ドラマ考察 『約束~16年目の真実~』

(この記事を書いてから考えが変わった部分もあり、こちらに考察を更新した記事を載せています。)
https://note.com/takuma_bbetc/n/n399ca5ae2c46

こんにちは、takumaです。久しぶりにミステリードラマの考察にハマっています。そのドラマとは、木曜日深夜0:00から放送されている「約束~16年目の真実」です。Tverでは1~3話と最新話が無料で見られます。U-NEXTやHULUでは全話が見られます。 

5月16日に第6話が放送され、それに基づいた考察となります。ドラマの考察に文字数を割いていきたいので、ドラマの紹介などは以下のリンクだけ貼って割愛します。
https://www.ytv.co.jp/yakusoku_drama/intro/

 今回は「最大の謎」「真犯人は?」と「次の展開」の3つのポイントで書いていきたいと思います。


最大の謎:「ビー玉」

「ビー玉」に何の意味があるのか?

なぜビー玉なのか?殺人の被害者の口にビー玉を詰めることに何の意味があるのか?ビー玉が殺人の凶器になるわけでもないし、ビー玉で何かのメッセージ残しているわけでもない。勿論、「被害者の口にビー玉を詰める」という意味不明な行為を最初に発案したのは、16年前の連続殺人事件の2人目の被害者の兄、不破翔です。文化祭で発表するための映画の台本の中で、そのシーンが登場します。 

しかし、なぜビー玉を詰めるのかということは、台本を全部読めば分かるのかもしれませんが、視聴者には台本のごく僅かしか明かされていないため、全く見当もつきません。またドラマ内でも刑事や映像研の人達が「そもそも何でビー玉を詰めるの?」と疑問視することが全くないのも些か不満です。

 それでも、やはり「ビー玉の意味」は事件の真相と大きく関わってくると感じます。少なくとも「ただドラマの台本として思い付いただけ」という短絡的な理由で終わらせてほしくないなと願います。「ビー玉を詰めることには必ず意味がある」という自分の強い意見から、ある仮説を立ててみました。それは「井出尚哉はビー玉マニアである」というものです。これがこの事件を大きく動かすことになっていると言っても過言ではありません。

井出は「ビー玉マニア」!?

井出雑貨店の店主(?)である井出尚哉は、自閉症であるかのように描写されています。自閉症の子供の中には、キラキラしたものに執着するような子供もいます。井出尚哉は、小さい時からビー玉が大好きで、お母さんが経営していた雑貨屋で売っていたビー玉を興味津々に見たり触ったり遊んだりしていたのでしょう。学校でも持ち歩いていたのだと思います。 

不破翔は、「井出尚哉」という名前は認識していませんでしたが、ビー玉に異様な執着を見せる「ビー玉少年」がいるということは気が付いていました。そして、文化祭で発表するミステリー映画の台本を書く中で、連続殺人事件の犯人を「ビー玉少年」にする、あるいは「ビー玉少年」が強く疑われるような内容にしていたのではないでしょうか? 

不破と同じ高校に通っていた井出尚哉は、文化祭の実行委員をしていましたが、その関係で不破の台本に目を通すことになりました。そして、不破の書くミステリー映画の台本には、ビー玉が大好きだった自分を揶揄するように思える描写があり、そこで不破を恨むようになりました。16年経って望野町に戻ってきた不破を睨んだりつけ回したりしているのも、まだその恨みが残っているからかもしれません。 尾藤誠の葬儀の際に不破翔とぶつかってビー玉を落としたのもわざとでしょう。

因みに、6話で不破翔が井出の居場所を突き止めようと訪れた児童養護施設は、もしかしたら不破翔・玲兄妹が育った施設かもしれません。2人は両親がいない設定で、時々桐生葵‘(旧姓速水葵)の家で、葵の父康男にご飯を食べさせてもらっていました。2人で自宅があったとか、親戚が住んでいたとかいう描写もないですし、久々に戻ってきた翔が身を寄せられる家があるようにも見えません。井出尚哉もその児童養護施設で育ったかも、という考察もありましたが、彼が勤務している雑貨屋は古くからあるような造り、看板もずっと「井出」となっているため、少なくとも片親はいたのではないでしょうか。父かもしれませんが、一応「母」と2人で済んでいたと仮定して考察を進めます。

梅崎若菜はビー玉を持っていた!

第1話の最後に殺害され遺体が見つかった新聞記者の梅崎若菜は、ずっと望野町の連続殺人事件の真相を探っていました。その中で、尾藤コーポレーション社長尾藤誠の贈賄を突き止めます。まず望野町に到着してから、梅崎は井出雑貨店に寄り、ビー玉があるかを尋ねます。

考えてみてください。雑貨店でビー玉を求めるということは、ビー玉をその時点で持っていないんです。その時は、「この町にあるわけないか」
と言ってシーンが切り替わりますが、その後彼女は確実にビー玉を持っています。家出した石岡紗季と会った時も、その後殺害される前に尾藤誠と神社で会った時も、ビー玉を持っています。そのビー玉が、頭を打ちつけた際に落ち、それを見つけた不破翔が彼女の口に入れたのです。

