Daily Meeting

はじめに

みなさん、朝会やっていますか?
リモートでも、もちろん大切です。
この記事&資料は
参考文献
[プロジェクトファシリテーション実践編朝会ガイド]
http://objectclub.jp/download/files/pf/MorningMeetingGuide.pdf
と、今までやってきた実績から
まとめたものです。

Daily Meetingの原則

毎日やる(スキップしたら翌日は絶対やる)
参加者全員が1度は喋る
(特定の一部向けでは無く、)全員に共有する、
 全員が自分事として聞く
前向きに問題やリスクを発信する
昨日より良い今日のチームで仕事をする「気持ち」

Daily Meetingの目的

情報の透明性を保つ
   つまり、誰でも同じ判断ができるように
顔を合わせる
   つまり、対話コミュニケーションする
今日のコミット
   つまり、無駄なく必要なことを無理なくやる

やってみました

初回(1週間)
 メンバー12名で発足したチーム
 2チーム制で朝会、双方を繋ぐ会を開催
 1回30分で開催
 バックログのタスク引き取り方式で報告

初期 (2ヶ月)    
 全部回すの無理なので、役割の持ち回り制を導入
 出張予定だったのでMoMを導入
 皆最初は30分のMoM書くのに30分掛かった
 重い課題が頻出して、しばしば時間オーバー
 パターンを見つけて効率化

中期 (2ヶ月)
 更にメンバーが増えた
 仕事も回り出して、課題もまだ多く出た
 タイムボックス守れるようになった
 MoMもパターン見つけて効率化
 同時にメンバー間の認識齟齬も減った

後期 (それ以降)
 生産性が最高潮、問題もほとんど発生しない
 メンバー間の関係も確立し、意見対立の調整もスムーズ
 新しい取り組みも積極的にできた
 品質を上げる施策、コストを下げる施策
 毎日が昨日より良くなる実感

Howto

初回

初回とは、
デイリーミーティングを始める時を指します。
既存チームなら明日でも良いでしょう。
とは言え、習慣が無いとなかなか難しいかもしれません。
それならば、みんなが集まった時に、「明日この時間で」と
提案してみるのはいかがでしょうか。

1.全員が集まったらリーダー(or誰か)が原則と目的を話します。
 自身の考える原則・目的で良いので、話します。
 格式高く宣言するのも良いでしょうし、~感じ、~みたいな、など
 柔らかく呼びかけても良いと思います。チームや自身に合ったスタイルで。
 動かし始めれば良いのです。あとはみんなが何とかしてくれます。
 なんともしてくれないかもしれません。我慢です、自分のことはさておき、みんなを信じます。

2.全員が順番に、今日何をやるか。困っていること。を話します。
 反応するのは誰でも良いのですが、誰もいなければリーダーが
 反応しても良いです。(初回なので)

3.明日以降の場所・時間を決めて解散です。
 持続可能な時間、場所、機会が良いです。
 ルーチン化するまでは次回を決めないと立ち消える可能性があります。

4.MoM(Minutes of Meeting)を全員に送ります。
 いわばメモです。対話では足りないところを補う目的です。

初期

1.運用を定例化していきます。
 司会進行と記録係、場所取り担当のローテーションを作ります。
 曜日ごと、輪番制など半強制で決めても良いと思います。
 進行係などが苦手な人にはフォローする必要があります。
 持続可能な方法とタイミングのペースを確立するのが重要です。

2.全員参加を少しずつ醸成していきます。
 誰かの報告に対して、オープン、クローズクエスチョンで
 場に意見を求めたり、時には関連する人を指名してみたり。
 自己組織化を始めたいので、喋る人がいつも固定するのは避けます。
 強い意見には、逆の可能性を確かめてみるなど、
 ファシリテーション能力が一番必要となる時期です。

3.バッドニュース歓迎
 報告者は称賛されるようにします。
 明日ではなく、今日シェアしたことには間違いなく価値があるはずです。
 バッドかグッドかはみんなで決めれば良いし、それを早く報告するのは、
 ムリだったからそうなっていることを理解します。

4.タイムボックス化を厳密にしていきます。
 徐々に無駄な報告を減らすようにします。
 総時間を人数で割れば1人が話せる時間は決まってきます。
 ちょっとした雑談が入れられる時間的余裕が出ると最高です。
 朝会でのやらないことリストをみんなで合わせていきます。

5.議題の外出しをしてみます。
 重たい課題や、重要事項は、別会議に持っていきます。
 なる早で関係者が集まったり、朝会終わらせてそのまま全員継続でも良いです。
 YAGNI(今必要なことだけやる)を意識します。
 朝会で必要なのはキッカケ出しです。

中期

1.イレギュラー運営にも対応できるようにします。
 休暇や不在、場所取れない、緊急の横入り発生した時にどうするか、
 経験して、対応可能領域を増やします。
 何が起こっても大丈夫なような一定のペースを作ります。

