『約束~16年目の真実~』第7話後考察

こんにちは。takumaです。5月23日深夜に、「約束~」の第7話が放送され、大きな進展が見られました。ここでのnoteは6話放送後に2つ書き、最初に有村を真犯人だと考察し、のちに香坂―有村共犯説を書きました。自分としては、ビー玉を口に詰めるのは不破翔が書いた映画シナリオを知っていないとできないということ自体ミスリードだと思っていました(今も思っています)。なので警察内部の人間の犯行を強く疑っていました。

しかし7話で、香坂の過去の「失態」が明かされ、天草が関わっていた大規模な「特殊詐欺」グループが検挙されたことで、色々と考察を見直す必要があります。今まで書いてきたことを完全に覆して一から真相を予想してい組み立て直すのも野暮なので、今回は犯人候補と考えられる人物一人一人を順番に焦点を当てて、その人がどう事件に関わっているのか、どんな秘密を持っているのか、殺人を犯しているのかなどについて探っていきたいと思います。


香坂慧

前回の考察では「真犯人」の一人として考察しましたが、7話で彼の過去が明かされ、考察班の彼への見方も大きく変わってくるでしょう。

過去の「失態」と事件への繋がり

幾度かフラッシュバックで「麻生」という刑事仲間が殉職するようなシーンがありましたが、今回ですべてが明らかになりました。麻生が殺されたのは、特殊詐欺のおとり捜査を独断でやったからでした。おとり捜査のアイデアを最初に出したのは香坂でしたが、上司の有村に却下された後は、自分で強引にやるつもりはなく、「やろう」と持ち掛ける麻生も退けていました。しかし過去に祖母が特殊詐欺の被害に遭っている麻生は、勝手に現場に出かけ、そこから香坂に電話をかけました。香坂が掛けつけたことには時すでに遅し、麻生は特殊詐欺グループの何ものかに刺殺されていました。

この後、なぜか香坂はすべての責任を負わされ、警視庁捜査二課から望野署へと左遷されます。有村はなぜこの事件の責任を香坂に押し付けたのか?なぜ望野へ左遷させたのか?そこに一連の事件との関わりがあるのでしょうか?

香坂は殺人を犯しているのか?

前回の考察では、香坂が連続殺人事件の最初の被害者だけを殺害したという考察を立てました。しかしそれが成り立つためには、彼が16年前に望野町に居たことが説明できなければなりません。今のところ、そのような描写は出てきません。可能性はゼロではないですが、薄くなっていると言って良いでしょう。

彼は5年前の麻生殉職をきっかけに、特殊詐欺グループに強固な復讐心を抱いているのは間違いありません。8話の予告を見ると、麻生を刺したのは7話で捕まった天草ではなさそうですが、天草に銃を向けるほどに、また「捜査と復讐を混同させるな」という自身の言葉に反するほどに、この詐欺グループの根絶にかけているように見えます。

5話の終わりに殺害された和田瑠璃はこの詐欺グループの一員で、他に殺害された女性も詐欺のかけ子だった可能性がありますが、香坂が狙っているのはあくまでも組織のトップ、そして組織を根絶させることなので、恨みからかけ子を殺しているようには見えません。

香坂は白!?

では、香坂は完全に白なのかというと、やはり前回怪しいと思った理由は今でも残っています。なぜ天草と葵がタクシーの傍で台本を取り出しながら話していた時に、その台本が「映画シナリオ」と分かったのか?また節々で葵が捜査して真相に辿り着くような発言を促しています。「サクリファイス」続編にある葵のセリフ「あなたは一体、誰?」も、飛鳥桃聴取の現場に居た人にしか書けないものと思われますので、未だに香坂が捜査している警察の立場以上の形で、一連の事件に大きく関わっている可能性がはあると思います。

有村毅

有村が何か大きな罪を隠していることは明白です。既に拘置所で自殺した尾藤誠と癒着関係にあったことが分かっていますし、速水康男に冤罪を着せた抹殺したのも、事件の掘り起こしを必死に止めているのも有村です。しかし、彼は「真犯人」と言える人物なのでしょうか?

彼が真犯人でない場合、真犯人が野放しになることで更なる殺人事件が起きるというリスクが伴っています。そんなリスクを犯してまで彼が隠したいものは何でしょうか?

