地球防衛軍6 感想部
今更ながらDLC抜きで地球を防衛したので日記。
「いや地球を防衛するだけのパワー系ゲームに日記とかいるの?」と思ったのだが、なぜか今回は書いてしまった。既プレイじゃないとあんまり伝わらないかも。
何が英雄だよ
別ゲーでの印象も含んだ話だが、『英雄』と呼ばれることがあまり好きではない。たった一人の行動で救えたり救えなかったりするほど危うい世界などというものは全く正しいとは思わないし、滅んでも当然の帰結なのだと思っている。
今回は悍ましいとすら言える「英雄」をぶつけられ、正直かなり気が滅入った。
英雄ががむしゃらに世界を支えている時、英雄を肯定し、祭り上げている人たちはただそこに咲いているだけの花と変わりないのかよ。誰か一人でも英雄を肩代わりしようとしろよ。
……だが、まあ、咲く花の価値を証明するために戦えてしまう者もいる。
振り返って、地球防衛軍5-6とは『守る』というありふれた行為によって起きた、英雄同士の壮大で矮小で虚しい呪い合いだった。
呪いは廻る
最終ミッションを終えて仲間から祝われた瞬間、地球を救ったはずなのに心の底から虚しい気持ちになった。『戦いという行為の虚しさ』という使い古されたチープなはずの説教がなぜか人生で初めて身に染みていき、信じがたいほど空虚な「未来」という単語が無線越しに耳に入り込んでくる。
「地球人を歴史ごと殺す、地球人に殺されたくないから」
「プライマーを歴史ごと殺す、プライマーに殺されたくないから」
……たったこれだけ?
合計で数百ミッションもの戦いの果てにある真相が"これ"?
――これだけなのだ。プライマーは滅びた地球の過去に興味を持ったが故に地球人類の持つ悪性の坩堝に陥って抜け出せなくなった旅人で。未来の隣人かも知れなかった人で。ほんの行き違いで、蝶の羽ばたきから生まれた嵐で潰えた命で――。
理由もなく口の中が苦味で満ちる。訳もないのに太陽に目を向けられない。人類は何も悪くないはずなのに、「未来」という言葉が酷く軽く思考を通り過ぎて。あの温泉郷で見た戦い疲れたカエル兵が自分の網膜に勝手に投射されていく。
見上げた空の、粒のような火星は、もう既に未来を喪っていた。
プロフェッサー、人の悪性という名の相棒
プロフェッサー。もう一人の英雄であり、「なぜ人類は未来に滅ぶことが確定しているのか」という謎の答えそのもの。家族が恋しい。敵が憎い。ただそれだけの基準で人類はプライマーと同じ秤の上に並び立ち、最後の時まで敵を殺す。これが人間。これが知的生命体。
しかし、彼を糾弾する言葉が見つからない。
何十年も同じ地獄に身を置いて、家族を殺され続けた人間にかける言葉なんて地球を探してもどこにも無いのかもしれない。「妻への愛情だけが私を苦しめ続けている」という言葉を聞いてしまったから。同じ橋を何度も何度も一緒に渡ったから。
ああ。うん。最後の時まで共に戦おう。
全ての感情をないまぜにした気持ちが彼に向けられていく。
軍曹、あるいは真にEDFであるもの
軍曹は何も知らない。知らないけれど、どんな環境でも、やるべきことだけは魂で理解している。そんないつも同じ軍曹はEDF8に入る頃には自分にとっての「守るべき日常」になっていたような気がする。自分はこいつみたいなアホを護りたいから地球を守っているような気さえする。
どんな時でもやることが変わらない人。自分は昔からそういった人物が好きで、いつの世界にもある顔のない善性に小さな光を見出して生きていた。
先輩、あの日に願いが叶うのなら
君も好きにやれ。と言われて"あの日"に放り出された瞬間。先輩の姿を見て『自分の為すべきこと』を心で理解した瞬間、大量に降り注ぐテレポーションアンカーを見て「あっ、いけるな」と思った瞬間。このゲームの真骨頂を感じた。ずるい。
プレイヤーが傍若無人な振る舞いをすることがゲームのストーリーに直に合致する展開、そうだよそれがやりたかったんだよという気持ちにさせてくれて本当に嬉しい。
このゲームがどちらも「自分がなぜ負けているのか分からないまま」時間の流れの上で手探りで殺し合いを続け、最後には非常に矮小な個人間の憎悪に収束されていく構造は見事で、オペレーション・オメガの選択をただ聞き届けるしかできないことに心の中で意味が生まれる最終局面の展開は圧巻のSF大作だった。
宇宙を見上げながら宇宙の隣人と呪い合う。
命が出会う。殺し合う。
天の光は全て星なら、天の闇は全て暗黒の森林だとでも言うかのように。
近年SFで脚光を浴びたあの絶望の理論がこの物語にも根ざしているのはきっと偶然ではない。
地球を守るってこんなに重いんだ。
カスのミッション、カッション
プレイしてて炊いたミッションハイライト。
◆最後の抗戦
ここで初めて折れて難易度をノーマルに変えた。EDFおじいさんにはジェネレーターという装備の厳選箇所が一箇所増えた最近のウィングダイバーと付き合い続けるのは無理だった。減衰しまくる中距離武器群で鎧エイリアン抜けなかったんだって。
◆降下戦機
いやすみません初見ハード無理です。ここらでウィングダイバーの限界を悟ってレンジャーに変えた。
◆二番坑道
長いて。最後らへんで死にまくって萎えて難易度を下げた。卑しい。
◆怪鳥撃滅計画
回避できない炎吐くんじゃねーーーー!!!!!!
地味に一番リテイクがかさんだミッション。最後にはリバーサー持ってヒール受けに走った。シューティングとは。
◆誘われる魚影
すきゅーらいつも武器箱ありがとう。でも味方を霧で秒殺するのはやめてほしい。
◆装甲山脈
ムキー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
◆風神の宴
クラーケンはゴミ!!!!!!!!!!!!!!!
◆三番坑道
すみません洞窟内で爆弾こっちに飛んでくる事故は防げないっす。
ネイカーはゴミ!!!!!!!!!!!!!!!!
◆無謀の賭け
……やっぱり昔ながらのスナイパーで地味に削っている瞬間が防衛軍やってるって感じするよね!
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