V最スクリムDay1と、本日のスクリム見どころポイント Apex机上の卓論

ついに始まったスクリム、その初日の様相

競技シーンファンの皆様ご機嫌。
ALGSプレイオフが月末に迫る中、ついに始まったV最Apexのスクリム。
Apex競技シーンを全人類に広めることが目的のこの活動として、このイベントを逃してなるものかと。
勿論のこと、その初日の様相を当note風に(競技シーン的な着眼点っぽい何か)振り返っていきたい。

久しいが、当noteは競技シーンに参加したことのないエアプが競技シーンの何故を考える上での書きなぐりだ。
そして参加している選手たちを批判する意はなく、更に楽しめるようにするための記事であることにご留意願う。

ちなみに、書いている私はVtuberの皆様に全然詳しくない。
友人知識と、ツイッチ振り返り配信時に教えてくれた超有能視聴者様により保管された部分が大きいため、そのあたりで失礼があることお詫びする。
このような振り返りに3時間半以上お付き合いいただいた競技シーンフリークに感謝を。すごく楽しかった!

先に申し上げたいのは、Apexとはチャンピオンを取ることだけではないからこそ面白いゲームだということだ。

クリプトロビー、ランダムのPOI

ALGSとは違いランダムに割り振られるPOI。その影響は大きいかと考えていたが、そこまでのものではなかったように感じる。
そこまでのもの、というのはムーブ面でのズレによる摩擦だ。外へ動きたいチームと、中へ動きたいチーム。住み分けができることがストームポイントというMAPの特徴であり、競技勢に好まれる所以でもある。
その詳細は以前のPOITierまとめに書きなぐっていたのでそちらを見て頂くとして、どのPOIに割り振られたチームもそのPOIが最大限に輝く動きをしようとしているという感想を抱いた。
無理にでも中へ急ぐのかと思えば、そうではない。
その動きもあり、これもまた決してカジュアル大会とは言えない固めなゲームの展開だ。

南部安置時の主な各チーム移動経路。
まずはパイロン、コースタルに注目。

まず驚いたのは、パイロンチームが南部へ抜けるルートを通っている(しかもほぼ固定!)こと。
ジュラシックのチームも基本的に中へ早く、パイロンはジュラシック側、コースタル側二種類の移動経路を持っている。ジュラシックチームが動いた後、コースタルチームが動いた後であればどちらでもフリーに通ることができ、そのビーコンやコンソールへのアクセスができる保険があることも強力なポイントの一つ。
しかし今回パイロンチームは基本コースタル側へ早く抜ける動きを見せており、これがコースタルチームが苦しむ理由となった。
行く先、移動中にパイロンチームとぶつかる。そこで止まれば、エコーにトライデントで追い抜かれる。
パイロンチームは譲るそぶりを見せない。これは非常に参ったであろう。コースタルというPOIの弱さが100%出ている。

注目していたトライデント争奪戦は、パスファインダーを入れ込んだノースパットチームの勝利。全マッチでトライデントを抑える動きを見せており、計画の動きであることがうかがえる。
対してウォールチームは初戦こそトライデントへの意識を出したものの、その後はノータッチ。この部分の争いはノースパットに軍配が上がった。
しかしにZEUSチームが中へ早い(ZEUSは中へ動くにも強いPOI)こともあり、ウォールチームのダメージは最小限に住んでいる。

避雷針、クリフサイドのトライデント争いはクリフサイドチームの勝利。
というよりは、避雷針が大人な構えを見せ譲ったような形か。初期での初動争いを避けたのは、中へ早いチーム方針故に感じる。そもそもにクリフサイド側の物資をフルでそろえるのではなく、素早い立ち上がりを意識した動きが目立った。
ASGSでも中意識の高かった敬愛すべきASGS主催者たる碧依さくら氏(Apex競技シーンをこの世に広げる上で欠かせない人物であり当noteはリスペクトしている)であり、この動きは納得だ。
しかしに、クリフサイドという本来存在しないチームがいることで厳しい展開にはなってしまった。本来強力な安置寄りのゲームで、それを100%生かせない。

