうして地元の歴史ある神社を使えたのか?

発端としては、社会福祉協議会の方からのご紹介で、町会の当時の福祉部長の方をご紹介いただいたことがきっかけでした。当初はあまり町会の方とのつながりを強く意識して開始してはいなかったのですが、親身に私の相談に乗ってくださった新宿区の地域コミュ二ティ課の担当者から「地域の町会の方々にご挨拶をしておいた方が良いのでは?」と御助言をいただき、全ての町会長の集まる場、そして、町会の会合にご挨拶に伺いました。

偉い方々の集まる中でのご挨拶はとても緊張しました。

自分の活動は、例えば、「子供食堂」や「高齢者支援」など既に認知されている社会活動ジャンルではないので、きちんと誤解なく伝えられるのだろうかと不安を覚えました。(どこの馬の骨ともわからん若造がなんか怪しいことをやり始めたぞって思うだろうと覚悟しておりました(笑))

事前に家で時間を計りながら、説明のリハーサルを何遍もして、スマホで録画し、自分の顔をみてみたり、ゆっくりと話したり、声の音程を上げ下げしたり、どんな形が、「自分のことを全く知らない、自分の活動を全く知らない」方々に対して、“ズレが少なく”伝わるのだろうかを何度も準備いたしました。(隣の部屋の娘に声が漏れていたようで怪訝そうな顔をしてました(笑))

仕事と地域社会活動の違いはここにあると思います。

つまり「名刺・肩書き」がない、そして、共通の固有名詞が少ない中(不明な中)で、どのような言葉を選ぶのか、どのような顔の表情で伝えるのか、これは地域社会ではとても重要なスキルになると思います。

私が参加している勉強会では毎回自己紹介をします。いつも「内閣官房の〇〇です」などと一職員が言うのを聞いて、私は内閣官房というのは組織なので、「内閣官房=私?」となぜそういう言い方をするのかを最初はかなり疑問に感じておりました。しかし、確かにそういう言い方はするなって思い直しました。そこで私も地元の自己紹介で、例えば「5の坂の野口です」というと、伝わりやすいのかなどと日々試しているところでございます。

ちなみにいろいろと考えた末に私が出したご挨拶の結論は、「笑顔で元気に!!」でした(笑)。短い時間で内容は覚えていないと思ったので、“楽しそうな雰囲気”を伝えることを最大のゴールにしました。(メラビアンの法則によると、人の情報は55%を見た目、仕草、表情などの視覚情報、声の質や高さ、口調の聴覚情報で38%、そして話す内容はわずか7%と言われています)

2. 地元町会の方のお助け

その中でも今でも感謝の気持ちでいっぱいなのですが、ある町会の方に多大なるサポートをいただきました。困ったことに、コロナ禍でいつもの地域センターの場所が使えません。

20人くらいが集まれる場所はいざ探してみると意外に地元になく本当に困りました。そこで地域の他の団体の方に少しご相談させていただきましたところ、「以前御霊神社の社務所で防犯の見回りの後に会合したことがある」という情報をキャッチして、「おおっ、そんな可能性もあるのか」とこの活動に親身になっていただいている町会の方にまずは勇気をもってご相談してみました。

するとなんと次の日にはご連絡をいただき、「使えるよ!」ってすぐに宮司さんに確認してくださっていました。私としては、「ええー、神社って普通の人は使えないんじゃない?」という思いが強かったので、とても驚きそして感動しました。すぐに我が事のように動いてくださった町会の方の誠意、そして何より昆虫大好きな娘と小さい頃から、境内で遊んでいた馴染みの場所でもあったからです。

実は最終的な名前は「社会人大学院」になっておりますが、元々は「寺子屋」をイメージして、地域の公共性の高い建造物の中で、オープンに、老若男女が自由に語り合い、お互いに教え合う場所を求めていましたので、神社での開催は私のコンセプトにドンピシャでした。

3. 町会の掲示板への告知

もう一つの大きな飛躍です。それは「町会の掲示板への告知」ができるようになったことです。実は、告知活動の方法を考える時に「掲示板」への告知は意識しておりました。信用力も上がり、より安心してみなさまのご参加が可能になるのではと考えていたからです。

効果は本当に抜群で、近隣の目白大学の先生、そして地域にお住まいの方々(自分からは決してリーチできなかった方々)のお申し込みがあり、参加者の多様性を重んじる社会人大学院としては、また新しい可能性を見つけることができました。ここにも町会の方の多大なるご尽力がございました。チラシを印刷して、そしてさらに一枚一枚自らの足で貼付してくださいました。本当に何から何までありがたい限りです。

4. 開催の内容

第一限が、「日本語の話」というタイトルで、地元落合で育ち、地元の学校を卒業し、今もご家族でお住まいの現役会社員男性の方の講義でした。「小学5年生にもわかるようにクラスをする」という簡単なようで、実はかなり難しいコンセプトを見事に噛み砕き、難しいことを簡単な表現で、老若男女に伝えていただいたとても楽しいクラスでした。

またその際にその方の娘さんで二十歳の方もクラスにご参加いただき、まさしく私が理想としていた、3世代が同じ空間で同じ勉強をするという風景を見ることができました。美しい光景でした。

第二限目は、中井御霊神社の宮司さんの「神社の歴史」というものでした。中井御霊神社は、古い歴史があり、また、そもそもの天照大神にはじまる神社の起源などから始まり、とても教養深いお話となりました。物事を知ると、同じ風景が次の瞬間から異なるものに見えるようになります。今までなんともなしに見ていた境内の狛犬も、貴重な史跡であるという話を聞くと、急になんだかすごいものに見えてくるから不思議です(笑)。皆様の「へぇー」がとても連発していた楽しい講義でした。宮司さんもとてもサービス精神が旺盛な方でしたのでますます盛り上がりました。

私の好きな言葉の一つである“不易流行”という言葉がぴたりと当てはまる新旧の融合した心地良いクラスでした。

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次回は3/22の配信予定です!

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