2.MoM簡素化、削減していきます。
 話す内容も徐々に簡素化され、認識も一致してくると思います。
 必要性を感じなくなったら廃止しても良いと思います。
 対話がスムーズになればMoMのルールも見直します。

3.ルールを厳しくし過ぎないことをオススメします。
 徐々に決まりが増えてきます。
 理想だけで決めるのではなく、皆が守れる決まりにします。
 決まりなんて決めなくてもなんとかなるものですが、決まりがあると守る必要があるからです。
 全員の最適で行動できるようになってきたことに気付くころです。
 そして、なにより動くソフトウエアと顧客満足と、
 みんなが楽しく働くのが大事です。

4.内部から第三者目線を入れられるようにします。
 例えば報告しないで全体サマリーする人を設けたりすると、
 一部しか分からなかったり、外の人が見たらイミフなことを
 見つけることができます。
 開発側だけ分かっても意味が無いこともあったり、
 ユーザーや周りのチームとの話もしやすくなります。

5.今日の朝会の点数付けをしてみます。
 ファイブフィンガーで全員一斉に評価する
 チームで認識を共有します。
 他にはメンバー同士の状態確認のために、
 ニコニコカレンダーを使ったりしました。

後期

1.脱マンネリを心掛けます。
 自分たちをKAIZENし続けられるようにします。
 ただし、負担を増やすのではなく、工夫し続けるのが肝要です。
 つまりデイリーミーティングのリファクタリングです。

2.他チームを見学したり、逆に他からの見学を受け入れてみます。
 自分たちのことは自分たちが一番よく分かるはずです。
 新しい視点を入れて検討してみます。

3.報告事項を増やしても良いです。
 チームが話す内容は要点が絞られて、受け取る側も慣れて効率化できています。
 ステップアップを続けるために、
 例えば、なぜ今日をそれをやるのかを追加したり、
 昨日何を工夫したか、課題の解決案を2つにしたりしても良いと思います。
 仮説検証の要素が入り、朝会しながら小さなふりかえりをすることもできます。

4.ペア・トリオで報告してみます。
 機能横断的なチームになります。
 隣の人の報告をすることで、理解が深まり、知識領域も広がります。
 得意なこと、不得意なことについてお互い高め合うことができます。
 組み合わせを変更してグループワーク、ペアワークに繋がれば、
 強いチームになるのではないでしょうか。

FAQ よくある質問

Q1 (初回)
常時、顔を合わせて情報連携していますが、
それでもDaily Meetingは必要ですか?
A1 常にお互いの作業の邪魔をして効率下げたりしてはいませんか?
例えば隣のチームとやってみては?
チームの誰かが隣のチームと情報交換するでも良いです。
うちのチームについてどう思うか、抱えている課題は、
ビジネス側への報告はどうしているかetc

Q2 (初期)
場所が無い、時間が無いのですが?
A2 デイリーミーティングの必要性を見直してみてください。
必須ではない、無くても良い内容に
なっていないませんか?
持続可能なペースを作って負担を減らして、
集まりやすいようにしてみてはいかがでしょうか。

Q3 (初期)
長引く
A3 最初はしょうがないと思います・・。
私は次のようなことをしてみました。
・先にデイリーを回しきってから最後にもう一度聞く
・朝会・夕会の2回実施
・延長戦をすぐにやる

Q4 (初期~中期)
メンバーの時間帯が合わない、ロケーションが違うんですが?
A4 私は以下のようにしてみました。
・リモートで開催
・2分割で開催
・伝言板で情報を繋ぐ(Follow the Sun的)
・他の人の仕事で、見えないところを洗い出す

Q5 (中期)
司会や記録係が欠席したときは?
A5 貸し借りで交代したり、
初期の頃は、自分が立候補します。

Q6 (初期~後期)
進捗報告のみになってしまいますが?
A6 プチふりかえりをしてみてください。
昨日の予定と実績の差異理由について、
思ったよりどうだったか、それはなぜかを足すだけです。

Q7 (中期~後期)
自分の報告が終わるとつまらなそうにする人がいますが?
A7 反応する人を固定しない、向かいの人がツッコムとか、
立ち位置、座る位置をローテします。
仕事をペア制にするのも効果的です。
あとでこっそり、疲れていないか聞いてみても良いかと思います。

Q8 (後期)
話題が無くてすぐ終わるのですが?
A8 KAIZENのチャンスです。
予定実績の検証をしたり、
肯定案と否定案と2案出して検討することができます。
1日の仕事を5%効率化して好きなこと(学習時間に充てる)
できるようになります。

おわりに

朝会がうまくいくようになると、
チームがうまくいくようになります。
朝会が面白いと1日が面白く、
朝会が自動化されるとチーム運営が自動化されます。
朝会でチームビルディングが行われ、
即ち全ての成功は、朝会の成熟があったからと言っても
過言ではないと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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