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ゲーセンでカツアゲされた話
どーもこんにちは、ようやくPS5を購入できたものの全くやっていないたくさんです。これまで私は時間が無くてゲーム出来ないと言い訳をしていましたが、最近時間があってもやらないことが判明したのでこのまま部屋のオブジェと化していく予感がビンビンにしています。
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さて今回は、そんな老害ゲーマーとしてその昔ゲームセンターで体験したトラブル事例なんかをご紹介したいと思います。ちょうどそういう当時を振り返る話をYoutubeで観たのと、ちょっと自分の芸風に合わない前回の記事で生まれてしまったシリアスな空気を払拭したいと思ったからですね(笑)。
浄化されきった現代のゲームセンターではもう起こり得ないことばかりでしょうが、当時はそういった危険な要素もゲームセンターの魅力の一つだったように思います。どうかお付き合いいただければ幸いです。
1.前提として
「昔のゲームセンターはヤバかった」なんて話は聞いたことのある人が多いんじゃないでしょうか。私がゲームセンターに出入りしていたのは主に1990年代になりますが、当時はまだ「不良文化」というのが生き残っていたこともあり、ゲーセンだけでなく全体的にバイオレンスな空気が漂う時代でした。
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私の住んでいた地域でも、ヤンキーに分類される人種がナチュラルに同世代に存在しており、なかなかに刺激的な日常を送っていました。
どれくらい危険だったかというと、まず一歩外に出ようものなら初代ペルソナくらいヤンキーにエンカウントしました。ゲーセン、本屋、ゲームショップや流行りの服屋など中学生が単独で行きたがるようなお店を根城に網を張っていた連中が存在しており、何も知らずにお年玉を握りしめて買い物にでも行こうもんならたちまち餌食にされるような環境でした。
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もちろん、そういった話が広がれば私を含めた草食動物達もただ狩られるだけではありません。お互いに近付いたら危険な施設の情報を共有したり、こちらも集団で行動するようにしたり、万が一絡まれたケースを想定して備えておくなど少しでも生き残るべく知恵を絞って生活していました。
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中でも重要だったのは現金を分割して所持することです。この場合も靴の中にお札を隠すのはすぐヤンキーにバレてよりひどい目に遭うため靴下か下着の中に入れておくのが良しとされていました。また、カツアゲされる用に少額のお金を入れて別の財布を用意したりもしていましたね。
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まあ、私が住んでいた地域の治安が特に悪かったということもあると思います。私の通っていた中学校は周囲からは通称「いじめのデパート」と呼ばれ、少しでも隙を見せたらいじめの対象になるほどすさんだ環境でした。
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多くは語りませんが、そこでターゲットにされないよう必死で身に付けた処世術は後の人生において役に立ったものの、確実に私の人格形成に悪影響を及ぼしたものと推測されます。
2.エックスメン VS. ストリートファイター
まーそんな環境下だったので、私はできるだけ一人でゲームセンターに行かないようにしていました。幸いにも中学くらいまでは一緒にゲームセンターに行ってくれる友達もいましたからね。
ただ、ある程度の人数であっても駅前の地下ゲーセンなどは依然として危険だったため、最新の格ゲーが出来るという魅力はあったものの、おいそれと行くことは憚られましたね。
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そんな私たちは行くにしても比較的に危険度の低い地元のゲーセンに留めることが多かったのですが、新作の格ゲーをやりたいがために危険を冒して街中の地下ゲーセンに行くこともありました。
「エックスメン VS. ストリートファイター」が出た時もそうです。簡単な操作でド派手な必殺技が出せ、爽快感のあるコンボを決められるこの作品を私や友達は皆夢中になってプレイしていました。