つまり、視聴者には井出雑貨店でビー玉が売られていないような描写になっていますが、実際には売られていた、或いは商品として陳列はしていないが、井出はビー玉を持っていたので梅崎に売った或いはあげたと考えらでます。実際に、店を去ろうとする梅崎を井出が呼び止め、次のような会話があったのでは?と推測します。

井出「なぜ、ビー玉が欲しいのですか」
梅崎「私は16年前の連続殺人事件を追っています。あの事件では、被害者の口にビー玉が詰められていたんですよね。」
井出「はい・・・それで、なぜビー玉が欲しいんですか?」
梅崎「事件に関わっているかもしれない人にこれから会います。その人に、ビー玉を突けつけて、反応を見てみたいです。」
井出「分かりました。でもあの事件の真相に疑問を持った人は皆消されています。私の母も事件後行方が分からなくなっています…気を付けてください。」
(※井出の母親については後ほど書きます。)

この会話は、後に和田瑠璃が殺害された後に現場に入ろうとする葵に対し、井出が「このままじゃ、また死ぬ」と言ったのにも繋がります。

ここまで来ると、「じゃ井出尚哉が真犯人か?」と突っ込まれそうですが、私はそう思いません。真犯人は・・・

真犯人は刑事部長の有村毅!

まず、真犯人が井出や映像研のメンバーの天草などであれば、警察がそこまでして事件の再捜査を妨げる理由がないと思います。有村と尾藤コーポレーションの尾藤誠が癒着関係にあったことは分かっていますが、彼らにとって邪魔だった速水康男は既に葬っています。実は真犯人がタクシードライバーでした、となっても警察にとってそんなに大きな痛手でしょうか?5話では、16年前に速水康男のアリバイを証明できるかもしれない目撃証言が未送致になっていたり、6話では16年前に殺されたと思われる3体の遺体が発見されたり、この事件には真相を覆い隠すための相当な熱量が注がれている。となると、やはり真犯人はかなり高い地位にいる人で、今の所該当するのは有村しかいません。

最初の殺害は計画的ではなかった!?

 この殺人は元々不破翔の台本を意識して行われたわけではないと思います。過去のフラッシュバックで、不破翔が葵に対してミステリーの推理について話していた際に「思い込みを捨てて、ゼロから」という話がありましたが、これが視聴者に対してもヒントになっていると思います。そもそも殺害場所の台本の中では「北見が丘」でしたが、どの殺人も北見が丘では起きていません。

有村は16年前は望野署で勤務していました。その際に、21歳の山名恵梨香パパ活のような関係になったのではないでしょうか。その関係のもつれから、とっさに彼女を殺害します。刑事である彼は、勿論証拠を残さない完璧な手際で犯罪を遂行します。しかし、偶々その遺体があった場所に井出尚哉が通りかかります。そして、自分を揶揄するような台本を書いた不破翔や映像研のメンバーを陥れるために、被害者の口にビー玉を詰めます。

 自分がただパパ活関係のもつれから不意に殺害してしまった若い女性の口に、どこの誰かがビー玉を入れていることを知った有村は困惑します。そこで有村は、この状況を利用し、ビー玉をモチーフにした連続殺人に見せるため、次の被害者を狙います。 

夏祭りの夜、人気のない場所を歩いている少女を発見し、有村は狙いを定めます。その場所は自分が尾藤との癒着で邪魔ものになっている速水康男の家の近くです。彼はいっそのこと速水康男の罪に仕立て上げ、彼を抹殺することを画策します。速水康男のロープを盗み、不破玲を絞殺し、井出雑貨店から購入したビー玉を玲の口に入れ、現場に現れた速水葵を殴って気絶させます。

 後から、ついでに速水康男に罪をなすりつけるプランに変わり、また速水康男を目撃したという証言も揃ったため、ビー玉のことを警察として正式に発表する意味が薄くなり、警察内部だけの情報とされます。そして、有村は自分を真犯人として結び付ける証言をする可能性のある人物の始末にとりかかります。 

真相を隠すために始末した人物:1人目:飛鳥桃の母親

7話で香坂と葵が被害にあった3人の女性のある点から捜査を進めるということが公式に書かれていますが、3人の共通点は「(殺害された時点で)親と共に暮らしていない」ということです。つまり大人がそばおらず、一人になって狙われやすい状況になりやすいということです。最初の被害者の山名恵梨香は家出中、不破玲は元々両親がいない、そして16年後に殺害された和田瑠璃もDV彼氏から逃げている状況でした。そのような女性たちが頼るのは、駆け込み寺の役割をしていたキッチンシオンだったと考えられます。

ドラマ内では、お腹を空かせた子供に無料で食事を提供し出したのは飛鳥桃であるかのように描写されていますが、母親が経営していた時も、若干の違いはあれど、色々な人受け入れていた温かい場所だったのではないでしょうか。 

有村とパパ活をしていて家出中だった山名恵梨香も、シオンに立ち寄っていて、桃の母親に色々な相談をしていたと考えられます。その中で、有村との関係も話していたのでしょう。桃の母親がもし警察にいけば、自分に疑いの目が向くので、消さなければならなかったのです。 

