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【RX 奥田】2021.12.26サイクルジャンボリー山口3時間エンデューロ男子ソロ 優勝

【前置き】


前回のブログで、VENGEを壊してしまい、2021年は袖ケ浦で最後と書いたが、チームメイトの方々から様々ご助言頂いたのをすぐに実践したいという気持ちや、チームメイトの松尾くんのおかげで代車を借りることが出来たこと、妻の実家がある山口県に帰省した日に丁度レースがあると分かったことから、サイクルジャンボリー山口に参加することにした。本当はAM2時間+PM3時間の5時間エンディングに参加したかったが、帰省するのがレース当日の朝であったので、12時スタートの3時間エンデューロ男子ソロに参加することにした。

当日の朝に、岩国空港から会場のあるきらら浜まで、妻を実家におろして向かう行程だと約2時間。空港を9時に出る予定なので、十分間に合うと思っていた。
が、帰省ラッシュで飛行機が大幅に遅れる。今後も見据えて、限られたスタッフで対応されているのだろう。そんな混雑の中、空港でスタッフを怒鳴っている方がいたが、減収により限られた人数で対応せざるを得ない航空関係者の方々は一生懸命やってくださっていることに想像が及ばないのだろうか?ましてやスタッフの方は、我々が休みの中、働いてくださっている。そこにきての寒波による降雪の影響で欠航・振替が相次いでしまっている以上、遅れ等はしょうがない。
自分の場合、ロードバイクを丁寧に運んでもらっている。そのおかげでトラブルなく走ることが出来た。もっと感謝して、スタッフの方に怒るのではなく余裕を持った計画にしなかった自分に対して反省すべきだろう。(自戒です。)

航空関係者の皆様、いつも本当にありがとうございます!

結局、この遅れで会場についたのは11時50分・・・そこから着替えて自転車を組み立てて受付して、とやっていてスタートしたのは12時2分・・・。次から遠征は絶対に前泊にするといういきなりの反省ポイントであった。

当日は大寒波が来ており、会場近くの妻の友人から雪が積もっているということや、時間的にもギリギリでスタートする精神状態は危ないからと、妻から出来れば走って欲しくない旨を懇願された。
ただ大会発信の情報で、会場は降雪や凍結がないことが分かっていたので、絶対に事故をしない!落車しない!という制約をして、走る許可をもらった。

【機材関連】

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六本木エクスプレスは赤城レッド○ンズと違い、一応は代車でもレース参加を許してもらえるが、決して良いことではなく、やはり機材は自分のものを使うべきだと思う。今回は所持している実走バイクが無かったので、やむなく・・・。借りたバイクを壊すわけにいかないというのも絶対に事故や落車出来ない要因の一つであった。

フレームは松尾くんがメーカーに意見具申し開発された企画もの。詳細は同じくチームメイトの高見澤くんが同型兄弟機を使用した際のインプレを参照に。

概ね自分も同じ印象。特に今回はド平坦コースかつ区間によっては横風爆風なので、直進安定性は武器になった。細かいセッティングは分からないが、松尾くんとは身長が一緒なので、借りた状態で使用する。
それにしても、高橋○介と同じRX-7乗りの松尾くんから借りるRX-0ユニコーンガンダムのフレーム・・・。

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つくば山を1週間前に走ったが、ポジションに違和感はなくこのまま行けるなという判断。ちなみに、この時の様子はそのうち松尾くんが動画にするようだ・・・どんな内容かは、アップされてからのお楽しみ。

タイヤだけは劣化で全くグリップしなかったので、RX BIKEにて新品に交換してもらう。チューブラータイヤは初めてなので、練習用としてオススメのContinental Giro700*22C。

Bioracerのテンペストは神冬ジャージだと思う。これが無ければ3時間も気温1度の北風で走り切れなかった。ウインドブレーカーを着れば更に風の寒さをしのげるが、レースではエアロを重視したいので、バタつきが気になってしまう。その点、テンペストは一切バタつき無く、それでいて伸縮性や保温効果が高いため体温さえ上がれば(降雨や降雪が無いなら)十分しのげるのが分かった。