有村は息子を庇っている?

ある考察班の方が、彼の息子が特殊詐欺グループと関わっている、という考察をしていました。6話で有村が電話で誰かに「これで最後だ」と言っているシーンがありましたが、彼の息子が特殊詐欺に関わっているすれば、息子に捜査が及ばないように自分の力を使いつつも、足を洗うように促している、ということでしょうか?

ただ、彼は50歳、息子はせいぜい20代前半。特殊詐欺に関わっていたり、麻生を殺害した張本人である可能性もありますが、それは16年前に遡る望野町での連続殺人事件には繋がりません。有村が尾藤誠と共謀して恵の証言を変えさせたのは16年前なので、この事件を再捜査させたくないもっと深い闇は、有村の息子とは関係ないもっと過去の事件に基づくものでしょう。

有村は尾藤誠とどんな関係にあった?

尾藤誠はおそらく町内に防犯カメラの設置を進めるために、当時望野署の署長だった有村を味方に付けるために賄賂を送るなどの癒着関係にあったと考えられます。有村はその癒着関係を利用し、尾藤恵の目撃証言を操作することに成功します。しかしその後も尾藤誠の防犯カメラ設置計画は頓挫したようです。有村と尾藤誠は、葵の父である速水康男を嵌めるという共通の利害はありましたが、有村にとってはその裏にさらに理由があったのではないでしょうか?私は有村自身が1件もしくは2件の殺害事件に関わっていたという可能性もまだあると考えています。

尾藤誠は16年後に梅崎若菜殺害事件で逮捕されますが、拘置所で首を吊った状態で発見され、自殺と断定されます。拘置所内で他人が首つり自殺に見せかけて殺害するのはかなり難易度が高いので、自殺であることは間違いないように思いますが、香坂が有村に電話した時に有村が驚かなかったことからも、有村による脅迫や自殺教唆があった可能性も考えられます。誠が自ら命を絶つ選択をしたのであれば、そうしなければ娘の恵や孫が危ない目に遭うと思ったからかもしれません。

香坂との勝負

以前は自身の部下であった香坂ですが、麻生の死の責任を取らせて望野町へ左遷させます。香坂が邪魔になったのでしょうか?或いはやはり詐欺グループと有村に何らかの繋がりがあり、香坂が捜査するのを妨げたのでしょうか?

望野町は有村にとっても重要な場所で、そこで16年前に起きた連続殺人事件の再捜査は何としても避けたいと考えていたでしょう。そこに香坂を送ったということは、まだ香坂は自分の息のかかった刑事だと考えていたということでしょう。葵が望野町に来てから、香坂に彼女の監視を依頼しますが、望野町で事件が連発するにつれて、香坂は徐々に有村に敵対するようになっていきます。また先ほどの尾藤誠の死についても、香坂は有村が関わっていることを疑う節があると考えられます。

この2人が具体的に何を巡って対立しているかがまだ不明ですが、徐々に明らかになってくるでしょう。そして、実際に連続殺人事件の実行犯が誰であるかに関わらず、この物語の最後の砦として闇を暴かれて陥落するのは有村だろうと思います。

天草勇樹

今まで真犯人候補として一番人気とも言えた天草ですが、7話では特殊詐欺に関わっていたとして逮捕されます。

葵への思い

彼はずっと葵が好きで、葵の写真をタクシーの中に隠し持っていました。また葵が千代田区に住んでいたと知った時、そこに移り住みました。しかしあからさまなストーカーではないく、彼女と会ってみたり困らせたりするようなことはありませんでした。

それでも殺された女性が、千代田区で5年前に死亡した女性も含め、ショートヘアなどの容姿が葵に似ているという点や、望野町で殺害された3人の女性が、映画の台本の最後にある「指切り」をしていたということなどから、天草が直接殺人に関わっている可能性も否定できません。この「指切り」は、葵が演じるはずだった主人公が最後のシーンで行うもので、この部分は不破翔ではなく天草が考えたそうです。

天草は連続殺人犯か?

