「バカ凸」って何なんだ Apex机上の卓論

全ては状況次第で結果次第

競技ファンの皆様ご機嫌。
リージョンファイナルスクリムが始まり、毎日夜更かしの日々。ブラッドハウンドのUPD後、どのような環境になるのかが楽しみで仕方がありません。
本日書きなぐっていくのは、聞いたこともあるでしょう。

「バカ凸してきやがった!」

というそれでございます。
そのようなリアクションを聞いたり、いざ仕掛けたりするところを見るのも一つの楽しみではありますが……さて、どのような状況でそれが使われているのか。
短い言葉ですが、それには様々な要因があり様々な状況があり、そして成功すれば全てが肯定される……?という深い言葉。
それでは、実際にその言葉が使われたシーンなどを用いながら書きなぐっていきましょう。
当然競技エアプのいうことであり、実情に際していない場合があることも十分ご承知の上で。そして不快感を覚える諸兄はお引き取りを。個人的に何故?という部分を振り返るための書きなぐりであります故、配慮に欠ける部分もあることでしょう。

重要なことは様々な狙い、状況があり基本的にファンサイドが競技者へ直接使うべき言葉ではないということ。
結果的にバカ凸だったなと考え思うことはあるでしょうが、シリアスな場面においては別の言い方を用いるべきでしょう。
マクロに問題を抱えている、というのはそういう時に便利だったりしますがそれも直接言うべきこととは思えませんね。

Week3 MATCH1 GAME4 SP FNATIC vs Area310

恐らく今回のプロリーグにおいて一番有名な「バカ凸」シーンといえばこちら。
家屋を確保していたFnaticに対し、Area310が仕掛けたファイト。世界のFNATICであるLykq様等が仰っているのならば、それはバカ凸なのだろうとした妄信の上でバカ凸について状況を振り返りながら考え書きなぐろうと存じます。
しかしそれは、移動に詰まった末であったり確認不足のジャンプであったりするわかりやすいものとは違う難しいバカ凸なのであった。

犯行当時の状況。

この状況下でArea310が仕掛けることが何故バカ凸なのか。
状況から考えられる理由としては何があり、そしてどういう状況ならばそれがナイストライとして肯定されたのか。

「それは”さいきょうのふなてぃっく”へしかけたからだよ!」

それも正解かもしれませんが、ちょっとトイザらスすぎますね。
屁理屈こねましょう。
Aria310の構成はブラッドハウンド、バンガロール、カタリスト。そして周囲を取り囲んでいたLucky7とKinotrope、Fnaticはヒューズ搭載。

これに対し建物で耐える選択をしたArea310ですが、カタリスト構成ではヒューズのプレッシャーからエリアを守れません。
激しい削りで物資は無くなり、仕掛けに行かざるを得ないという判断になりました。
詰み盤面をひっくり返そうとした勇敢なトライ?それとも。

ギッチギチ。

まず第一に挙げられるのは、第三円へ入っていないパイロンに膨大なチームが詰まっているということ。現段階20部隊が生存してはいますが、第三収縮が始まれば哀れなパイロンチームは大きく減ることでしょう。実際に20→14部隊と大きく数を減らすことになります。

第三収縮後。

仕掛けたArea310も、受けたFnaticも共に第三安置まで入っており移動の必要性はなかった。
そして現段階で削られはしようとも、ポジションファイトを仕掛けられる可能性は非常に低い。何故ならばFnaticの後ろにはMeteorがおり、あえて手放す理由がない。Meteorは虎視眈々とFnaticの位置を狙っているし、FnaticはMeteorをなんとかできれば、後方の安全が完全に確保できる抜群の位置なのです。
それはつまり、このファイトにArea310が勝ち切ったとしてMeteorを排除しなければ意味がないポジション、一人でもダウンしてしまえば即介入があったということを意味します。
仕掛ける方向としても、不適切だったのです。
行くならば後方でも戦闘が起きており安置際のXFACTORZ側。もしかすると、一人が後方カットのために離れていた状況で上手くやれば……?
その力はあったチームでしょう。

もう一つの変化として、RedRamsとXFACTORZのポジションの変化があります。

Area310が仕掛けたことで、数多くのチームが助かった。

Area310がFnaticへ仕掛けたことにより、XFACTORZがArea310のポジションへ入る。そしてLucky7に安置カットをされていたRedRamsがその空いたポジションへ飛び込むことでイージーに助かっています。本来であればLucky7、または入りながら繰り広げられていたREJECT vs SBIの方向へ仕掛けて道を作らなければいけなかったのがRedRamsであり、それにより更に部隊は減ったかもしれません。

将来起こるファイトのほぼ全てへ介入できた。
エリアに向けられる圧力も徐々に減少していき、動く余裕は多少生まれたはず。

Area310は、少なくともあと2分しゃがんでいるだけで順位ポイントを1点以上手にできました。移動を強いられていたRedRamsに対し……将来的に起こったであろう戦闘どれかにアクションを行うことで、何かを手にする可能性も。
例え物資的に厳しい状況だとしても、全てを諦めるにはあまりにも早い。Area310は決して詰み盤面などではなく、未来が希望に満ちていた
それを叫んだLykq様は、その状況が見えていたのでしょう。そしてそれをArea310が狙った上でそこで耐えているのだと。
それを全て手放し仕掛けたため、「バカ凸」となったのです。

無駄なファイトと必要なファイト、そしてそれに備えること

ハイリスクハイリターンの動きというのはチャンピオンファイトや、それに繋がるポジションファイトへ挑むということ。
それを見越してルートや必要な構成を考えることに繋がっていきます。
不利とわかっていながらも、カタリストでヒューズに対して屋内耐久を選ぶことが間違いなのではない。それが将来の展開を見越した上で致し方ないのなら、それも肯定される。
仮にあと2分耐え、そして起こったファイトに飛び込んでいったならば……。
Area310の能力をもってすれば、違う未来を掴めたでしょう。

MAP配信のある今、様々なエピソードを振り返ることはかなり容易。
チームの狙いや、特徴といったものが見えてくるMAPにはApex競技シーンの魅力が詰まっています。
せっかくそういうものを用意してくれているなら、その部分も余すことなく活用して楽しみたいですね。
ですがバカ凸だのなんだのというのは、選手に直接言うことではありません。それだけは、重々承知を。


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