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アンジュルムを好きになると友達が増えるし文化的に豊かになる

※当記事は 『もっとハロブロを読まれたい!ハロヲタブログ Advent Calendar 2022』 の5日目の記事です。

去る11月30日、アンジュルムの武道館公演を観てきました。この1年の集大成のような公演で、自分の経験でいえば2018年に「十人十色+」で初めて生でアンジュルムを観て以来、至上最高のコンサートでした。満足感がえぐい。

アンジュルムを好きになってよかったなあ……と心から感じたわけですが、よかったことはアンジュルムが素晴らしいことだけではなく、堂島さんもおっしゃっているように友達も増えたし、さらに文化的に豊かになったと感じるからです。音楽や小説などの芸術や思想・考え方に至るまで、アンジュルムに出会うまでとは比べ物にならないほど世界が広がりました。

武道館公演のMCで川名凜さんが「自分と世の中を成長させたい」(意訳)と言っていましたが、自分は明らかにアンジュルムに成長させてもらっている実感があります。アンジュルムには、メンバーそれぞれがアイドルという枠にとらわれず自分の興味や関心があることを発信する(そしてそれを積極的に肯定する)文化があります。それによってメンバー(元メンバーも含む)の文化をファンが享受でき、ファンが成長することで世の中も成長していけるのだと思います。
そこで今回は自分もその一助になるべく、アンジュルムに出会ってから新しく知った文化を紹介していこうと思います。これを読んだどなたかが新しい文化に触れ、人生の楽しみが増えることになればこれほど嬉しいことはありません。

注1
アンジュルム(ハロプロ)全体が接続している文化はとてつもない量です。いま思いつくものだけでも仏像、西洋絵画、書道、ファッション、怪獣、爬虫類、カエル、マグロ解体、昆虫食、きゅうり……網羅するのは不可能に近いので、今回はあくまで自分個人にFitしたものだけ紹介します。(全部集めるのは大変なのでうまくキュレーションしてくれるサービスがあればいいのに!)

注2
笠原桃奈さんが「ファンも含めてアンジュルム」と発言しているので、今回は友人になったアンジュルムファンの方から教わった文化も含んでいます。悪しからずご了承ください。

音楽全般

「作詞者」「作曲者」「編曲者」という概念

いきなりお前は何を言っているんだと思われそうですが、自分はアンジュルム(ハロプロ)に出会うまで作詞・作曲という概念を意識したことがありませんでした。子どものころから音楽自体は好きだったのですが、スピッツ、ゆず・BUMP OF CHICKEN、椎名林檎などアーティスト自身が作詞作曲をしていることが当たり前だと思っていたからです。「編曲」に至っては何をしている人なのかまったく分かっていませんでした。
ハロプロに出会って初めて「この曲の作曲者は誰かな?」「この作詞家さんの歌詞はとても良いな!」という楽しみ方を教えてもらいました。
特に自分は児玉雨子さんという作詞家の方の歌詞が大好きです。ちなみに児玉雨子さんは小説も書かれています。

ベースを買った

自分は子どものころから趣味でアコースティックギターを弾いているんですが、ハロプロに出会って新たにベースを買いました。
ハロプロのYOUTUBE番組「アプカミ」では音楽制作の裏側に焦点をあてていて、そのコンテンツの中に楽器REC動画というものがあります。プロのミュージシャンが試行錯誤しながらハロプロ楽曲の録音していく様子を無料で見せてくれるありがたいコーナーなのですが、「表面張力~surface tension~」という曲のベースREC(笹本安詞さん)がカッコよすぎてベースを買ってしまいました。ハロプロに出会わなければベースを買うことはなかったと思います。ちなみに、一向にうまくなりません!誰か教えて!

他の好きな動画としてハモンドオルガンRECも載せておきます。まったく知らない楽器だったのですがカッコよすぎます!

「大器晩成」のドラムレコーディングもしびれました。ドラムの音色ひとつでここまで試行錯誤するのか……と感動し、音楽の聴き方が変わりました。

さまざまなミュージシャンたち

音楽の趣味も広がりました。ひとつひとつ解説していくとキリがないので、出会ったきっかけとおすすめの曲のみ紹介していきます!

和田彩花とオムニバス

和田彩花さんはアンジュルム元メンバーなので厳密には「アンジュルムから広がった文化」とはいえないのですが、しかしアンジュルム時代とはまったく違った新しい音楽が素晴らしく魅力的で、どうしても紹介したかったので。和田さんの詩と豪華なバンドメンバーが奏でる世界を味わってみてください。

堂島孝平

2021年春に彗星のごとく現れたアンジュルムファン。そこから1年ちょっとでアンジュルムに楽曲提供するまでに至りました。「愛すべきべきHuman Life」をありがとう。KinKi Kidsをはじめ多くのアーティストに楽曲提供されているすばらしいアーティストですが、恥ずかしながらこれまで存じ上げませんでした。今では堂島さんの曲が大好きです!

