APACN LCQFinal総決算の書きなぐり

実直な積み重ねと、一貫性がもたらしたもの。

プレイオフから一週間、激動のApex競技シーンにいったん区切り。
あまりに少ない出場枠を巡り、40チームが争ったLCQが終了した。
見事に出場枠を確保したのは、REIGNITEとMETEORだ。
まずにそのプレイヤー、そしてコーチやチームスタッフの方々……応援しているファンの皆様におめでとうございます。

この結果は決してフラックや、運ではないだろう。
しかしに、結果を残せなかったチームが劣っていた訳ではない。
大きくロビーに影響を受け、その中で積み上げてきたものと方向性が刺さったチームが勝利した印象だ。

エリミネーションラウンドの残酷な結果に耐えきることができず、アルコールに浸った私ではあるが気持ちを切り替え視聴することができた。
今回はありがたいことにMAPstreamもあり、いつも通りの書きなぐりが行える。

ちゃぶ台返し。力での打開と、飛び込みの叶うロビーのRIG。

winnersround2では世界プレイオフに近い状況で、内側で強度が高いHAOとTIEが圧倒的な安定感を発揮した。
しかしにFinal、恐らくに上位2チームという条件で外ムーブ(キルポイントでのポイントメイク)を選択するチームが多い影響と……最後まで多く表れることはなかったVKG、プレイオフにて中入りを成功させた唯一のチームのフォロワーが現れなかったことで、中は信じられないほどにスカスカ。
他リージョンがシアバンガで外を回っている中でクリプトワットソンを選択したリージョンが、プレイオフにて中入りが肯定された状況の今外を選択している……APACNは、逆張りだ。

中がスッカスカ、赤枠が入れるはずのポジション。

TIEが広くエリアを確保しているが、これは他チームがここへ入らなかったからこそ結果的に広く取れているだけだ。むしろ、取れてしまっているという状況だろうか。そのまま広くエリアを取ろうにも、そこへ同調する中端のチームは存在しない。
HAOもRedRams、Fennelにアクションを仕掛けようとする動きもあったが、このスカスカな状況ではポジションを選ぶことができ……引く選択肢もある。ファイトが長引けば、漁夫介入もあるだろう。何せプレッシャーフリーだ。自由に動ける。本来ならば、動けないはずだったが……。

苦しい相手へ仕掛け、詰まっていく他チームを傍目にこれから先のリスクを軽減しつつ、ビッグゲームへ繋げるはずの彼ら。
しかしこの状況では、ただ内部で様子を伺うことしかできず……結果的に、それ以降の局面へ備えるタイミングを逃してしまう。
グループステージではHAOやTIEに近中距離の強度で苦しめれられたKNやRCKR、XFACTORZはそこから内部へ入ることができる。

このワールズエッジ、二試合目で完全にロビーの様相は固まったように思える。
中はスカスカで、中端で構えるチームは少ない。
どこかでみた、このゲーム内容は、どこかでみたそれだ。

あっ!これ進研ゼミでみたやつだ!

Navi、そしてEXLが大きく成績を伸ばした……プレイオフ、グループステージ。
三円飛び込み、そしてそれが叶うロビー。それが効果的なロビー。
そうなれば、どこが成績を伸ばすかなんて必然だ。
それを続けたチームがいる。
プロリーグから、ASGSでも、それを見せ続けてくれたIGLがこのロビーにはいる。

飛び込み型中入りといえば!

Ftyan、REIGNITEだ。
どの安置においてもそこを入れるポジションをにらみ、ジャンプや移動を駆使して三円以降のポジションを狙う動き。
ロビーが大きく変わる中で、プロリーグ、RFとそれが難しいながらもその動きを貫き続けた彼ら。
ついに、そのムーブはこのロビーでの最適解となる。

この分野で戦うならば、彼ら以上のチームは存在しないだろう。
それを上回る?互角に戦おうとするならば、Lykqを連れてくるしかない。そのレベルの研鑽を、経験を積んでいる。実績があり、自信にあふれているチームだ。
恐らくに彼らは初期にして、勝てると確信していたのではないかとすら思える。

同時に力での打開も叶うため、そのファイトパワーを十分に生かしたNoezやGHSが大きく成績を伸ばすシーンもあった。
このLCQ。他チームも決して一筋縄ではいかない強豪であり、外が混んでいる以上にワンファイトで終わることはない。つまりはノーダウンでファイトをクリーンに終了させ、介入へ備える必要がある。
このような中でそれを行ったのがNotMoistであり、そのためのバンガロールヒューズクリプト構成だった。
彼らだけではなく、他の外チームにとってもそれができるのであれば、非常に効果的でありビッグゲームを作ることができるロビーだ。
しかしニューキャッスルが増えている現状、そもそもにバンガロールヒューズクリプト構成へ対して立ち向かうという方向性から用いられた部分が存分に発揮されていく。
外チームは、結果的にファイトに勝利することができてもノーダウンで終わることができない。介入へ備えるには、致命的なテンポロスだ。
よって成績に安定感を欠いていく。ついぞバンガロールヒューズクリプト構成での好成績を成し遂げたのは、プレイオフでもNotMoist、TSM、FNATICだけであり……そんな彼らにでも求められたのが、一枚内側のポジションからのアクションだ。
このロビーでは一枚内側でアクションを仕掛ける必要はなかったように思うが……。
仮に後、1週間や2週間の準備期間があれば……?それはもう、わからない。

