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あんしん見守りサービス的な

ずっと独りでやっていた決算の仕事を人に教えることに。

相手は2~3年一緒にやってきて毎月の経理ルーティンはほぼこなせる後輩だし、”年に1度のことなのでここで一通り覚えたい”と言ってくれたので、やってほしい事と仕上げてほしいものだけ伝えて、やり方は任せるからまず自分で好きにやってみなよ。と放任してみたものの、


「あーもぅ何でそんな効率悪いやり方すんねん」(←任せると言ったそばから)
「そこはそういう目的とちゃうねん。何のための資料かわかってないのか?」
「なんでこの子はおっちょこちょいなのに入力間違いとか確認せぇへんのやろ」

と、一部始終が気になってハラハラしっぱなし。


まるで初めて補助輪を外して自転車に乗る息子を後ろから見ているような。
もしくは初めて料理すると言って包丁を握る娘を見守るような。

えぇ、息子も娘もいませんけど。何なら妻もいませんけど。


つい口を挟んでしまったり、余計な手出しをしてしまったりしてうっかり自己嫌悪に陥ったりしました。
「信じて委ねる」「黙って見守る」って大変。

マイペースで愚直な目の前の人を見ていると、

「あんた、せ っ か ち な の に グ ズ ね」と叱られた新入社員の頃とか、
「なんでそんなこともわかんないの!?」と呆れたような顔で罵倒された(ように感じた)新入社員の頃とか、
「現場の人は忙しいんだから、書類がちょっと遅れたくらいでガタガタ言うんじゃない」と自分を蔑ろにされた(ように感じた)新入社員の頃とか、
「やっぱ自分この会社あわないんじゃないかなぁ、クロちゃんどう思う?」と猫に話しかけてたあの頃とか、

古傷が抉り出されてとても苦しかったwww


今なら何でそんなこともわからないの?などと言われても
「教え方が悪いからじゃないですかね~。ぺっぺっぺ!」
くらいの返しはできると思うのですが、当時は

「あー、こんなこともわからない自分は、本当にダメなんだなぁ」
「そうか、自分の都合を要求するのはおこがましい事なんだ、つつましやかにしてなきゃいけないんだ」
「なんか俺、生きててごめんなさい」

とどんどん人格が毀損されていくのに、何も感じないようにいろんなものを封印してきていました。


たぶんなんですけど、
効率が悪いとモヤモヤするのは、グズでのろまだと認められないし受け入れられないとどこかで思っているから。
マイペースな人イライラするのは、自分が空気読んで遠慮したり委縮したりしてきた事が否定されてる気になるから。
間違いやミスが許せないのは、完璧な自分を演じてないと責められるような気がするから。
部下のダメな部分に目がいくのは、自分が優越感や有能感に浸りたいから。

なんだろうなぁと感じています。


あと、自分が教えるほうになっても絶対「なんでそんなこともわからないの」という言葉だけはかけるまいと思っていたのですが、いざそういう立場になってみると

「あ、こいつはこういうことはわかってないんだ」

と気づく場面はたくさんありました。

いずれにせよ、人を信じるためにもまず自分の中の人をもっと表に出してあげようと思いました(強引に締め)

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