粋 No.2472
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スーパーに買い物に行った時のこと。
小雨が降る中、駐車場で2人の幼児を連れた若い母親が、
買い物袋をカートから車に移し替えていました。
一人を車に残し、もう一人を腕に抱き傘を差してカートを返しに行こうとしていました。
その時です。作業服を着た男性が寄っていき、素っ気なく
「あっ、それ今から俺が使う。貸して」
と言ってカートをそそくさと持っていきました。
そして男性は、それを自分で使うのではなく、カート置き場に戻して店に入っていきました。
格好いいなあと思いました。一言でいえば「粋」です。
山本 孝弘(日本講演新聞中部支局長)
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日本講演新聞2020年12月7日号からのご紹介です。
山本氏は、「親切」や「おせっかい」では、する方もされる方も負担があるが、
そのどちらもない方法がこの「粋」であると紹介しています。
「粋」で言えば九鬼周造の『「いき」の構造』という著書の中で、
「粋」が諸外国にはない大和民族の顕著な自己表明の一つであると述べ、また
上品ー下品
派手ー地味
意気ー野暮
甘味ー苦味
をそれぞれの頂点にもつ直方体で図示しながら、「いき」を構造化し、結論として
「運命によって<諦め>を得た<媚態>が<意気地>の自由に生きるのが<いき>である」
と語っています。
この美意識を実践し、後世にも残していきたいものですね。
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