補給はパラチノース入りのボトル1本のみ。朝一番のコーヒーにも大匙2杯入れて飲んだおかげか、レース3時間で半分も飲まず。エネルギー効率良すぎ。

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後はイナーメウインターオイルを塗りたくり準備完了。

【レース展開】


序盤(スタート~1時間):前置きでも書いた通り、3時間組みのスタートに間に合わず、1分遅れの1時間組スタートにも間に合わず、2分遅れでスタートした。スタッフの方が、ゼッケン付けに協力してくださり、荷物を預かってくださり、頑張って!と応援してくれたおかげでロスを最小限に防げた。本当にありがとうございます。
幸い、1時間組みがローリングスタートだったので、何とか追いついたがその前方にいる、3時間組みは既にレースが始まっていて縦長集団になっているのが見えた。1時間組の方に協力してもらうのは違うという判断から、自分で踏んで追いつくようにする。いきなり心拍数マックス、血の味がした・・・。
初めてのコースで一切試走しなかったが、完全フラット、北風爆風のコースだったため、1周2周と先頭で踏んでいたが、マジでつらい・・・。

3周目中盤で、VC福岡のジャージに追いつき、これが先頭かと、ホッと一息ついてからしばらくはツキイチで周回をこなす。(ここで状況を周りに聞くべきだった)
しかし横風区間は斜め隊列になるが、ここでふらつく人が多く非常に怖い。可能な限りVC福岡の方々の後ろを定位置にして、前方で展開をする。暫くは休憩もかねてコースの危険個所観察やコーナーの曲がり方に注意して周回を消化していた。

中盤(1~2時間経過):1時間が経とうとしたところで衝撃の事実が発覚する。誘導バイクが現れて、なんとスタートして即逃げていた人達が、自分達のグループをもうすぐ追いつくという。
ここに3時間ソロの選手がいたらレースが終わると絶望しつつ、全部自分が悪いと反省する。出来ることもなくとりあえず合流を待つと、2人ラップしてきた。ゼッケンを見ると、5時間組。良かった・・・。
話を聞くと5時間組みの午前1位(松山学院 阿部選手)、2位(All right 篠崎選手)の2人で、勝利を固めるためにスタート直後から逃げていたらしい。これが3時間ソロ組の選手なら本当にレース終了だったので、改めて周りの選手と展開を確認することの重要性と、そもそも遅刻しないという当たり前のことをしなくてはいけないと強く反省した。

動揺が落ち着き始めたところで、先頭グループの面子を見渡す。同じ3時間カテゴリーソロでライバルは一人だけで、あとは5時間組みのみと分かった。後にこの方が、エントリーリストで事前にマークしていた強豪チームVC Veloceの本庄選手だった。チームジャージを着ていなかったので分からず・・・。この選手にどうやって勝つか?を考えながら走る。
・身体は自分よりも大きく、ゴール前スプリントは負ける気がする。
・ポジションは高めのため、シッティングとエアロポジションで走れば、自分の方が温存できそう。
・積極的に前を走っており、たぶん真っ向勝負をしてくれる。

こうした観察をした上で、戦略としては、
・アタックを何度か繰り返してどこかで突き放す。
・ゴールまで5時間組と協調し、ロングスプリントで勝負。
の2パターンを想定していた。幸い、脚は回復してきたのでどちらの戦略でも行ける。ただゴール前まで集団で行くとスプリント勝負になり、事故リスクが高い。ロングスプリントするとしても、5時間組が見逃してくれるかは分からない。
もし落車したら妻との約束を守れず、折角の帰省を台無しにしてしまう。それだけは避けなくてはならない・・・。なので最後の一つ、採りたくはないが、大逃げというのも選択肢として持ってはいた。
いずれにしろ、残り1時間で動こうと腹に決める。