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ただし、中学生だった私たちは当然お金があるわけではありません。負けたら終わりの対戦ではなく、100円で2プレイ出来る、ゲーム屋に併設されていたゲームスペースなどで一人用をやることの方が多かったです。
しかし、そこは私たちと同じ草食動物の集うオアシス。対戦台でないこともあり、非常に長い待ち時間が発生してしまうという問題がありました。
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「これでは思う存分ゲームが出来ない」そう考えた私たちはエックスメン VS. ストリートファイターを求め、街中の地下ゲーセンに行くことにしました。危険なことは承知していましたが、それよりもゲームがしたい気持ちの方が勝った結果です。
不運だったのはそれが対戦台だったこと、そして私が対戦自体をあまりしていなかったことでしょうか。その日、地下ゲーセンでプレイしていた私に乱入してきた人がいました。
相手は向かい側の台に座っており様子を伺うことは出来ません。稼働初期でお互い大して上手くはなかったと思うのですが、対戦中に相手の交代攻撃をガードした私は、ここぞとばかりにマグニートーの永パで相手をハメ殺しました。
「立ち大キック1段目>→↘↓↙←+K(ハイパーグラビテーション)×n」
初期Ver.のこのゲームは永久コンボが多いことでも有名ですが、その中でも簡単かつ実用性の高いこのコンボを嬉々として行っていた私は、台から伝わる衝撃にビビり、ゲーセンのBGMでもかき消されることのなかった咆哮を耳にしました。
「っだよ!!!!(バアン!!)おい!!」
「あんまりふざけたことしてんじゃねえぞ!」
髪を染めた年上と思われる輩が、激高しながら私のもとに現れました。そこからはテンプレです、逃げ遅れた私の友達2人と共に(ゴメンよ)ゲーセンのトイレに連れていかれ金を要求されました。
「おい金持ってんだろ、出せよ!」
絶体絶命、しかし我々は備えていました。事前に財布から現金はほとんど靴下に移しており、それを見た輩は金を奪う気が失せたようでした。
ですが、
「何かテメーの目つきが気に入らねーなあ?」
と、何が輩の琴線に触れたのか、私ではなく私の友達がやたらと絡まれ、あわや殴られる寸前までいっていたのはかわいそうでしたが。
3.ストリートファイターⅢ
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永パは危ない(いろいろな意味で)。
そう学んだ私は少なくともヤンキーに対しては永パや露骨なハメを行うことはなくなりました。さらに、対戦相手の危険度をあらかじめ把握しておくべく、事前に向かい側に座っている人を確認するようになりました。
そんな私が次に遊んだのは「ストリートファイターⅢ」でした。当時はあまり対戦も盛んではなく、一人用がすぐに終わる(8人目で終了、短い)こともあってか一人プレイ台もそんなに混んで無かったゲームです。
しかし、私はこのゲームにおけるリープアタック(中段技)やブロッキングというシステムが新鮮で、浅いながらもそれらを駆使した対戦が面白くてけっこうやっていました。
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そしてある日地元のゲーセンで、私と同じ様にけっこうストⅢをやっていた兄ちゃんと対戦することがありました。いつも目元が全く見えない、ものすごく長い"つば"の真っ黒な帽子を被っていた彼は、我々からまんま「ボウシ」と呼ばれていました。あまり武闘派な見た目でも無く、年上で地元のゲーセンによくいた人でした。
私はケンで相手はユン。全体的に私が優勢で試合が進んで行き、最後はバクステ連打で距離を開けて雷撃蹴を誘い込み、SA神龍拳を合わせ勝利で終わりました。
「やったぜ!」
ケンと同調して勝利を喜ぶ私でしたが、その時突如として聞こえてきた声と腕に伝わる衝撃に凍り付きました。
「っだよ!!!!(バアン!!)おい!!」
どこかで聞いた記憶のあるセリフと共に、激高した「ボウシ」が私に詰め寄ってきたのです。
「え?え?」
怒りで上手く話をまとめられない「ボウシ」の言い分をそれでもまとめると、
「バクステ連打なんて男らしくない真似をしやがって!」
ということのようでした。
そっちのユンと違ってケンのバックダッシュはすげー短いからしょうがねえだろうがと言いたかった私ですが、相手は冷静じゃありません。
「ああ!?◎△$♪×¥●&%#?!」
尚も詰め寄ろうとする「ボウシ」、私はとっさにゲーセンの中央にあるカウンターへ走り、そこにいた店員に助けを求めると逆に「ボウシ」は店の外に走って逃げていきました。
