3年間読書に没頭していたら、生きづらさを感じるようになった話

高校を卒業後、都内の大学に進学した。高校まではサッカーと勉強、時々恋愛をしたり、そこそこの青春を味わいながら過ごした。

そして大学に進学した。とにかく膨大な時間に何をすべきか戸惑いながら、周りに流されるように、飲み会やバイトをしてあっという間に2年が過ぎた。

ある日、カフェ付きの本屋さんを見つけ、立ち寄った。カフェでコーヒーを頼めば、本を購入しなくても席で置いてある本を読めるらしい。

ほぼ小学生ぶりの読書。気づいたら日が暮れていた。何事もすぐに飽きる自分が、こんなに没頭していたことに驚いた。

それから大学の授業も出ず、ほぼ毎日その本屋さんに通い続けた。行くたびに読みたい本が見つかり、1日中読書をして過ごした。

ビジネス書から歴史、哲学、健康などあらゆるジャンルを読みつくした。

本を読むたびに世界には面白いものであふれていることを知り、自分がいかに狭い世界、価値観の中で今まで生きてきたことを知った。

知れば知るほど知りたいことが増えてくる。本を読んだことでやりたいことも増え、実際に行動に移したりしてみた。

3年間、1日5冊ほどのペースでほぼ毎日本を読み続けた結果、社会のあらゆることに、良くも悪くも疑問を持つようになってしまった。

「人生で一番楽しいのは大学生だよ」「大学生は人生の夏休み」

「有名な企業に就職できたら人生勝ち組っしょ」「彼女いないとかおかしいでしょ」

周りが言っていることにいちいち疑問を持つようになり、内定した企業の年収でマウントを取りあう飲み会にも嫌気がさし、僕は周りの友達と距離を置くようになってしまった。

そして僕は社会人になった。通勤電車では乗っている人の顔は死んでいるし、会社でもみんな顔が死んでいる。やりたいことはあったが、とりあえず就職してみたが、想像した以上に周りの社会人はしんどそうに仕事している。

毎朝決まった時間に起きて、満員電車に乗り、同じ作業をすることに疑問を感じるようになってしまった。

高校までは理不尽な部活のトレーニング、シャーペン禁止の謎のルールに何の疑問も持たずに過ごしていたのに。

読書に没頭し続けた結果、世界が広がった。だけど狭すぎる価値観の中で生きていくのに窮屈さを感じるようになった。

好きでもない仕事をするには思考停止しているくらいがいいのかもしれない。それでも僕は、これからも読書を続ける。



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