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「騙し絵の牙」は面白さとの戦いである

大泉洋さんに当て書きされたという映画。楽しみでした。早速感想を書こうと思ったんですが、ここのキャラクターやストーリーやテンポの秀逸さに触れてもあまり意味がない気がしたので今回は、というか今回も一つのテーマに絞って感想を書きたいと思います。

『面白さ』を追い求める者たちの戦いという視点

映画の強いコピーとしては「騙し合い」というところなのだろうと。しかし、それを支える業界の戦いの軸は面白さということを追求する者たちの熾烈な争いということに感じました。面白い方が勝つ。出版業界という中でいかに生き残るかということ。この面白さというのは

面白さというを分解して考えるとそれは横断的でエンタメ的であったり、アート敵であったり、時世やトレンドであったりなど。

それを捉えてスピード感を持って全力でぶつけていく。

それは魅せ方であったり、その背景であったりコンテンツそのものだけじゃない要素も絡んできて、それを総合的に組み上げていく中で

「騙す」ということが起きてくる。それ自体が面白いと感じました。

そして編集長速水の老獪な雰囲気というか百戦錬磨の出立は、そういう面白さの戦場を戦い抜いてきた猛者の面構えであり、落ち着きである様な気がしてならないのです。

そういう戦いを面白いと思えるから、面白いものが作れる。なんでも利用できるものは利用する。マキャベリズムほど過激ではなくとも、そこにはちゃんと信念がある。最終的には面白いものが勝つ。それを学んだ高野もただでは終わらないというところも、それはそれで悔しくもある。

単純に仕事のやる気が増す映画でした。


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