見出し画像

アルトサックスのストラップに関して

ストラップは基本的に楽器を買う際に付属していますが、ほとんどの人が買い変えます。その理由は、より良い吹奏感を得るため、そして身体への負担を軽減したいという目的が主だと思います。

2000年以降は特に日本のメーカーが様々なストラップを考案してきました。それらは先述したように身体、特に首(頚椎)への負担を軽減することを目的としたものが多いように見受けられます。実際僕自身、ある朝コーヒーを飲んでいたら、勝手に腕が下がりマグカップを支えられないほど頚椎を痛めてしまった過去があります。それを機にしばらくの間は首への負担が少ないストラップを使っていました。

現在は首の状態も改善したこともあり、身体への負担が少ないタイプのものより、吹奏感がよいものに変えました。(その分、疲れます。疲れますが、筋トレしたり、筋肉や頸椎に負担にならないような工夫をいろいろしています。)

僕が使っているものは、ヤナギサワの「カーブドソプラノ用」のストラップです。

画像1


当然、短めです。
なぜこの短いストラップを使うか?というと、そもそもアルトとテナーではストラップの長さをかなり変えないといけません。一般的なストラップ(自分で紐の長さを切って調節するようのものではないもの)の多くはアルト用とテナー用というように区別されていません。これが初心者にとって、いや案外レッスンしている先生(特に身長が高い先生)にも盲点かもしれません。一般的なストラップは、体の大きさにもよりますが、アルトに使うのは少し長いのです。
特に、女性や中学生くらいまでの学生は気をつけた方が良いと感じることがとても多いです。
ちなみに僕の身長は163㎝、体重55kg、胸囲89㎝です。(何故このように公表するかというと、これが胸囲が100cmを超すマッチョ体系だとまた話が変わってくるからです。本当は腹回りも書いた方が良いかもですね。ちなみにお腹も出ていない普通の体型です。)男としては小柄で、同じくらいの身長の女性も少なくありません。これくらいの身長でも、普通のストラップは長いと感じるので、身長が180㎝くらいあれば別ですが、160㎝前後で極端に太っていなければ、多くの人にとっては長めになります。(ですから、楽器を買った時に付属しているストラップは、本来メーカーはアルト用とテナー用に別々のものを付属品として用意する方が良いと思います。)
ちなみに子供の場合ですが、身長が130㎝をこえるとアルトの大きさでもしっかり楽器を握って吹ける子供が多いです。女の子でだいたい小学校3年生くらいです。特にこれくらいの身長の子供は普通のストラップでは長すぎるので、ストラップの紐が切って調節できるようなものが良いと思います。


僕は22歳くらいまで、楽器を構えた時の姿勢が非常に悪く、目線がかなり下に向いていました。他の楽器も共通していることかもしれませんが、楽器の構え方で損をしている日本人はかなり多いと思います。(フィジカルが弱いというか、、。)もちろん良い音が出ていればどんな構え方でも良いと思いますが、楽器を支えきれず楽器に身体が支配されている人がかなり多いように感じます。

そしてアメリカに行った時に楽器の構え方はかなり先生から注意されました。まず、「ストラップをもっと短くしろ!」と言われました。「チャーリー・パーカーを見てみろ!目線はまっすぐで首が下におれていないだろ?サックスはこうやって構えるんだよ。」と。

それからストラップを短くして楽器を構えましたが、最初は全然慣れず、正しい奏法を身につけるまで時間がかかりました。それでも徐々に目線が上がり、そして音色や運指、吹奏感の改善を感じるようになりました。

僕は回り道をたくさんしました。奏法に加えて、ストラップ以外にも使っている道具が自分にあっていませんでした。特にストラップに関しては、楽器をコントロールする上でとても重要な道具です。これがあまりよくない物であれば、上達の妨げとなると思います。しなくてもよい苦労はしないほうが良いです。


僕の使っているストラップの話に戻りますが、ヤナギサワのカーブドソプラノ用のストラップです。これを使っている人は1人しかみたことがないので、おそらく多くの人が知らない、あるいは選択肢の中に無いものだと思います。あまり流通しているものではないのですが入手可能です。また、他のメーカーでもカーブドソプラノ用のストラップがあります。使ったことはありませんがそれも良いと思います。追記します
(追記)気になったので他メーカー=BG社のストラップを購入しました。BG社の「S82M」というモデルです。カーブドソプラノ用と明記されています。ヤナギサワのストラップより短いです。首回りの部分がCotton Pad書いてあり肌触りが柔らかいのですが、このパッドの部分が伸縮性があり、楽器をぶら下げた時にストラップが少し伸びます。慣れれば気にならないのです値段も3000円台で購入できますし(サウンドハウスで税込3180円で購入しました)、1万円のストラップを買うのはちょっと高いなぁという方には試しやすい価格だと思います。(特に小中学校の部活の場合、保護者からなかなかそこまでお金が出せないという声もあります。)

画像2
↑首にあたる部分のパッドが綿で柔らかめ。
これだけ長さが違います。
一番短いのがBG、真ん中がヤナギサワ、一番長いストラップは多くのミュージシャンが愛用していたRay Hymanのストラップ。

どのようなストラップでも良いのですが、オススメするもののひとつの目安として、先述したように目線がキーになります。普段生活している時の目線(まっすぐみる視線)にして、その目線のままマウスピースをくわえることが出来るかどうか?それが出来るストラップを選ぶとよいと思います。

適切なストラップの長さで演奏しないと、場合によっては身体を必要以上に酷使します。その結果、一番大事な「音楽をつくる」「音を楽しむ」ということが二の次になってしまいます。しっかりとした奏法を身につけるにはある程度の時間が必要ですが、まずはできることから見直してみることをお勧めします。


ここから先は本題からずれて余談として、首の調子が良くなかった頃使っていたストラップの話を書きます。
有料記事となりますので、ご興味があればサポートしていただけると嬉しいです。

多くのミュージシャンが使っていて、身体によいはずが、自分には合わなかったストラップもあった
<続く>

ここから先は

750字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?