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美味で妙味な読書

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読書って、本当に、いいものですね。僕が味わった、妙味な本の美味しさを書き溜めています。140字で、付箋を貼った箇所を紹介したり、その本の思い出を語ります。たまに長文で深掘りしたも…
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2023年12月の記事一覧

「読まんでもええので買っておいてください。物凄くいい本です」と大学時、先生に勧められて買ったものの文章が重すぎたし内容が実感できなかったので、断念して長らく本棚に眠っていたのを今読み返してみると物凄い。自分の不機嫌の理由が明治文学を通してありありとわかる。漱石と繋がった気がした。

たくまる
9か月前
90

六人の男が同じ日に同じ夢を見た。12歳から62歳まで10個ずつ歳を隔てた六人が主人公。他は〇〇の父という風に間柄で書かれていて、全員の家族の目を通して日本の現代史を世代毎にリアルに体感できる。すげえ。戦前、戦後、学生運動、高度成長、バブル、オウム、震災。巨大な何かが見えた気がする

たくまる
9か月前
81

仏様と自分はすでにとっくに一緒なんだ。即身成仏。難解な空海の思想をあまり気張らずに深く味わいながらおさらいするのに重宝してる本です。「私が密教に魅かれるのは世界の差異というものに好意的だからである」著者のこの言葉に超共感。「密教は精神の一元論で世界を塗り潰すことをしない」現世最高

たくまる
9か月前
74

「お菓子の家」は母の過保護が生みうる危うさの表現だった!有名な昔話をユング心理学の視点から精妙に検討して、人間が本能的に欲求する物語の原型を露わにする。鶴の恩返しの「見てはならない部屋」が頻出するのはなぜか?現代日本の父性弱体の原因は「王様」を深く見ればわかってくる。すげえ本です

たくまる
9か月前
78