天草は今の所殺人を犯したことは否定しています。5年前に香坂の同僚の麻生を殺害したのも詐欺グループの別のメンバーだと天草は話していることが次回の予告で明らかになっています。和田瑠璃殺害時間のアリバイもあるそうです。

結論からすると、彼は特殊詐欺のアジトを取り仕切っていて、また何年も前から都区内で詐欺に関わってはいましたが、連続殺人事件の犯人という線はこれで薄くなったと言わざるを得ません。特殊詐欺のかけ子が相次いで殺されることは説明がつきますが、特殊詐欺が16年前の殺人事件のどのように関わってくるかがイマイチ見えてきません。

尾藤恵

7話の最後で、特殊詐欺グループが摘発された古い児童養護施設の所有者が尾藤恵であったことが明らかになり、彼女を再度真犯人候補として見るようになった人もいるかもしれません。しかし、彼女がそんな大掛かりな犯罪を取り仕切るような性格にはとても見えません。

尾藤恵と詐欺グループの関わりは?

尾藤恵自身は特殊詐欺のアジトに使われると知ってその物件を貸した、或いは特殊詐欺に自ら関わっていたということはあるのでしょうか?まだその事実が物語内でも判明したばかりなので何とも言えませんが、おそらくないと思います。

1話で最初に「シオン」で天草、桃、葵で話していた時に、桃は天草に対して「未だに先輩のパシリをしている」的なことを言います。天草のそういう電話は、彼自身が関わっていた詐欺グループに関係する可能性が高く、もし恵も詐欺に関わってたらその電話がどんな電話かも知っているはずです。そのようなことを冗談で刑事である葵の前で言えるとは思いません。

おそらく、父の生前か死後かは分かりませんが、父が所有する物件の一つを彼女の名義にしただけでしょう。ただこの辺に関しては「尾藤恵の性格はこうだから」という決め付けも含まれているので、今後大きく変わるかもしれません。

飛鳥桃

飛鳥桃は6話で逮捕され、取り調べを受けた後に誤認逮捕として釈放されていますが、それでも考察班の間では桃犯人説が未だに有力視されています。

桃犯人説が有力視される理由

6話で桃が尋問され解放された後に、不破翔が書いた映画シナリオの続編「サクリファイス」が更新されるシーンがありました。その中に、葵が桃に対してい尋ねた「あなたは一体、誰?」というせりふが一字一句書かれていました。これを書けたのは尋問の内容を知っている人しかいないということで、私含め香坂犯人説が浮上しました。でも、考えてみると言われた張本人である桃自身である可能性も当然あります。

ただ葵が桃の家の中でその続編の冊子を見つけた際、パソコンはありませんでしたし封筒から出した状態だったので、桃の「送られてきた」という主張は裏付けできます。

しかし映画シナリオの執筆とは別に、桃への疑いが強まっている最大の理由は、母親の失踪と死ではないでしょうか。桃は母親について「任せる、と言って出て行った」と言った後「捨てられた」と言っていましたが、白骨遺体で発見され16年前に死亡していたことが判明しました。死亡したのにそれを「家出」と誤認するのは考えにくいです。それは家出ではなく「失踪」であり、ならば失踪届を出すのが当たり前です。また遺体が見つかった速水家の庭の手入れをしていたのも怪しさポイント倍増です。

桃は母親を殺害したのか?

だからと言って桃が母親や他の若い女性を殺害したとは言い切れませんが、なぜ失踪届を出さずに母親が家出したと思ったのか、そこが合理的に説明されない限り桃の疑いは晴れないでしょう。また、桃がサクリファイスの執筆者および真犯人と仮定すると、最初に聴取され一度帰宅を許されたタイミングで警察に遺体のことを垂れ込んだことになります。自分が次は逮捕されてより厳しく尋問されることを想定し、自分の母親の死亡を明らかにすることで「被害者遺族」というポジションになって容疑者から外れることを狙ったという考察がありましたが、なかなか筋が通っています。

勿論桃が母親や他の女性を殺害したという明確な証拠は今の所ありません。ただ、拠り所のない女性たちが来やすく信頼関係を気付きやすい点なども含め、状況証拠で考えれば桃犯人説は強くなるでしょう。

