お好み焼きを買ってしまった話

昨日、ついお好み焼きを買ってしまった。

買う気は一切なかったのだが、
道を歩いていたら、匂いに誘われ、
気づいたら店の前に立っていた。

そして、店員に「何にしますか?」と聞かれると、
断ることができず、つい買ってしまったのだ。

あまりにも無意識に購買活動を行なったので、
「なぜ、ボクはお好み焼きを買ったのだろう?」と少し考えてみた。

今日は、その考察を共有しようと思う。

なぜ、お好み焼きを買ったのか?

ひとつは、「匂い」である。

そのお店は、窓を全開にし、
お好み焼きの匂いをわざと店の外へ逃していた。

通行人の嗅覚を刺激し、
匂いで見込み客を集めていたのだ。

鼻に対する刺激というのは、
視覚への刺激に比べ、人を動かす力が強い。

視覚に訴えてもなかなか人は動かないが、
いい匂いをかがせるとスッと寄って来るのだ。

いわゆるウナギ屋商法というやつである。

では、なぜ人は嗅覚への刺激に弱いのか?

ある本によると、動物の進化の順番が起因しているらしい。

一番原始的で昔からあるのは触覚で、
その次が鼻(嗅覚)であるそう。

つまり、神経の発達の中では、
視覚よりも嗅覚が先に出来たため、
嗅覚の方がより本能に直結しているというわけだ。

もうひとつの説によると、
大脳における神経密度も関係していると言う。

大脳における神経密度を高い順に並べると、
視覚 ⇒ 聴覚 ⇒ 味覚 ⇒ 嗅覚 ⇒ 触覚となる。

そして、神経密度が高いほど、
刺激に敏感であり、その分簡単に満足してしまうそうだ。

今の世の中、視覚への刺激に溢れている。

Youtube、インスタグラム、Twitter、パチンコ
読書、映画、広告、あとは美味しそうな料理とか。

娯楽のほとんどが、目を酷使するものばかり。
そしてその多くが、非常に簡単で安上がりである。

故に、人々は視覚への刺激に満足しているのだ。

聴覚への刺激に関しても、同じである。

街に出れば、ほとんどの人がイヤホンをつけ、
Youtubeや、Tiktok、音楽、オーディオブックなど、
耳を酷使しているのが分かるだろう。

そして、聴覚への刺激もまた、
非常に簡単で安上がりなものばかりである。

味覚はどうだろうか?

まず視覚や聴覚のように、
「タダ」で楽しむことはできない。

味覚を満足させるとなると、
それなりの金額がかかってくるのだ。

そして嗅覚。

香水、入浴剤、ハンドクリーム、アロマ
どれも原価の割にかなり高いのが分かるはずだ。

シャネルの香水に関しては、
平気で1万円を超えてくる。

要は、視覚や聴覚に比べ、
嗅覚を満足させるには、よりコストがかかるというわけだ。

最後に、触覚。

これも嗅覚同様に、
満足するには、多くのコストがかかってくる。

例えば、シルクの高級ランジェリーや、
オーガニックコットンのタオルなど、
本当に満足のいく肌触りを求めれば、その金額は跳ね上がる。

つまり、話をまとめると、

視覚や聴覚を満足させる商品は、世に溢れており、
誰もが簡単に安価で手に入れることができる。

一方、嗅覚や触覚を満足させるためには、
おのずと「本物」が求めらるようになり、
故にその価格も跳ね上がるのだ。

以上、動物の進化の順番と、
大脳における神経密度の観点から、
嗅覚にアピールする重要性を話してきた。

つまるところ、ボクは嗅覚を刺激され、
お好み焼き屋の前に行ってしまったというわけだ。

ここで重要なことがもうひとつある。

ボクは、なぜ買ってしまったのだろうか?
店の前に行ったからといって、買う必要はなかったのに。

それは、一貫性の法則が関係している。

一貫性の法則とは、自らの行動や発言に対して、
一貫した行動を取りたいという心理である。

ボクは、

「店の前まで行き、メニューを眺めた以上、
商品を購入しなくては・・・」

と思ってしまったのだ。

そして、決め手は、
店員の「何にしますか?」という一声。

「他人に見られている」という緊張感が、
「一貫性の法則」の効果は強化したのだ。

つまり、ボクは、
「嗅覚への刺激」と「一貫性の法則」によって
購買活動を行なった。

こうやって自分の行動を分析してみるのも面白いので、
ぜひあなたもやってみてくださいな。

それでは、また!


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