12(冠詞の話)

英語の中で、冠詞を自然にかつ正確に使いこなすのは日本人にとって難しいと言われています。

aとかtheとか、どれをつけるか、もしくは何もつけないか、もしくは複数形にするか、という選択肢があります。

どれを選んでも、別の選択肢とは明確に違う、全く違う意味合いの文になる大事な選択なんです。
でも、aとかtheとか非常に小さい言葉ですし、日本語にはほぼ存在しない要素なので、特に難しいわけです。

新しい同僚と話していました。
コロナで好きな人と会えないなんて話をしていました。
私はイギリスに思っている人がいるのですが、ちょっと難しそうだなんて話を聞いてもらっていました。
彼は彼で、ある日本人の女性に思いを寄せているのですが、その女性がとても忙しくて、なかなか会ってもらえないと。

・On the scale of 10, she is 12.

「10点満点で、彼女は12点なんだ」

彼はそう言いました。満点を超えているわけですから、本当に魅力的に感じているわけですね。

・She made my heart beat again.

「彼女は俺の心臓をまた動かしてくれたんだよ」

それまで彼は暗い日々を送っていたらしいんですが、彼女と出会って世界が色を取り戻したと、俺の心臓がまた生きたいと言い出したと。

それは本当に素晴らしいんですが、その女性は仕事をいくつも掛け持ちしていて、彼とはちゃんとデートしてくれないんだとか。
それが本当なのか、それとも何かを隠すための嘘なのかは私にはわかりませんが、どちらにしても、お前はそれでいいのか?、彼女の中でお前の優先順位はそんなもんなんだぞ?と同僚には言いたくなったわけです。

そこで私はこう言いました。

I understand she made your heart beat again, and she's 12, but um...

そしたら彼はそこで私をさえぎってこう言いました。

She is A 12. That "a" is a very important element here. Without it, it would mean a whole different thing!

ここで不定冠詞 "a" がないと、どういう意味になるでしょうか? 

"She is 12"は「彼女は12歳です」になってしまうんですね笑

"a"があって初めて「(10点満点で)12点の超魅力的な女性」になるわけです。
面白いですね笑

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