特殊詐欺との関わり

ただし、まだ7話で明らかになったばかりとはいえ、桃と特殊詐欺グループの関りはまだ一切出てきていません。ここ数年で殺害されている女性は特殊詐欺のかけ子たちだと考えられていますが、16年前の2件の殺人とは別の可能性が高いです。或いは犯人が意図的に2つを混合させるために望野町にアジトを設けてそこで来た女性を殺害し始めたのかもしれません。

いずれにせよ、桃を真犯人だと決めつけるには、まだ情報が足りないと言って良いでしょう。今後の展開から彼女の立場がどうなっていくか見ものです。

その他

井出尚哉

井出尚哉を一連の殺人事件の犯人と見做すには情報が少なすぎますが、彼の正体はこれから明らかになってくるでしょう。彼が葵に言った「このままじゃまた死ぬ」はかなり謎めいていましたが、彼が育ったと思われる児童養護施設の跡地が詐欺グループのアジトとして使われていた事実が判明しました。また彼はそのアジトを所有していた尾藤恵の父尾藤誠の葬儀に参列しています。

これらのことから、彼も詐欺グループに関わっていた、或いは詐欺グループのことを知っていて、詐欺グループのかけ子たちが殺されていることについて「また死ぬ」と言ったと推測できます。

とはいえ、彼の人となりは未だに謎めいたままですし、彼が真犯人として何人もの女性を殺したとは考え辛いです。ただし、彼の正体が「ビー玉」の意味をしる鍵になる可能性は十分あると思っています。不破翔はこれから彼を直撃して話をすると思いますので、それをきっかけに事件の真相が開けてくる可能性も十分あるでしょう。

不破翔

7話になっても不破翔を真犯人と予想する人は、そこまで多くはないですがいるにはいるみたいです。その最大の理由は、16年前の台本通りに殺人が行われていて、その台本を書いたのが他でもない不破自身だからです。

ただ不破が真犯人なら不自然な点が多々あります。
1.唯一の家族である妹を殺したことになるが動機らしきものが全くない
2.別の人間が真犯人として捕まって獄中死して16年経つのにわざわざ葵を誘拐に見せかけて自分が犯人だと世間にアピールして再捜査に持っていこうとしている
3.その後台本を読んだ人間が他にいないか、つまり真犯人候補を積極的に探している
4.殺人に関係のある特殊詐欺のアジトを、刑事の葵を呼んで暴いている

これらの点、特に2と4があまりにも不自然なため、やはり真犯人とは考え辛いなと思います。

最後に

犯人がやっていること

真犯人が誰かを相関図を見ながら考察する視聴者は色々と考えていると思いますが、連続殺人の真犯人が誰かを仮定するときに、次の行動を説明できるかどうか考えないといけません。

1.既に速水康男が捕まって16年経つのに、わざわざ同じ町で連続殺人を再開させて自分の首を絞めている。殺人衝動を抑えられない人物なのか?他の町でもやっている可能性が高くなってきているが。なぜわざわざ望野町で再開させるのか?
2.遺体が埋まっていることをわざわざ警察に情報提供している。或いは通報している人、「サクリファイス」を書いている人は真犯人とは別なのか?
3.毎度わざわざ不破翔の台本に似せて殺害している。それとも、本当はそうではないのか?
4.桐生葵に似た女性を狙っている。これも錯覚か?被害女性の容姿の類似には別の理由があるのか?

これらすべてを合理的に説明できないと、真犯人の確証を得るのは無理でしょう。

ミスリード・先入観に注意

様々な考察を見ていると、ドラマの中で言われていることを一部鵜呑みにしたものが多々見受けられます。例えば、犯人を香坂のプロファイリングに合うかどうかで決めたり。でもそのプロファイリングが本当に正しいのか?他にも、次のような先入観に注意した方が良いかなと思います。

・本当に「連続殺人」であって、犯人は一人
・殺人は最初から映画シナリオに寄せて行われている
・被害女性は本当に全員葵に似ている
・犯人は殺人衝動を抑えられずにやっている

こういった先入観が、真犯人に辿り着くのを邪魔しているかもしれません。ただ、そういった先入観が最後に「あ!」と覆されるのもこういったミステリードラマの醍醐味だと思います。

是非最後まで楽しみたいですね!ではまた8話後に考察を書こうと思います!


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