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美味で妙味な読書

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読書って、本当に、いいものですね。僕が味わった、妙味な本の美味しさを書き溜めています。140字で、付箋を貼った箇所を紹介したり、その本の思い出を語ります。たまに長文で深掘りしたも…
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#小説

手前の文庫本の奥はこんな感じです。読み返す頻度が少なかろう列。あっ、「心の社会」は別格。ずっと奥に鎮座本です。いつか読み終える挑戦本です。人工知能の父マーヴィン・ミンスキーが、AIの定義とか、動作するための考え方?心をいかに機械に入力するかを、徹底して突き詰めた本。おすすめです。

たくまる
2週間前
52

恐ろしく巧い。「死への憧れ」という底抜けの闇みたいなテーマを偶然再会した中学の同級生同士の恋愛に絡めて語る。生命力溢れるリア充との対比が極端すぎて笑いを誘うほどのコメディ要素もあり、切れ味と重厚さ含むサスペンスあり、純文学並みの文章の美しさもあり。全部が鮮やかにまとまっててお見事

たくまる
4か月前
112

西尾維新、今まで本の表紙から食わず嫌いしてました。こんな天才がいたんだあ。相互フォローのnoterさんより紹介されて古本で手に入れた本書はまた妙味な読書体験をくれた。すいすい読み進められるドライブ感と、急にぶつけてくる重厚な言い回し。自由な文体の中でのびのび遊ばされる感覚。すげえ

たくまる
4か月前
91

元旦の鉄板はブックオフ。全品20%オフは至高。開店15分前に到着も同志達が列を作っていた。そう、年末に大量の本が買い取られた為この日は1年で最も充実した品揃えが期待できるのだ。見逃す手はない。文庫新書を吟味して今日のところは引き上げる。収穫はこちら。節約というより多読を望むのだ

たくまる
5か月前
125

六人の男が同じ日に同じ夢を見た。12歳から62歳まで10個ずつ歳を隔てた六人が主人公。他は〇〇の父という風に間柄で書かれていて、全員の家族の目を通して日本の現代史を世代毎にリアルに体感できる。すげえ。戦前、戦後、学生運動、高度成長、バブル、オウム、震災。巨大な何かが見えた気がする

たくまる
6か月前
80

篠田節子の小説が面白すぎて、noteを1ヶ月ほど休んでいました。

篠田節子が好きです。 素晴らしい小説の文章に心地よく浸っていると 自分の書く文章がなんだ…

たくまる
10か月前
269

「脳の需要に脳の供給で応えるのが小説家の仕事」と。億を稼げるかは置いておいて、ここまで具体的に方法論を明かしてくれるのは単純に面白いし、マネできそうなやり方も満載ですごい。とくに物語の作り方は絶品です。あの長編「千里眼」が出来上がったのも納得。一旦パクらせてもらいますね。

インドとチベットの間に位置する空想の小国へ、主人公は美しすぎる宗教美術を求めて密入国する。目の当たりにしたのは、革命と内紛。次々展開される政治思想の揺れ動きが秀逸。骨太で重厚だけど文章が饒舌でスラスラ理解できる。学生の頃から忘れていた楽しみを思い出させてくれた。素晴らしい小説です

たくまる
11か月前
62

宮部みゆきさん、好きです。いくつかの記事で感想をお見かけして、あの感動を無性に味わいたくなって、10年ぶりに読み返しました。もう一気に。巧妙な謎の散りばめ方と、深くて味わいある心理描写と、あのラストの美しさ。小説を好きになったきっかけがこの本だったわ、と思い出しました。最高です。

たくまる
1年前
75

田辺聖子の絶妙な言葉使いが好きです。小説から厳選して凝縮された「おかしみ」が399も詰まったアフォリズム集は、折に触れて読み返してます。「人生をうまく生きる人というのは、楽しい口実をたくさん考えつく人である」。口実という言葉が鮮やかでいい。説教臭くなく美味しく染み入る人生論良き。

たくまる
1年前
88

書店で一番ワクワクするのは、ちくま文庫のコーナーです。重すぎず軽すぎず独特な角度でテーマに切り込む。統一された装丁でズラッと並んだ姿は、選りすぐり特殊部隊の精鋭達に見えてくる。私がカオスな世界に楽しみをもって生きていけるのは彼らのおかげ。あなたにも好きな文庫レーベルはありますか?

たくまる
1年前
113