カスケードフォール、RC(NewJ)家長がコーチを務めるチームに対するはCETOステーション。
FNCYukaFとNTHTaidaの両軸がコーチを務めるチーム。この部分には大きな摩擦が生じている。
ジュラシックパークは動きが早いが、カスケードフォールは最短距離を通るならばセトステーション側を回りたい。東に寄ることであの込み合った方面とのぶつかりを避けたいのだが、セトステーションが譲らない。
中へ急ぐことはなく、入るポジションも端を好むチームはカスケードフォールと衝突していた。

本日スクリムの注目点 南部安置

豪華コーチ陣の揃ったV最(一部チームのコーチはドイツでラジオ体操をしているが)だけに、その修正には期待したい。
特にこのnoteでは初期の移動経路に着目する。この部分を楽しんでいただければ、更に面白いものとなるだろう。

最初は、コースタルキャンプの動きだ。
パイロンの移動経路になり、エコーからは追い抜かれ、空いたパイロンから発射と破滅チームが移動してくる波にのまれた初日。
特にカギを握っているのは、コースタルキャンプチームだと言える。
パイロンチームに対し、どのような動きを見せるのかに注目したい。

コースタルキャンプチームが、パイロンを抑えに行くならば……?

現在はコースタルキャンプチームが譲ることで、南部チームの移動経路がクリーンになっている。
ここを抑えに行く動きを見せ、パイロンチームが南部へ急げなくなった時バランスは大きく崩れるかもしれない。
パイロンチームはジュラシック方面へ動かざるを得ず、ジュラシックチームは更に早く動く必要に迫られる。リングコンソールがない場合にパイロンチームの動きを確認し安置を特定する等素晴らしいハイレベルなムーブがあったジュラシックチームだが、この場合はどう出るか。
パイロンが開かないとなると、発射チームは移動に詰まる。南部へ抜けるか、北部を通るか。破滅チームは発射が空くことを前提として初期位置で若干発射に譲っている(橋方面までは出ない)が、ここが開かないとなると強気に出る必要もあるだろう。発射チームが通る方向によっては、北部チームの移動にも影響がでる。
その時エコーチームはどうするだろうか?追い越し、先に向かうか介入を狙うか。

どうにしろ、コースタルキャンプチームが犠牲になることでスムーズ(すぎる)中への経路を持っている各チームは対応に迫られる。これまで通りにはいかないかもしれない。

特に初日、POI性能に劣るチームは苦戦した。
チャンピオンを獲得したのはノースパット、ストームキャッチャー、ウォール、バロメーター、ミル。どれも強力なPOIだ。その中ジュラシックチームは気を吐いたが、スムーズな移動経路があってのもの。
何かを動かさなければ、この状況を変えることは難しいと考える。その一手にコースタルキャンプや他POIが動く、なんていうことがあるかもしれない。

地獄のデスゲーム、北部安置

北部安置の際は、”あの”クリプトロビーが再来した。

北部安置、これはかなりに苦しいロビーだ。
ZEUSチームが中に早く、ウォールチームはZEUSへはいれる。よってウォールで詰まることもなく(ウォールチームはZEUSで抑えるシーンもあったが)スムーズな移動ができる。
ダウンビーストチームとノースパットチームはトライデントでバチバチにやり合っていたがそれくらいで、クリフサイドというイレギュラーな位置にチームがいることで本来は避雷針が担える部分を担えず、詰まっていく。
南部安置の場合、セトステーションチームが端から入れるチーム合戦を行いにいくことで東部はコリをほぐしていた。ウォールチームがそれを担っていた節もあった初期から中へ向かった結果、訪れたのは地獄のAPACNデスゲームクリプトロビー。
完全に凝り固まった中終盤。運ゲーの裏切り安置。
デスゲームに限界物資ですり潰されるプレイヤー。
外からクリーンにこじ開けるのは最早不可能に近く、混戦の火ぶたを切る一発の銃弾となるしかない。
これには、見直していても苦悶の表情を浮かべざるを得なかった。