終盤(2時間~ゴール):集団は完全にまったりムード。5時間組みが散発的にアタックし、本庄選手がそれに乗ることがあるので、それを追いかけたりすることはあっても、展開としては同じ感じ。自分もそろそろ仕掛けるか、と心構えをしていた。

そして、突然その時が来た。

残り1時間を迎えようというところで、向い風になる区間に入り、ローテの綾で先頭になった。エアロポジションをとりながら走っていたが、後続がついてこずに、5mほどギャップが出来た。ここで一瞬考える。
・集団にいる3時間ソロは本庄選手一人。
・5時間組みは先頭2人がラップして集団に居るので、勝負あり、もうペースで最後までいくはず。
・自分が一人で飛び出しても、本庄選手の追送に協調する選手はおそらくいない。

2秒考えて、決断した。

“このまま行って最後まで逃げよう。”

サイコンを見ると残り1時間強。一人でこの風の中で逃げ続けられるのか?
弱気がちらつく。だが、自分の師である高岡さんがブログで言っていた「レースはどこかでリスクを取らない限り、勝利は得られない。」というのを思い浮かべ、ペダルを踏む。今がその時だ。
フラット周回コースなので、後続がどこにいるのか見える。周回を重ねるごとに、じりじりと離れているのが分かる。これは期待通りの展開になった。あとは集団に追いついてラップするんだ!という気持ちで踏む。

進まない・・・
寒い・・・
辛い・・・
ロードレースで逃げる人達はこんな気持ちなのか。尊敬しかない。

だが、これまでの練習や自分の能力をデータできちんと把握してきたことで、ペース配分を考えて走ることが出来る。脚も回る。あとは気持ちだけ、少しは自分信じても良いだろう。
S/Fラインを通過する度に、チーム名と名前を呼ばれ、勇気をもらう。
大丈夫、後○○分と頭の中で念仏のように唱える。集団のラップは厳しそうだ。5時間組みが決着をつけるべくペースが上がっている。その中に本庄選手も必ずいるはず。それでもタイム差は十分ある。
最終ラップ、想定の80%もパワーが出ないが、エアロポジションを意識して逃げる。踏み抜く。そして、最後のコーナーを曲がり終えて、後ろを振り返る。誰もいない、やった、勝てた!
ガッツポーズでフィニッシュラインを通過しロードレース初勝利。

https://21.05.cyclejamboree.com/wp-content/uploads/2021/12/CJ_Yama_3h_%EF%BD%90m_M_solo.pdf


リザルト上、最後は3秒差まで詰められたように出ているが、スタートが2分遅れのため、実際はもっとギャップがあったようだ。

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【ゴール後】


本庄選手やスタッフの方々にこのコンディションで1時間以上逃げ続けられるなんて、強い、と称賛頂いた。素直にうれしい。あくまで5時間組の阿部選手、篠崎選手がラップするという展開に助けられただけで、もっと同カテゴリーに人数がいれば、こんなレースにはならなかっただろう。それでも、逃げて勝ったというのは自分の中で一つの自信になった。

【終わりに】


まずは開催頂いたスタッフ、実行委員会他関係者の皆様にお礼を。本当に寒い中、お疲れ様でした。ゼッケン貼付の手伝いや荷物を預かっていただけたおかげで、レースを諦めなくて済みました。本当にありがとうございます。
また一緒に走らせていただいた選手の皆様も、ありがとうございました。怪我なく終われたのは、みんなで声を掛け合って、安全にレースをしようという意識統一が出来たおかげです。VC福岡の皆様を始め、ありがとうございました。
参加を許してくれた妻にも、本当に感謝。雪がちらつき、妻としては走って欲しくないというのは十分にわかっていたが、最後は我儘を許してくれたおかげで優勝を勝ち取ることが出来ました。ありがとう、これからもケガをしないようにしながら走ります。

これで2021年最後のレポートを締めたいと思います。
2022年もレース、Zwift、練習会と積極的に参加させていただくつもりですので、どうぞよろしくお願いいたします。良いお年を!

#パラチノース

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