切り抜き動画収益化停止問題について【YouTube】

2023年初頭頃から明らかに切り抜き動画へのインプレッションが落ちてきて、YouTubeのアルゴリズム的にも切り抜き動画が良くない動画として認識されていたようですが、今回とうとう切り抜き動画の収益化停止が次々と発生しています。

切り抜き動画収益化停止問題点

①動画本人から許可を得ていても収益化不可

今回収益化停止をくらってしまった多数の切り抜きチャンネルによると、元動画の持ち主から許可を得ていても得ていなくても「他者のコンテンツのプロモーションは付加価値とはみなされません」とのこと。

今回収益化停止された某大手Vtuverの切り抜きチャンネルは、しっかり英語を日本語に翻訳してさらに編集まで加えており、側から見ても明らかに付加価値を提供していたのに収益化の停止をくらっていました。

今から1年ほど前に、切り抜き動画の衰退が始まったとこのnoteでも紹介していましたがそれが完全に当たってしまいました…

個人的には海外の有名配信者の翻訳動画は好んで見るので、もしこれが運営側のミスではなく、今後切り抜き動画全般に対して収益化の停止を行うのなら大変なことが起こると考えています。

②生放送の衰退

最近の人気配信者は長時間生放送するのは当たり前、多い人は毎日10時間以上も生放送を行う生放送大戦国時代へと突入していますが、コアファンではない一般の視聴者からすると全ての生放送を追うことなんて不可能であり、切り抜き動画の楽しい場面を見て生放送に興味を持つことから始まるのが最近の一般的な流れとなっています。

切り抜き動画の収益化を停止してしまうとこの流れが断ち切られてしまうので、新規に生放送で視聴者を獲得するのが非常に難しくなってしまいます。

さらに切り抜き師と収入を折半しているユーチューバーも多く、自分のチャンネルでの収入は月10万円くらいでも切り抜き師との収益の折半により収入が3桁を超えるような事例も多数あります。

切り抜き動画の収益が停止されてしまうと生放送主の収入も低下してしまい、これまでと同様の長時間配信を実施することが難しくなってしまいます。
ここでもYouTubeにおける生放送の衰退に繋がってしまいます。

一応自チャンネルでの切り抜き動画のアップロードについては収益化停止されてないようですので、YouTuber側が切り抜き師を直接数人雇って、作ってもらった切り抜き動画を自チャンネルに投稿するという方法で回避できそうではありますがこれまでより確実に手間暇はかかってしまいそうです。

③YouTuberがTwitchやニコ生に流れる懸念

YouTubeで行った生放送の切り抜きがコンテンツの再利用にひっかかるなら、Twitchやニコ生で生放送を行いそれを切り抜いてもらえばYouTube内ではコンテンツの再利用に引っかからないのでYouTubeから他サイトに人材が流出してしまい、YouTubeの衰退に繋がってしまいそうです。

しかしどうやらTwitchの切り抜きやニコ生の切り抜きを行なっているチャンネルでも収益の停止が発生しているようです。

Twitchからでも同じ場面をいろいろなチャンネルが切り抜くと、同じ動画が使われているとAIが判断し、繰り返しの多いコンテンツ、コンテンツの再利用にひっかかり収益が停止されていると考えることができそうです。

④事の発端はAI動画ではないか?

これまでひろゆき氏や岡田斗司夫氏の切り抜き動画など、同じ場面を数十チャンネル、下手したら数百チャンネルが切り抜いて同じような内容の動画が乱立しYouTube的に良くない状態ではあったもののこれまで放置されていました。

しかし今月(2024年7月)に入って突然たくさんのチャンネルの収益が停止され始めていますが、個人的にこれはAI動画のせいではないかと考えています。

AIによってショート動画だけではなく長尺動画も一瞬で作成することができるようになりました。

例えば海外の再生数が伸びている動画を、AIを使って一瞬で日本語の字幕付き動画、日本語の音声に置き換えた動画に作り替えることが可能になってしまったので、あまりに多くの動画がYouTube上に投稿されるようになりました。

これによりYouTube側がそのような大量生産されたAI動画を厳しく取り締まるときに、誤って人力で作成した翻訳動画なども再利用されたコンテンツ、繰り返しの多いコンテンツとして収益化が剥奪されてしまったのではないでしょうか?

数年前に多くのオリジナルの動画を作ってるゆっくり実況者が、繰り返しの多いコンテンツを作っているゆっくり実況者の巻き添えをくらって収益化停止をくらっていたのと同じ状況になっていると考えることもできそうです。

AIが一瞬で作った翻訳動画も、人間が手作業で時間をかけて作った翻訳動画も、YouTubeからすると同じ他者のアップロードした動画を翻訳しただけの翻訳動画です。

YouTubeのAIが誤って人力の翻訳チャンネルや切り抜きチャンネルの収益を剥奪してしまった可能性は大いにありそうです。

しかし、もしこれがYouTube側のミスではなかったら?

先ほど述べたようにAIで一瞬で作った動画も、人間が手作業で時間をかけて作った翻訳動画も、YouTubeからすればアップロードされた動画は全く同じ翻訳動画です。

これまでは1人あたり投稿できる動画の本数なんて1日10本くらいが限界。
1人がYouTubeのサーバーを圧迫することなどありませんでしたが、今ではAIを使って1人で1日何百本どころか何千本も動画を投稿することが可能になってしまいました。

YouTube上にAIで作った動画が毎日何億本もアップロードされてしまうとYouTubeのサーバーにかかる負荷は計り知れません。

広告収入よりサーバーの維持費が高くなってしまい、YouTubeは赤字で運営ができなくなってしまいます。

もしかするとYouTubeはこれからの大AI時代への対策として切り抜き動画の収益化停止、要するに、再利用されたコンテンツ、繰り返しの多いコンテンツは全て収益化を停止してしまうのかもしれません。

今後はAIを活用して意味のない動画を大量生産するのではなく、AIを使って時短で動画を作りつつもオリジナル要素をしっかり入れていかないと収益化停止をくらってしまう可能性は大いにありそうです。

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