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ダダリオリードのエンドーサーになりました

長年使っていたリードを変えました。

変えた経緯

以前使っていたリードは日本国内では売っていないものでフランスから自分で輸入していました。欲しい時にすぐに手に入らない不便さに加え最近は円安の影響で高価になり、このまま同じリードを使い続けることは困難であろうと思い始めました。
手に入りやすく、かつリードの価格も高すぎないものを探していました。
そこでプリマ楽器さんのご協力のもと、ダダリオウッドウインズ社のリードである「リコ」、「ラ・ボーズ」「レゼルブ」「セレクトジャズ」を試させていただきました。

ダダリオ社の傘下に入る前はリコ社という名前で、何十年も全てのジャンルのアーティストを支えてきました。特にジャズプレイヤーには愛されているリードで、私自身10代の頃(リコ社時代)から使ってきましたが、ここ数年は別の会社のリードを使ってきました。久しぶりにダダリオ社のリードを試して感じたことは、リコ社がダダリオ社傘下になってから(2004年以降)もリードの製作は進化していると感じました。


選ぶポイント

リードを選ぶ基準ですが、まずは音質。自分の好みの音色を作ることができるかどうか、リードを選ぶ最も優先すべきことです。そしてその音色が全ての音域に渡り均一な音色かどうか。さらに様々なニュアンスを作るためのコントールがしやすいかどうか。

リードは各社各種類、リードの中心部分の厚み、カットの方向、ヒールの厚さなど本当にかなり細かくカットが異なります。
またダダリオ社の場合、ホームページによるとレゼルブというモデルは「繊維密度が高いケーン根元の2節のみ使用」とのこと、育てば4メートル以上にもなる長いケーンの場所までこだわっています。

次に1箱の中に入っているリード(5枚入りか10枚入り)の品質が大体均一かどうかということです。リードは植物なので全て同じということはありません。そこで大事なのは可能な限り同じようなリードを作れるかどうか?ということであり、1箱内のばらつきができるだけないように、生産者は様々な企業努力をしています。
1箱の中にとても良いリードが2枚、残りの8枚は同じメーカーの同じ番手とは思えないものであれば、経済的にも損失は大きいです。(いわゆる当たりのリードが2枚でもあれば1枚あたりのコストが高くても良い、という人もいます。)

「自分が求める音色を作れるか」「1箱内のリードの差異はあまりないか」「コストパフォーマンスの良さ」ということから、今回ダダリオ社のセレクトジャズに変えました。

アルトとソプラノ、ともにオーガニックセレクトジャズのファイルドカット(ダブルカットやフレンチカットとも言います)にしました。番手はアルトは2M,ソプラノは3Sです。
とにかく今まで見てきたリードの中で一番、オーガニックシリーズはカットが綺麗で丁寧に作られていると思います。(リードの裏側(マウスピースとの設置面)はツルッツルです)
先に書いたように、ダダリオ社傘下になり20年、リード製作の動画にも写っていますがテクノロジーの進化もあり、かなり精密にリードを削っているように見受けられます。

そしてそれを機に、なんと嬉しいことにエンドースメント契約していただけることになりました!
これからダダリオ社の素晴らしい製品提供を受け、演奏で貢献できるよう、より一層精進します。


オーガニックセレクトジャズのポテンシャルを引き出す

さてここからはオーガニックセレクトジャズを3ヶ月使用して、うまくこのリードの良さを引き立たせるには少しコツがいると感じたので、私の使用方法を書きます。

これは特別なことではないのでリードの使用法としてはよく知られていることですが、新しいリードは使い初めから長い時間使用しない、ということです。
具体的には卸したての新しいリードは4〜5分吹いたら使うことをやめ、水分を取り(木管楽器用のクリーニングペーパーの使用をお勧め)リードケースに保管します。
それを3日間続け、4日以降は徐々に使用時間を5〜10分、10分〜15分というように増やしていきます。徐々に慣らし運転をしていくことにより、リードのポテンシャルが発揮され長持ちします。
特にオーガニックセレクトジャズはこの慣らし運転の期間を少し長めにとってあげると良いかなと思いました。
通常4〜5分の使用を3日間というところを、5〜6日間程行い、1週間目くらいからは5〜10分、10〜15分というように利用時間を伸ばしていきますが、これも10日〜2週間くらいはあまり長く使わないほうが良いかなと思いました。
このようにゆっくり慣らし運転を行うことにより、新しいリードを卸してから2週間くらい経つととても良い状態になり、寿命も比較的長い(1ヶ月以上使えます)と思いました。

ダダリオウッドウインズのホームページ内にある「リードについて」のページにもリードの調整方法が詳しく書かれています。
こちらもとても参考になります。
https://www.daddariowoodwinds.jp/reed_anatomy/


パッケージが変わる:リードのマイナーチェンジ

数年に1度、各社リードの箱のデザインが変わることがあります。これはマイナーチェンジで、何かしら改良されていますが、ただリードのマイナーチェンジはミュージシャンにとって必ずしも朗報というわけではありません。改良というより、別のものに変わってしまうことがよくあるからです。せっかく使っていたマウスピースと合っていたのに、また別のリードを探さないといけない、という話はよくあります。

実際、私が使い始めたオーガニックジャズセレクト、旧箱とは少し違う印象があり、それまで旧箱を使っていたミュージシャンがオーガニックになってからあまりよくない(合わない)と言う声もチラホラ聞きます。YouTubeでも「マイナーチェンジしてからあまりよくない」という動画も見ました。
(でも、インフルエンサー的な方でも製品レビュー系はあくまでもその人の主観ですので、まずは自分で試してくださいね!)

サックスだけではなく、クラリネットもオーガニック認証のダダリオリードになりました。クラリネットはRico時代から「グランドコンサート」という銘柄があり、このグランドコンサートはさらに「Traditional」「Thick Blank」「Evolution」というモデルに分かれていました。
グランドコンサートシリーズがなくなり、「オーガニックレゼルブ」シリーズに統一されました。レゼルブは「オーガニックレゼルブ」「オーガニックレゼルブ Evolution」「オーガニックレゼルブ クラシック」の3つのモデルがあります。
私は元々グランドコンサートのEvolutionを使っていたので、オーガニックレゼルブもEvolutionが良いと思いましたが、これは全然違うもので、馴染めませんでした。
以前のEvolutionに近い感じとしては、「オーガニックレゼルブ クラシック」だと思い、現在はこれを使っております。
ちなみに、あとからクラリネット専門のプレイヤーに聞いたところ、「グランドコンサートEvolution」を使っていたクラリネットプレイヤーは「オーガニックレゼルブ クラシック」に変えている人が多いそうです。(サブ楽器として吹いているので、本職の方と同意見というのは嬉しく思うのです)

もう一点最後に、リードを選ぶポイントとして、カットの違いに拘りすぎない方が良いと思います。自分はシングルカットまたはダブルカットが合う、と思い込まないことも大事かなと思います。
ちなみに私の以前使っていたものはシングルカットだったので、シングルが良いのだろうと思いましたが、選んだジャズセレクトはダブルカットです。こちらの方がとても好感触でした。


というわけで、リードを変えて気持ちを新たに、楽しく演奏活動をしております!
気になった方は是非一度お試しください!


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