少しずつ具体的な話を

ふと、中学2年生くらいの時に、こんなふうに思ったことがあります。

「もう、英語、全部わかってしまったんではないだろうか?」

何を言ってるんだと思うかもしれませんが、どういうことかというとですね。中学2年生までに勉強する英語なんて、こんな感じですよね。

Hello, I'm Jane, I'm from Canada. Nice to meet you.

I like dogs. I have two dogs. They are very cute.

Do you like cars? I really enjoy watching cars. Does your family have a car?

(Phone conversation) Hey Sam. What am I doing? I'm studying math in my room. How about you?

今のことを描写したり、他の人に質問したり、現在進行形なんか使ってみたり。言葉って、これだけできれば、なんでも表現できるんじゃない?あと何するの?
こんなふうに思ったんですね。

そんなときに出会ったのが、want to ~ という表現でした。
「~したい」ですよね。
それまで知っていた言い方で、「あの家は大きいです」みたいな客観的なことは表現できても、「ああ、大きい家に住みたいなあ」みたいな気持ちは、表現できないですよね。

それに気づいたとき、なんかほんの少しだけピンと来たんですよね。
「そっか、言葉を学ぶって、色んな言い方を学ぶことなんだ。
日本語では意識してないだけで、俺たちは物凄いたくさんの言い方をしてるんだな、きっと」

、ですよ。このエピソードから何が言いたいかというとですね、こういうことなんです。

自由自在に英語が使えるようになるには、基本的な文法が分かっていて、ある程度の言い方や表現が分かるだけでは足りないんです。もし、「基本的なことはわかるんだけど、話せないんだよなあ」と感じている人がいたら、その感覚について話しています。
基本的な文法や単語の知識は、いわば人間のです。骨だけあれば人間の形はだいたいわかりますが、それは人間ではありません。
自由自在に英語が使える人間を作るには、その骨のまわりに、途方もない量の言い方や表現で筋肉やら皮膚やら血管やらを作って、自分の気持ちをなんでも英語で表現する一人の人間を創造しないといけないんですよね。これは結構な大仕事ですよ。

(これが、ヨーロッパの他の言葉みたいに英語と似ていると、そこまで大掛かりな天地創造みたいなことをする必要はないんですね。服を着替えるくらいの感覚です。
それが、日本語と英語はあまりに劇的に違うので、こんな大それた勉強が必要になるんですが、だからこそ学びの意義も大きいんじゃないかなとも思います)

「さっきからえらそうに話しやがって!あんたはもう英語を話せる人間を作り上げたからいいかもしれないけど、まだ骨しかない俺はどうすればいいんだよ?」って、思いますよね。

いや、ぶっちゃけた話、私が本当にしたいのは、みなさんと英語人間の骨組みを作ったり、筋肉や皮膚も作ったりしていく過程を、いい感じで楽しく演出できるような教材を作っていきたいんですよね。他人の著作権に縛られることなく自由に使えて、小回りが利いて、栄養もたっぷりで。それを少しずつやっていきます。最初は手探りだと思いますが、やっていきたいです。

自由自在に使えるようになるために必要なインプットの量は、「絶対英語話せるようになるぞ!」っていう気合ややる気だけでこなせるものでは到底ありません。だからこそ、「負荷はあるけどいい感じに楽しめて、頑張った分だけ前進も感じられて、それがまた楽しい」っていう学習を演出してあげること、それを続けられるようにすることって、すごく大切なんです。みなさんに寄り添ってそんな学習の演出の手助けをすることがしたいです。

やっぱりもったいないなと思うのは、他の方がこれまで作ってきた作品って、素晴らしい教材になるものがたくさんあります。歌とか、本とか、映画とか。でも、解説があればもっと教材として使いやすくなるし、他の学習者の方と感想や疑問とかをシェアできる場があればいいのにって思うんですよね。なんだったら洋楽で英語を学ぶ専門のサイトとか、あればいいのにって思って。どんな金銭や権利関係が絡んでくるのかわからないですが、人生長いので、これも挑戦していきます。


まだ骨の話にすら入れていないですが、とりあえず今日はここまでで。ありがとうございました :)


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