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M&Aクラウド及川氏が語るM&A業界の課題とM&Aクラウドが発明した独自のマーケティングとは

M&Aクラウドが目指す時価総額10兆円までのロードマップや、M&A業界の課題とM&Aクラウドが発明した独自のマーケティングをお話しいただきました。

起業家や新規事業を考えている方、プロダクトを模索している方にお勧めのコンテンツです。

Podcastの書き起こし&再編集を行ったコンテンツです


元音源はこちら(約21分)


時価総額1兆円クラスの企業の共通項

Q:時価総額10兆円を目指そうというプレスリリースを拝見したんですが、具体的なロードマップはあったりしますか?また、M&A業界の課題などお話伺えますでしょうか?

創業当時から時価総額10兆円を目指すというのは社内で公言していました。いま社員が70人くらいになって、きちんとドキュメントにしないと伝わりにくくなってきたので、最近10兆円ロードマップみたいなものを作って社員に説明しはじめました。

時価総額10兆円ロードマップをベースに経営の意思決定を始めたりしています。

すべては話せませんが、1つお話できるキーワードは「成長率」です。

成長率といっても観点はいくつもあります。例えば高い成長率・低い成長率で、BtoCビジネスで売上高が2倍になりましたっていうのは高い成長率で、低い成長率が年間成長率が10%とか3%っていうのがあったり。

早い成長率・遅い成長率もあります。

メディアはめちゃくちゃ早いですよね。アフィリエイトサイトなどすぐに成長できる。一方で、マーケットプレイスは遅い。

次に、長い成長率・短い成長率。

この成長率というのは長く続くものなのか、短く続くものなのか。

こういう風に成長率って言っても何パターンかありますよね。

時価総額10兆円企業とか日本でいうとそれに近いポテンシャルを秘めている企業を我々の中でピックアップしました。

財務的な部分を抽出していくと、一つは売上高成長率が2ケタ%以上、10年以上続けている企業っていうのが時価総額1兆円企業クラスになっていることがほとんどだったんです。

平均35%くらいを20年ぐらいやっているところもあります。

長い成長率を見据えるために新規事業も仕込みつつ、伸び続けるような、長い成長率をそもそも有しているような事業を基本的にやるときめることができます。

あとはモート。基本的には独占するということです。

その事業を始めたDay1からどういう競争に将来なり、どんなプレーヤーが入ってきて、何をがんばったところが勝つのか、大体長期の予測可能なので、それを予測した上で事業を作ることをやっています。

僕たちは、成長戦略の話と競争戦略の話を整理しながら議論しています。どのようなアセットを築けば、モートになり新規参入が減るのか、参入されてもてるのかを考えています。

成長戦略と競争戦略を両方セットで議論し、両方満たす戦略っていうのが良い戦略だと僕は思っています。社内ではこのフレームワーク作っており、全てが埋まっているようであれば基本通すようなフローにもなっています。

Q:エムスリーという会社がありますが、顧客の獲得コストが高い(多くは人件費と交際費など)MRの領域を、オンラインで完結させることで市場をひっくり返していったと思います。さらには、製薬会社と連携し新しい製品開発をしたりサービス開発をするという、両サイドに寄り添った新しいビジネスを作っています。同じ考えて、M&AクラウドもM&Aマッチングだけでなく、事業会社と事業開発や新規事業を作り、事業売却までセットにして提供するみたいな可能性をすごく秘めているなと思いました。

そうだと思います。リクルートだって、HRプラットフォームを展開しながら、決済をやったり、SaaSをやったりしています。

顧客との接点を持ちプラットフォームを持っているようなところは、様々な領域で縦に展開していってます。ピーターティールもゼトトゥワンで言ってますが、縦に独占しろとっていってるじゃないですか。

僕たちは、プラットフォームもやるし、アドバイザーやエージェントみたいなのもやるし、SaaSもやる、と。そういうのが重要だと思っています。

M&A業界は人材の流動が激しくなり、営業利益は下がっていく

あとは業界の見通しですよね。業界の見通しでいうとすごい面白いことが起きてます。

いまは既存のM&A仲介っていうものが採用市場においてレッドオーシャン化してきています。

上場しているM&A仲介のストライクのアドバイザー数の昨対比ってどれくらいだと思います?

Q:増えてないのかなという印象ですが、昨対10%とかですか?

5人しか増えてないんですよ。大手3社の決算を見れば分かるんですが、成約数は7~8年くらい、年間1人あたり1.2件っていうのが大手3社どこも変わってません。また、成約数を分解していくと、いくつかの要素はありますが基本的に採用が重要になってきます。

採用が重要になる中で、ストライクは5名増、業界2位のM&Aキャピタルパートナーズはマイナス1名。

これは、M&A仲介の即戦力の人材を採用することが難しくなってきているということだと思っています。今後は経営コンサルティングやITエンジニアと同じで、独立して個人でやっていく人たちが増えるかなと考えています。

M&A業界は、いわゆる”人ビジネス”にも関わらず、獲得コストが1,100万、営業利益率50%という状況で人材の流出がなかったんです。

コンサルやITエンジニアの独立を止めようと企業は人件費をあげて引き留めをしています。結果的に人件費(=固定費)の上昇で営利が下がってしまう状況になっています。

M&A業界はこれまで独立をしてこなかったのですが、徐々に人材の流出がされることで産業が大きく変わりつつあるような気はしています。

テクノロジーの力でM&Aに流通革命を

僕たちはM&A業界の通例と異なる採用をしているため、この状況をチャンスだと思っています。

M&Aクラウドでは、M&Aマッチングプラットフォームがあり、職種としてプラットフォームアドバイザーやファイナンシャルサポートというものがあります。

自社のプラットフォームがあることで、いままでM&Aに関われなかった職種や経験の人たちでもM&Aに関わっていけるような仕組みにしています。

たとえばM&A未経験の人材系の人が社内にはいます。そういう人たちが半年でM&A2件とか決めているんです。もちろん小粒だったりしますが、それでもほぼ未経験の人でもプラットフォームを使えば半年で2件とか決めることができる。

M&A仲介の即戦力の人たちは専門スキルが必要になるため劇的に労働人口が増えないという課題があります。

一方で、人材系のキャリアの方たちができるようになってくると、2万7千社ほどの人材の事業所があり、平均在籍数が14人ぐらいといわれています。

全国に33万人ほどの人材系のキャリアをもった方たちがおり、そのうち1%でも採用できれば3,300人、年間4件決めると、会社として年間12,000件+というポテンシャルになります。

プラットフォームを活用し、案件を動かせるようになると「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」というミッションに近づいていきます。

Q:最後、及川さんから一言いいですか?

僕たちややっていたことになりますが、やはり1個のところを攻めて、どの経営数値を最大にするのかを決めると良いと思います。うちでいうと時価総額10兆円という数値。何を最大化する会社なのかによって、全然会社の作り方が変わってくると思います。そこは起業家しか決められません。

それが決まらないと、何の事業を作るのかということも、結構変わってくるでしょうし、従業員との向き合い方も変わってきます。そのへんはすごく重要なポイントで、1社目のマクロパスのときはそれで失敗しました。

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