2人目:井出尚哉の母親

2人目の被害者を殺害した際にも、1人目との連続性を目立たせるために有村はビー玉を買ったでしょう。結局ビー玉のことは警察からは正式に発表されませんでしたが、噂として望野町の広まってしまいました。ビー玉を打っているのは井出雑貨店。有村がそこにビー玉を買いに来たことで、井出の母親に怪しまれたのでしょう。自分に疑惑の目が向く要員を断ち切る必要があり、彼女も殺害します。

3人目:加藤絢子

加藤絢子は、5話に香坂が16年前の事件の資料を見ていた時に見つけた「未送致」の目撃証言をした人です。殺害が起きたぐらいの時間に、浴衣姿の葵を目撃し、家の中から康男の声も聞こえたという内容だった。この証言が通れば、康男はアリバイができてしまい、犯人候補から外れてしまう。自分の証言が採用されず、自分としては絶対犯人ではない人が逮捕され犯人扱いされれば、警察に抗議したり、周りの友人などに警察がおかしいということを話したりするのが普通です。ですから、速水康男犯人で一件落着、事件解決とするためには、彼女も葬らないといけなかったのです。 

1人目の桃の母親は既に確定していますが、残りの2人も時期に分かるでしょう。尚、3人と一緒に埋められたビー玉は「保険」のようなものだと思います。もし3人が何かの偶然で発見されても、一緒にビー玉が埋まっていれば「ビー玉」に注目が集まり、別に自分に疑いが降りかかるわけではありません。

次の展開

天草への疑念

第7話では、桃に続き天草勇樹が疑われます。彼の車の中に和田瑠璃のスマホがあったことが発端ですが、これもいくつか謎があります。まず、なぜ香坂はその電話にかけたのか、です。刑事仲間の夏目は、スマホが壊れたと言っていました。しかし夏目は既に有村に取り込まれてしまっています。なのでこの「壊れた」スマホが壊れていない状態で天草の車で発見されたなら「壊れた」自体が嘘であり、これは有村に吹き込まれた可能性が高いでしょう。いつまでも壊れたスマホが出てこなくて、或いは夏目の挙動を不審に思った香坂がかけてみたとのでしょう。

7話について今分かる時点では、天草は24時間体制で監視はされていますが、逮捕はされていません。私の考えでは、天草は殺人には加担していません。しかし天草は何らかの方法で真犯人と連絡を取り合うなど、知ってか知らずか事件に関わってしまっているとは思います。

 16年前の台本の続編を書いているのは誰!?

また、「サクリファイス」の続編の台本を書いているのが天草の可能性は割と高いと思います。天草はずっと葵のことを昔から思い続けています。不破翔が元々葵を主人公として台本を書いたものの、結局映画は撮影されませんでした。ことが再び動き出した今、葵を主人公として物語の続きを彼が書いていることは自然なことです。 

ただ「サクリファイス」の中には、暗号を使ったメールを葵に送っていることを書いていますし、サクリファイスを捩ったemailアドレスから葵に送信されているので、サクリファイスを書いている人は葵に暗号を送って和田瑠璃殺害現場に呼び出したのと同一人物であると考えるのが自然です。なので、真犯人が天草ではなく有村であるなら、有村が何かの事情で繋がった天草を利用して事件を進めているのでしょう。天草は第1話で尾藤恵から「先輩のパシリをさせられている」と言われていましたし、不破翔が閉鎖された児童養護施設に行った時もそこに現れました。有村の命令で色々動いているのではないかと推察します。 

ただ、そうすると気になるのが、なぜサクリファイスを書いた人は、速水家の庭に遺体が埋まっていることを警察に垂れこんだのでしょうか?これが有村からの命令なら、なぜ真犯人はそれをこのタイミングで警察に告げたのか?逆に天草の独断なら、どうしてそこに遺体が埋まっていること知ったのか? 

この辺はまだ私も考察が進んでおりませんし、有村が犯人でなければ当然全く違ってきますので、また過去話を見返しながら考えていきたいと思います。

香坂の過去がどう繋がってくるか?

ストーリーの中で何度かフラッシュバックで、葵と一緒に行動している香坂が、自分の失態によって同僚の麻生という刑事を死なせてしまったことが分かっています。その事件が、望野町の事件にも関わってくるように言われてますが、今の所どのような繋がりがあるかはよく分かりません。

香坂は、5年前に本部から飛ばされる形で望野署に着任しています。それには有村の思惑があったと思われますし、葵が来てからは有村の指示で彼女を監視します。しかし今では葵の良き理解者として、一緒に16年前の事件解決に向けて動いていますし、有村のことは寧ろ憎んでいるように見えます。香坂が16年前にどこに居たかは知りませんが、彼が犯人である可能性は非常に低いと思います。ただし彼の過去には大きな意味があり、連続殺人事件の解決にも繋がっている可能性が高いです。この辺りもまだ十分考察できていませんが、7話以降明らかにされていくのを待ちたいと思います。

次回は5月23日(木)の深夜23:59から日本テレビ系列で放送されます。個の考察も、どこまで当たっているのかを楽しみに見ていきたいと思います。


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