SBIに仕掛けるも、TIEに介入されるNoez。

正解を掴んでいた、SBI。

まさしくプレイオフのおさらい(スクリムよりの)となったようなゲームで、成績を伸ばしていったのがSBIだ。

中へ飛び込み、ポジションを作るアクションを仕掛ける。
彼らのアクションは一貫している。

中へ飛び込めるとみるや、外からアクションを仕掛けるのではなく飛び込み、その部分へアプローチをかける。
それが叶うのは、FURIAやFENNELが用いていたパスファインダーニューキャッスルクリプト構成だからだ。パスファインダーによって大きく移動が叶い、ニューキャッスルを加えたことによりポジション保持能力が補填されている。時には受けにも回れることこそが、この構成の強み。スクリムで好成績を残した実績がある。

このパスファインダーニューキャッスルクリプト構成は、元より用いていたFENNELがBLEEDのクリプトOutバンガロールINへ変化していたために用いているチームはSBIのみ(恐らく)である。
確実にそれは有効に働いており、その部分で他の外中端チームより一歩有利を作ることができていた。
元よりそのファイトバリューには定評があり、何かが加われば大化けするチームの一角として注目してきたが……確実にRayghは、その何かをもたらした。チームマクロを補填し、メタゲームへ対応している。
コーチがいるという話は聞かないために……(いるのならば、申し訳ない)、彼が担った仕事、そしてその結果は非常に大きいだろう。
今大会におけるベストゲームマネジメントプレイヤーというならば、Raygh以外に名前をあげることはできないほどに。
当然mikeyやいぐりゅうも、その実力が確かであることを再び証明した。
彼らはもう、APACNをリードする側へ回りつつある。
残念ながら進出は叶わなかったが、是非に今後を期待したいチームだ。

そして、もう一つの正解を備えたMeteor

飛び込むことでポジションを作り、そこを刺していった2チームと異なり(他上位チームも、飛び込むシーンが多かった)Meteorは飛び込まずにポジションを作ったチームだ。
構成はBLEEDのバンガロールニューキャッスルカタリスト。この構成は大きく移動を修正することが難しい。そこへのサポートはあるが、そもそもに移動をもくろみカタリストを入れ込む構成ではない。あくまで最後の事故防止、詰み防止だ。
内側、中端にてポジションを作り、時に受け時に仕掛けることで終盤までゲームを運び、優れたニューキャッスルとカタリストのコンボで最終円を戦うことが重要な構成を使いこなした。

内側、中端で早期にポジションを作っている。
どの試合でも、この動きが決まった試合は安定かビッグゲームを掴んだのがMeteorだ。

この構成は安定択ではなく、非常に難しい……ピーキーな構成だ。REIGNITE、RedRams、REVERISEMAX、AREA310、そしてFENNELが選択したが、マッチポイントへ乗せることができたのは進出を決めたREIGNITE、Meteorのみだということがそれを証明しているように思える。現にプレイオフでも、そこまでフォロワーが広がることはなかった。

この構成を行う上で重要なのは、いかに終盤内側へポジションを作ることができ最終円ファイトに絡めるかの一点。飛び込みでそれを叶えたREIGNITEに対し、Meteorは初期にそれを作っていた。どちらかというと、本家であるBLEEDやGGに近い運用方法だ。
飛び込みだろうと初期だろうと、必要なポジションが作れていれば過程が違うだけだが、そのアプローチがロビーに影響されるかどうかという点で差は発生する。
このロビーに適していたのはRIGの飛び込みであった、発生した成績差はそこだ。

しかしに飛び込まずこれを用いたMeteorは恐らくこのロビーにおいて、一枚レベルが上であると証明したのかもしれない。
当然中が空いており、そこへのアプローチで試されるシーンが想定よりも低リスクだった部分もあるだろう。
想定よりも、だ。それを想定していたからこその動きであることに、疑いはない。
彼らには自信があったのだ。もっと厳しいロビーで、自分たちがそれを行えると。
正直に驚かされた。あまりにリスキーだし、チャレンジングだし、素晴らしいトライだ。
行っていること、その想定は世界プレイオフファイナル進出チームのそれと何ら変わりはない。
チャンピオンシップ進出に、相応しいチームだろう。

おわりに

何事も、思うようには進まないものだ。
プレイオフファイナルのようになると考えていたが、実情は大きく異なっていた。有利だと思っていたHAOはロビーに裏切られた。またしても。
決してその力が劣っていたわけではない。この2チーム、特にHAOの評価を私は下げるつもりはない。なんというか、本当に……報われてほしい。彼らの努力は、絶対に間違ってはいない。

プレイオフ直後、各チーム未だ完成をしたとは言えない状況であることに疑いはなく、荒い部分も目立ったLCQ。
そのベーススキルは確実にトップクラス。世界一難しいLCQだっただろう。このリージョンが。
個人的な感想としては、プレイヤー単独でのゲームマネジメントへの限界。その部分を補える天才的なプレイヤーがいるチームか、その部分を補えるコーチを備えたチームが成績を伸ばしていたのではないか。
ファイト修正やタスクなどもそうであるし、構成などロビーメタゲームへの想定、対応もそうだ。
この結果を受けて、評価をあげるプレイヤーは当然にその評価を受け取るべきだが、結果が残せなかったプレイヤーの評価を落とすことに対しては懐疑的だ。
コーチの仕事というものが、透明性を持ちスキルを適切に評価されるべきタイミングが来ているように感じる。

そしてついぞ、VKGのような振り切った中ムーブ。バンガロールを外し、ニューキャッスルワットソンクリプトで中にポジションを作るチームは現れなかった。
ifや想像でしかないが、通用したであろう動きなだけに……APACNは、一旦にこのジャンルが途切れることとなっている。
少し残念に、思ってしまう部分だ。

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