「JavaScript」より難しい「建築基準法」

違反じゃないけど是正命令!

 令和元年、建築基準法にある法文が加わった。簡単に言えば、建築基準法違反じゃないけど、行政(正確には「特定行政庁」)が<除却命令>や<使用禁止命令>ができる法律だ。
 一般的に、違法じゃないけど危ない建築物には<助言><指導>(=お願い)」するのが行政の限界とされてきた。ここから更に加速して、国民の不利益処分にまで踏み込んでいるからすごい。でももっとすごいのは、その先だ。

シカトOKの是正命令

 この条文は、行政に「是正命令してもいいよ」といっているだけで、命令される側に、「それに従え!」とはなっていない。つまり「俺、別に法律違反してないしー」とシカトできる。その場合の行政代執行も認めれていない。(法律違反の場合はできる)

建築基準法という名のプログラム

 本来行政は、法律違反を見つけてそれに対して取り締まる。改正するときは、ふつう違反となる項目を増やすものだ。そうせずに「違反じゃなくても取り締まれる」法文を追加し「その基準は、君たち(特定行政庁)で考えて!」となっている。相当信用されているようだ。
 この仕組を無理くりJava Scriptに置き換えてみた。これも練習だ。
・オブジェクト=建築基準法 
・メソッド=是正命令
・パラメータ=違法じゃなけど危ない建築物の所有者等
・プロパティ=命令だけど無視できるよ
 このプログラムを理解して走らせるのは至難の技だ。あえて走らせないという選択肢もあるだろう。しかし何か災害があった場合には「行政の不作為」を問われることもある。命令だけして放置するわけにもいかない。
 「法律という武器は用意した。さあ君たち、どう戦う?」とお殿様から試されているようだ。しょうがない。これが公務員の仕事だ。
 Java Scriptのほうが、よっぽど扱いやすい。


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