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「ドン・カルロス」11/18観劇🤴🏻

「ドン・カルロス」2日目。

お芝居を見て、あぁだったこうだったと考えるのって面白い。楽しい。ついつい正確な答えを知りたくなってしまうのだけれど、解答集というものは無くて、自分が感じて考えたものをきっと大切にすべきなのだと思う。”考えたこと”をこうやってインターネットの海に放り投げていいのかと思ったりするけど、この「分断」の時代にせっかく他者と関わるツールが在るのだから、発信することも大切なのかなと思う。

初日と感覚が全然違った!役者さんたちのセリフ回しや間の取り方、役者さん同士の駆け引き?みたいなもの、息遣いが少しずつ異なっていた。小さな気づきにたくさん出会えた。

今日は箇条書きで残しておきます。


・親ガチャ
最近、夕方のワイドショーで話題に上がっていたのを見た。SNSでもトレンドに上がっていた言葉。「親は自分では選べない」「ガチャガチャを回せるのは1回限り」というような意味かな。

カルロスは今で言う「親ガチャ」に失敗したと思っている。「何千何万と世界に〈親子〉がある中で、どうして僕の父親はあいつなんだ」(『ドン・カルロス』台本10頁より引用)なぜスペインの王の元に生まれたのか、父親が父親であるのか、あいつと「父と息子」の関係にならなきゃいけないのか。父親が父親でなければ、愛するエリザベートと不自由なく一緒になることができた。

カルロスは最初の方で「僕とあいつに似たところなんて一つもない!」(台本10頁より引用)と言っている。でも、作品を通して気づくのは”カルロスと父親は似ている”ということ。

1場でカルロスは父親に対し「かわいそうな、父上!」(台本4頁より引用)と言うが、5場でカルロスはエリザベートから「かわいそうなカルロス」(台本23頁より引用)と言われる。父も息子も「かわいそう」と形容されている。一国の王として椅子に座らなければならない運命を背負い、孤独に苛まれる姿は二人共に重なる。

親ガチャには逆らえないけれど、分かり合えないながらも確実に親子の関係性は築かれているわけであって…。与えられた運命の下で生きているわけで。「カルロスくん、君はお父さんに似てるよ」とか思いながら観ていた!

「父と子」というテーマには、深作監督ご自身の思いが強く込められているのだと感じます。下のインタビューでも親ガチャの話が出てました。

・子どもと大人
大人って何だろう???

拓実くんはいつか、大人になりたくないと言っていた。まだ子どもでいたいと。それから、拓実くんにとっての「自由」は子どもの頃であったと。

エリザベートに正直に愛を伝えるシーン(5場)で、カルロスはエリザベートから「大人の〈男〉になる事はできませんか」(台本23頁より引用)と言われる。本音と建前が理解できる、責務を全うすることができる「大人」になることを求められる。当時のカルロスにとっては困難な要求かもしれないが、この物語を通してカルロスは自発的に子どもから大人へ、「人間らしい」大人へと変わっていくのだ。

裏切り・諦め・愛・失望・友情…これらすべてを経て、最後にカルロスは「〈圧政〉に苦しむ、世界じゅうの子どもたちを解放するんだ」(台本125頁より引用)と叫ぶ。「子どもたちを解放する」。「子ども」を救い守る存在である「大人」になったんだと私は気づいた。愛によってカルロスは「大人」になった。

反対に、興味深いのが父親フェリペ2世である。42場で宗教裁判長から「お前は王だ、子供ではない」(台本121頁より引用)と諭される。つまり、フェリペ2世は「子ども」のような言動であったということ。「大人」の言動ではなかったということ。当然、「大人」だと思っていた人が実は「子ども」のようだった。

うーん、、、子どもから大人へ。大人だけど子どもへ。難しい。
私は「大人」になれているのだろうか。


・初恋
フェリペ2世がロドリーゴに対して抱く感情。あれは「友情」でもなく「親子愛」でもなく、「恋」だったのか…?フェリペ2世が「恋」だと感じているなら確かに「恋」なんだけど、”愛したい” ”愛されたい”という感情が歪んで「恋」に結びついたと私は思ってしまった。カルロスの父親フェリペ2世は、1人でいいから相手を愛し愛されたかった。愛に飢えていた。[カルロスも「僕は愛されている!」と連呼してしまうくらいに会いに飢えているけれど…(10場)]

「初恋」というワードによって、私たちは冷酷なフェリペ2世に寄り添うことができると思う。

・「VATER」(=父親)の呪い
先王の肖像には「VATER」という文字が書かれている。この言葉は、フェリペ2世とカルロスそれぞれに張り付き、呪いのように付き纏っている。先王の亡霊エピソードは、シェイクスピアの「ハムレット」を想起させた。

・エリザベートのスマホ!
いきなりスマホを持ってきて、必死に操作していたエリザベート。赤ちゃんクララのベビー用品をネットで買っていたりして(笑)抱っこひもとか、くまちゃんフードとか(笑)

・エーボリ公女に抱きかかえられるカルロス
されるがままの、たくみん。かわいい。かわいい。

・〈歓喜の歌〉「自由こそ―」
全員で前を向き、声を揃えて叫ぶ36場。ロドリーゴがカルロスを見つめる目が優しすぎて、溶けちゃった。拓実くんを見守る小田さん。カルロスに夢を託すロドリーゴ。おだきた―――!好き―――!が溢れた、涙。

・ハンバーガー
最後の晩餐。今日もパクパクモグモグかわいかった☺️ジュースをゴクゴク飲んでたから、すごく喉が渇いていたんだな〜と思う。あの台詞量だもん…!!!

・たくみん
かっこいいかわいい美しい好き!(語彙力)
父親に向かって剣を引き抜く瞬間、時が止まった…全私が惚れた。エリザベートが書いたLOVE PEACE の文字の前に佇む後ろ姿に、決意が見えた。今日も体育座りが美しかった。神聖だった。

・小田さん
かっこいい優しい好き!(語彙力)
「火の顔」と同じようなサウンドを持つ楽曲「Love &Peace」が流れた後、上手側の椅子に座って客席を睨んでいた。その時、髪を両手でかきあげていて…かっこよすぎて惚れ惚れした。息止まった。

・音響 西川さん
ギターをかき鳴らすとき、少し高い台に上がってくださるのだけど、それがかっこよくてかっこよくて……西川さんも演者のお一人なんだなって思った。


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ん~全然書ききれないし、上手く言葉にできない。もう少し時間が必要。

でも、今日の言葉は今日のうちに残しておきたい。

とにかく、「前進せよ!」ということだよね。PLUS ULTRA


母と一緒にハンバーガーを食べて帰りました〜

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新宿のマックってどこにあるんだろう?辿り着けなかった笑笑

今日も楽しかったです!お芝居を観るの楽しい!
たくさん勉強させてもらいました。ありがとう。

明日からも元気に、拓実くんが舞台を楽しめますように。カルロスを生ききれますように。


たくみん、ふぁいと!

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