10キル10位よりもチャンピオンを見せたい事情、ルールの都合など痛いように理解はできるだけに難しいかもしれない。
ただし、打つ手がないわけではない。コーチの手腕一つだ。
目指すべき場所、その選択を行うことはそれはチャンピオンを獲得したのと同じ。そこでファイトに敗れてしまったとしても、その行いは評価してほしい。
これをどうするか、という部分は割愛するが……その動きを見せるチームが出てくるかどうか。
鍵は端ポジションの奪い合いだ。
それを是非に楽しんで、評価されてほしいために軽く例を紹介する。

このスクリムで例が紹介できるのはちょっととんでもないと思う。
すげーよ。

南部安置時のワンシーン

花芽すみれ氏チームに、葛葉氏チームがポジションファイトを仕掛けたシーンだ。
何故この位置へ仕掛けたのかというと、将来の安置収縮を見越した際にこの位置からスムーズに中へ入ることのできるチームは1つだけで、そのチームになりたいからだ。
そのために花芽すみれ氏チームはこのポジションで受け、葛葉チームは仕掛けた。リスクはあるが、必要なリスク。
今後の展開を見てもらえば、きっと伝わる!

次に葛葉チームが行ったのは、常闇トワ氏チームを動かすこと。
安置内に入っており、行う必要が無いようには見えるがこれも将来のポジションを見越しての行動だ。
赤丸エリアを保持し、中へ向かいたい葛葉チームはトンネルより南にチームを入れたくはない。将来的に距離が詰まり、移動を阻害されるからだ。
将来のリスクを減らすため、盤面をコントロールしに動く。

その選択が、大きく影響を与えたのが分かるだろうか。
小清水透氏チームを赤ライン奥で収縮開始まで抑えることで、安置内へ動く方向をコントロールする。
結果赤方面から、既に内部を確保しているチームはいるものの経路がフリーな葛葉氏チームに比べ、上部はぶつかり合いだ。

チャンピオンポジションであろう家屋にファイトを仕掛ける判断をしている碧依さくら氏チームも凄い。このタイミングしかない。

結果安置内へのポジションをスムーズに確保することに成功。
小清水透氏チームを安置内で待ち構えることもできており、狙いがズバっとハマったと言える。
中入りには種類があり、その狙いは様々だがこれは中端と当noteで呼称しているムーブの理想的な動きだと言える。
世界競技基準でいう「中ム―ブ」であったり「エリア」は早期にポジションを抑えることで受ける側になる(当然遅れていたら仕掛ける)ことで、「外ムーブ」というそれはそれを仕掛ける側になることが多いムーブのことだ。
それをするのに現状クリプトが必要(ワットソンの防備を一瞬で弾き飛ばせるため)だからクリプトが増えている。
家長やsaku等のそれはちょっと違う中ムーブだ。家長とsakuでも違う。
滅茶苦茶に高度ハイレベルな専門スキルがいるやつだ。

この判断を、どれだけのチームが行えるかどうかがカギである。
是非に盛り上がってほしいポイントだ。
これができるのはちょっと凄い。
それでファイトに負けてしまったとしても、狙いが間違っていない以上ファイトを磨けばいいだけ!スクリムとはそういう時間だ!

ちなみにAPACNの多くのチームはこの動きができず苦戦した。

クリプトロビーだからといって、APACNが有利スタートダッシュマックスじゃなかった理由の一つだな!
プロですら苦戦するこの状況、一体続くチームはどこになるのか!

終わり

ご感謝致す。
様々な盛り上がりポイント、本日のスクリムも注目してまいりたい所存。
できれば明日も振り返ってみたいものだ。

雑多に言えば、恐らくクリプトはそんなに必要はない。
そしてそっちのがきっと、強いチームも多い。
そんな感想である。
コーチ陣、よろしく頼む。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?