今まで荒事を起こしていたりはしていなかったはずの「ボウシ」。何に影響を受けたのか、その後も彼は色んな人にいちゃもんをつけては揉めている様子でしたが、ある日ボコボコの顔でゲーセンを訪れた後、また静かな兄ちゃんに戻っていました。多分、触れてはいけない人種にケンカを吹っ掛けたのでないかと思われます。
4.私立ジャスティス学園
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バクステ連打は危ない(?)。
またも貴重な学びを得た私は、その次に「私立ジャスティス学園」にハマってやり込んでいました。スト5にも参戦したアキラを持ちキャラにしていましたが、このころの格闘ゲーム業界は目に見えて勢いが衰えてきており、あいにくと地元のゲーセンにこのゲームは入荷しませんでした。
やりたければ街中の地下ゲーセンに行くしかない。覚悟を決めた私は嫌がる友達を連れ、まだしも危険度が低いと思われた、それほど繁盛していなかったゲーセンを選んで通っていました。
はっきり言って初代ジャスティス学園はあまり対戦に向いていないゲームではありましたが、それでも独自の世界観と魅力的なキャラクター、個性的なシステムを面白く感じた私はたまに対戦もしていました。
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そしてある日のこと、恭介使いの瘦せ型で眼鏡をかけ神経質そうな印象を受けるオールドスクールスタイルなオタク男性と対戦しました。初代では強そうな雰囲気そのままに強かった恭介。浅い動きしか出来なかった私のアキラではなすすべがありませんでした。
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しかし、対戦後向かい側から負けた私をバカにした笑い声が聞こえてきました。
「ww今の奴弱すぎじゃね?www」
「早く負けろよ~〇〇w」
「(調子に乗りやがって…!)」
それは私に火を付けるには十分でした。
連コを決めた私。しかし相手の恭介には逆立ちしたって勝てそうにはありません。「どうすればいい…?」何としてもヤツに一泡吹かせたい私は、ふと今月号のゲーメストに沢村将馬の「空中分身魔球×n」が永パになるという情報が載っていたことを思い出し、ぶっつけ本番で試してみることにしました。
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対戦しながら技を把握していき、私はひたすらバックジャンプしながら「超剛速球」を投げてゲージを溜め、溜まったゲージで「空中分身魔球」をパなすめちゃくちゃ浅い立ち回りを構築しました。
ポイントは「空中分身魔球×n」は意外と難しかったため、「空中分身魔球>地上分身魔球」という妥協コンボで立ち向かった点です。それでもクソ強い超必から相手の体力を半分減らすコンボを手に入れた私に相手は苦戦しました。
結局相手は私のクソ寒い戦法を崩せず、膝を折る結果となりました。そしてすさまじい速さでされる連コ。同様に火が付いた相手との死闘は、悪魔に魂を売った私に軍配が上がる結果になりました。
「勝った!!」全てのプライドを投げ売って手に入れた勝利を喜ぶ私。だがしかし、もうお分かりの方もいるでしょうがここでも私は勝利の余韻に浸る間もなく、既視感のある叫びを耳にすることになりました。
「っだよ!!!!(バアン!!)おい!!」
全然争いごとには向いていないであろう彼ではありましたが、よほど腹に据えかねたのでしょう。これまでの相手同様、私に詰め寄ってきました。
私は、相手が根っからの武闘派でないことは分かったので、ひたすら自分に向けられる怒号を無視し、相手がいなくなるのを待つことにしました。そして気が済んだのか足早に相手が去って行ったのを確認すると、私もゲーセンを後にし、その後「初代ジャス学」をプレイすることは二度とありませんでした。
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5.最後に
なんだかあれですね、こうして思い返すと大体は私に原因があるような気がしてくるんですが気のせいでしょうか。まあ今回ご紹介できなかったエピソードもあるので、昔のゲーセンはそれだけ争いごとが絶えない場所だったということが伝われば良いかなと思います。
そしてカツアゲに始まるこうしたトラブルは、非常にストレスを感じるもののどこかスリルがあってワクワクしてくる気持ちもあったりしました。ですので、やはりそういったものも含めてゲームセンターの魅力だったんじゃないかと思います。
皆さんの当時の思い出話などがあれば聞いてみたいものですね。それでは長々とお付き合いいただいた方はありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。ではまた。
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