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目立ちたくない

13歳ぐらいから「目立ちたくない」という気持ちが強くなっていった。

僕は「目立ちたくないから」ギターを買ったし、「目立ちくないから」音楽を作り始めた。おかしいだろうか。

自分の内在的なエネルギーを発する場所があれば、外向的な要素を最小限に抑えられるのではないかと思ったのだ。

結果、ステージに立ったり歌ったりあちこちに出ている。場合によってはテレビやラジオにまで出る。 それは有り難いことだけど、僕の「目立ちたくない」はあまりむかしから変わっていない。

新品の服を着たり、切りたての髪で学校に行くのもニガテだった。目立つそれらを纏ったとき、僕はわざと汚したり乱したりしていた。「いつもと一緒」が良かったのだ。

中学時代、変に目立つとサッカー部からいちゃもんをつけられがちになる。しかしあいつらはバーベキューをやりすぎてコゲた肉を食いすぎ、ガンで死ぬ。Facebookにローンで買ったBMWの写真をアップし続けて、死ぬ。

彼らのことがとにかう面倒だったし、恐ろしくもあった。

先日、あるミュージシャンのひとと食事をしていた。付き合いは長いが、なんだかんだ言って初めてちゃんと話すひとだった。

「キャラが立ってなくても、カリスマ性が無くても走れる音楽が好き」と言っていた。 改めて目からウロコがボロボロとれる発言だった。

現在ライブシーンを席巻しているような人気バンドのセンターは、みんなキャラが強くてカリスマ性の塊のような怪物ばかりだ。

「ライブの時代」だし「フェスの時代」だし「サーキットの時代」だし「ソーシャルメディアの時代」だから当然なのだろう。

古来から「スター」とはそういうものなのかもしれない。YAZAWAだってそうだ。 これらを分かりやすく言うなら「コピーバンドをやったらむちゃくちゃサブくなってしまうような音楽」だ。「この人が歌うから意味がある」というものだ。

「作品の本質」と「人格」を切り離せている音楽というものが陽の目を浴びたらなぁという話をしてくれた。
編集者のひとも言っていた。「小説」という芸術は現状のライブ音楽よりは、「作品の本質」と「人格」を切り離せていると言える。

僕は「人格とリンクさせてこそ」という歌も「切り離しても」という歌も、書いてきた。目立ちたくはないけど褒められるのは好きだからだ。

「自らの人格」がいない作品を奏でる方が居心地がいいのは事実だけど、褒められたかったのだ。

「目立ちたくない」と「褒められたい」を同時に抱えているのは一見矛盾している。だけど人間そんなものだろう。

好きなことは好きだし、その好きなことで褒められると嬉しい。それは笑われたくないものである。


僕は「目立ちたくないから」ギターを買ったし、「目立ちくないから」音楽を作り始めた。おかしいだろうか。

自分の内在的なエネルギーを発する場所があれば、外向的な要素を最小限に抑えられるのではないかと思ったのだ。

結果、ステージに立ったり歌ったりあちこちに出ている。場合によってはテレビやラジオにまで出る。 それは有り難いことだけど、僕の「目立ちたくない」はあまりむかしから変わっていない。

新品の服を着たり、切りたての髪で学校に行くのもニガテだった。目立つそれらを纏ったとき、僕はわざと汚したり乱したりしていた。「いつもと一緒」が良かったのだ。

中学時代、変に目立つとサッカー部からいちゃもんをつけられがちになる。しかしあいつらはバーベキューをやりすぎてコゲた肉を食いすぎ、ガンで死ぬ。Facebookにローンで買ったBMWの写真をアップし続けて、死ぬ。

彼らのことがとにかう面倒だったし、恐ろしくもあった。

先日、あるミュージシャンのひとと食事をしていた。付き合いは長いが、なんだかんだ言って初めてちゃんと話すひとだった。

「キャラが立ってなくても、カリスマ性が無くても走れる音楽が好き」と言っていた。 改めて目からウロコがボロボロとれる発言だった。

現在ライブシーンを席巻しているような人気バンドのセンターは、みんなキャラが強くてカリスマ性の塊のような怪物ばかりだ。

「ライブの時代」だし「フェスの時代」だし「サーキットの時代」だし「ソーシャルメディアの時代」だから当然なのだろう。

古来から「スター」とはそういうものなのかもしれない。YAZAWAだってそうだ。 これらを分かりやすく言うなら「コピーバンドをやったらむちゃくちゃサブくなってしまうような音楽」だ。「この人が歌うから意味がある」というものだ。

「作品の本質」と「人格」を切り離せている音楽というものが陽の目を浴びたらなぁという話をしてくれた。
編集者のひとも言っていた。「小説」という芸術は現状のライブ音楽よりは、「作品の本質」と「人格」を切り離せていると言える。

僕は「人格とリンクさせてこそ」という歌も「切り離しても」という歌も、書いてきた。目立ちたくはないけど褒められるのは好きだからだ。

「自らの人格」がいない作品を奏でる方が居心地がいいのは事実だけど、褒められたかったのだ。

「目立ちたくない」と「褒められたい」を同時に抱えているのは一見矛盾している。だけど人間そんなものだろう。

好きなことは好きだし、その好きなことで褒められると嬉しい。それは笑われたくないものである。


音楽を作って歌っています!文章も毎日書きます! サポートしてくれたら嬉しいです! がんばって生きます!