眉村ちあき

堂島さんから知りました。「ゴッドタン」などでご存じの方も多いはず。信じられないくらい歌がうまい。堂島さんとのツーマンライブ最高でした。アンジュルムファンは一度彼女のライブを観て、感想を聞かせてほしい。堂島孝平さんとのデュエット曲「てんてん」もぜひ聞いてください!

大森靖子

ハロプロにも楽曲提供されている超歌手。正直、大森靖子さんの音楽に出会えたことは自分にとってとてつもない財産になっている。ここで多くは語りませんが、たくさんの人の助けになる音楽を作っている方です。ここ最近エンドレスで聴いている「死神」をご紹介します。

METAMUSE(ZOC)

大森靖子さんプロデュースのアイドル。元アンジュルム・巫まろが所属。2022年にZOCからMETAMUSEに改名した。アンジュルムと陰陽を成す大きな存在。「CUTTING EDGE」は自分の2021年ベストソングです。

Magic, Drums & Love

メンバーの数人がハロオタ。MOMONAというタイトルの曲があり、アンジュルム笠原桃奈さんに由来していることから知りました。曲によってボーカルをとる人が変わり、いろんな音楽が楽しめるバンドです。

いとうせいこう is the poet

六本木蔦屋書店が企画した、和田彩花×いとうせいこう 「音楽、そして言葉で表現するということ」 『私の未来は私が決める!vol.1~和田彩花リモートトーク企画~』という対談がすばらしく、そこから聞くようになった。
dub(ダブ)という音楽ジャンルをまったく知りませんでしたが、ポエトリーリーディングと相まって最高にカッコいい。

小沢健二

もともと「Life」は大好きなアルバムだし「痛快ウキウキ通り」のCDを買ったりしていたけど(当時小学生)、今も素晴らしい音楽を作っていると知った。知り合ったアンジュオタの方が熱烈な小沢健二ファンで、そこからまた聴き始めました。「彗星」のみずみずしさに驚きました。

アンジュルムとの直接の関わりは無い……と思っていたら!

METAFIVE

友人のアンジュオタから。例の事件(詳しくは書きません)きっかけで知る。2021年フジロックの緊急事態宣言中METAFIVEがカッコよすぎた。映像と音楽の融合が楽しめます。ライブ映像をどうぞ!

吉澤嘉代子

元アンジュルム、ミュージカル女優の田村芽実さんに楽曲提供していたことから聴き始めた。とにかく声と曲の世界観が好き。「サービスエリア」のしっとりとしたセクシーさがとてもかっこいい。

あらかじめ決められた恋人たちへ

ハロオタである劔樹人さんが参加しているバンド。こんなにかっこよく鍵盤ハーモニカを吹くのは椎名林檎か池永正二さんだけでしょう。小学生の頃に知っていればもっと真剣に鍵盤ハーモニカ練習したのに!

赤い公園

モーニング娘。「泡沫サタデーナイト!」をはじめ素晴らしい楽曲を数多く提供してくれている津野米咲さんが所属するガールズバンド。情けないことですが、津野さんがお亡くなりになって初めて知りました。本当にアンテナが低い。遅すぎた。

フィロソフィーのダンス

テレビ番組でモーニング娘。と共演しているのをきっかけに知った。ファンクやシティーポップの楽曲がとにかく好み。最近、十束おとはさんが卒業され、新メンバーが入りました。特に好きな曲は「シスター」「ヒューリスティックシティ」「テレフォニズム」

IVE

ハロプロメンバーはKpopを好きな方が多く、そこから知るように。まだ全然勉強中ですが、IVEはメンバーの顔と名前が一致するようになりました。友人アンジュオタにも好きな人が多い。

読書 #アンジュルムヲタク図書館

Twitterで #アンジュルムヲタク図書館 と検索してみてください。
有志のアンジュルムファンたちがおすすめの本を紹介しているハッシュタグで、元アンジュルムメンバー笠原桃奈さんのブログに触発されてスタートしたものです。

そしてれいらにも本を借りたので早く読みます!なんかアンジュ図書館ってかんじ笑笑
2021-08-31 笠原桃奈ブログより

メンバーからの表現をファンが受け取ってそれを「Yes and」して発展させていく。こんなに素敵なことがあるでしょうか。このハッシュタグを追っていくだけで今まで出会えなかった本に巡り合うことができます。ここでは #アンジュルムヲタク図書館 から自分が読んだ本を紹介したいと思います。

「信仰」村田沙耶香

村田沙耶香さんは「コンビニ人間」しか読んでいなかったのですが、「信仰」は改めてしびれました。ともすれば喜劇にも読めてしまうような内容に恐ろしいほどの現実を詰め込んであります。必読。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ

有名な本なので読んだことがある方が多いかもしれませんが、これは本当によかった。イギリスを舞台に人種や格差、他者との違いや共存について考えられる本……なのですが、そもそもお話が面白すぎてグイグイ読めます。小難しいこと抜きにして、エンタメとして読んでもOK!

「はじめてのジェンダー論」加藤秀一

後述しますが、自分がアンジュルムに出会って知った大きな要素が「ジェンダー論」です。この本はとてもわかりやすく、それでいて丁寧ににジェンダーについて教えてくれます。表紙は学術書っぽいですが読みやすいので「ジェンダーってよく聞くけどなんだかわからん」という方にオススメ。

芸術

Chim↑Pom from Smappa!Group(チンポム)

六本木蔦屋書店主催のイベント『和田彩花×Chim↑Pomエリイ「私たちにアートが必要ないくつかの理由」』にて初めて知る。お二人の対談が面白すぎてChim↑Pomについて調べ始め、森美術館でのChim↑Pom展:ハッピースプリングがあまりに面白くて2回行ってしまいました。自分はずっと演劇に携わっていたものの、現代芸術についてきちんと勉強をしたことがありませんでした。展示をみても理解しきれていない部分が多いと思うのですが、それでも本当に素晴らしかった。


Chim↑Pom卯城竜太さんと松田修さんの著書「公の時代」も読みました。正直言って一割も分かりませんでしたが、それでもうんうん頷けるところがあって泣きそうになりながらページを進めました。何度も読み返し、勉強して少しずつ理解していきたいと思っています。

社会全般

ジェンダー論とフェミニズム

読書項目の「はじめてのジェンダー論」でも触れましたが、アンジュルム(とりわけ和田彩花さん)に出会ってよかったと思える大きなポイントはジェンダーやフェミニズムついて考える機会を与えてもらったことです。アイドルは明るく楽しく舞台の上で輝いてくれる存在ですが、アンジュルム卒業後の和田さんは「全部が良い思い出とはいえない」と表現されることもファンにシェアしてくれています。自分が読んだ本、得た知見を紹介しながら「いっしょに考えましょう。あなたの考えを教えて」とファンと対等に接してくれることが本当に嬉しい。

すこし自分の話を書きます。自分は小劇場演劇で脚本を書いたことがあります。20代に書いた脚本で、ラストに「亡くなった結婚相手のこどもを身ごもっていることに気づいた」というシーンを作りました。自分としてはそれを「希望のラストシーン」として描きました。
その公演のアンケートの1枚に「私はこのお話を書いた人のことが嫌いです」と書かれていました。その時はその言葉の意味がわかりませんでした。いま思えば本当に情けなくて、自分にとって苦い思い出です。

自分の例はあまりに未熟すぎて例になっていないかもしれませんが、ジェンダー論にもフェミニズムにも今まで積み重ねてきた歴史と地層があり、いま起こっていることの表層だけをみても意味がないことを学びました。これからもずっと勉強していきたいと思っています。
最後に、いくつかおすすめの書籍を列挙しておきます。

結局はLOVEでしょ!

ということで長くなりましたが、アンジュルムを知らなければ出会っていなかっただろう色々を紹介してきました。
何かひとつでも心に響くものがあったら嬉しいですし、アンジュルム(ハロプロ)から広がる世界の広大さを少しでも表現できていたらいいなと思います。

最後に、アンジュルムに教えてもらったことの最も大きなことは「結局はLOVEでしょ!」ということです。違いがあっても間違いがあっても、愛を持って乗り越えていくしかない、ということを実践しているアンジュルムを心から尊敬しています。
和田彩花さんご卒業の言葉をもって、閉めさせていただきます。
お読みいただきありがとうございました!

アンジュルムにいて私は「みんな違っていいんだ」っていうことに気づかされて、当たり前のことなんだけどそういったこと忘れがちだったなと思って、それを気づかせてくれたみんなに本当に感謝だなと思います。
だけどもアンジュルムだから、時にはひとつのものに向かってみんなで一生懸命前に進んでいこうってひとつにならなきゃいけないこともあって、その時には愛をもって、みんなでその違いだったりを乗り越えていけばどうにかなるってことをすごく学びました


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