見出し画像

アジャイルを5分で説明せよ

はじめに

アジャイルと出会って6年。たまにアジャイルと向き合い直すことで、
その時の気付きや、新たな発見があり、成長に繋がると思っています。
コロナ禍の今、様々なコミュニティや勉強会、セミナーやカンファレンスがオンラインで開催されています。
今までより様々な地域の多くの方々とオンライン上でご一緒したり、
大きなイベントに参加する機会も増え刺激も受けます。そうしたキッカケもあり自分の中でも立ち止まって向き直ってみようと思いました。

改めてアジャイル

今アジャイルが選ばれ注目されています。
皆さんはアジャイルと聞いて何を思い浮かべますか?
・ドキュメントを作らない
・トライ&エラーを繰り返しながら進めていく
・新しい専用のツールがあって精鋭部隊でチームを作る
・品質は高くない
これらは真実なのか、答えはあるのでしょうか?
そしてアジャイルをやりたいと思うのではなく、様々なやり方の選択肢が増えること。それで充分だったりします。

なぜアジャイル

なぜアジャイルが選ばれているのかについて考えてみます。
私自身は、アジャイルに出会った当時、どんなことを目指して、何をして、ユーザーに喜んでもらえたのか。
当時は、ユーザーにとって早い安い便利と感じていただけたからだと話していました。
MVP(Minimum Viable Product)という言葉があります。
これは最小限の目に見える価値を届け続けること。
「最小限」「目に見える価値」「届け続ける」
この3つが成り立った時にユーザーは、早い安い便利を感じていただけるのではないでしょうか。
とてもシンプルに見えませんか?でもやるのは簡単では無いです。
シンプルなのに難しいと思えるのは、
アジャイルで取り組もうとしている対象は常に複雑なことだからということに最近私は気付きました。

「なぜ」の背景

国際化や業界のシームレス化が進み多様化された不確実性に満ちた世界では、
正解と言える状態すら移り変わっていきます。
私も1人のユーザーとして生活しているだけで
選択肢の増加に驚愕し恐怖を覚えることすらあります。
数ある選択肢から決定に至るには、要素があるはずです。
 皆さんは就職先を選ぶ際に様々な要素を用いて総合的に判断していたはずです。
 仕事内容、給与や残業、勤務地、企業理念、将来性、規模、あなたのやりたいこと、家族や周りの意見、期限
 どれか1つのみで決定することは無いはずです。
判断基準が増えれば、当然選択の数は増大するのはもちろん、
情報が大量高速化された現代において、重みや値も刻々と変化し続けます。
これが複雑と言われる正体で、そのような状況下において、
移り変わる状況を、継続的に捉え続けて行動し続けなくてはなりません。
なかなか厳しいと感じますが、アジャイルの考え方はそれを持続可能にします。

「最大限の価値」は魅力があります。しかし要素が増えて
「(1度きりの、すぐ実感できない)最大限の価値」になると魅力は下がることはご理解頂けると思います。

「最小限」「目に見える価値」「届け続ける」には、
ユーザー視点での価値に着目する
バリュードリブン(価値優先駆動型)が優れています。
なぜなら、ユーザーが何をしたいのか、その目的に共感し、フィットするもの(プロダクト)を届けることは、
経験することで変わり続けるユーザーが考える「何を価値とするか」と
共に歩む。つまり継続的に価値を追い続けることができるからです。

予測できない複雑な要素により決定されていく状況においては、
良い決定が変わらないうちに敏速に対応する必要があります。
Agileは語源を調べて頂くと分かるのですが、形容詞でまさに敏速であるということ。
こういった強みをもった手法なので、強みを生かせる場面において選ばれることは明白です。

アジャイルって何

アジャイルは何かということに迫っていきたいと思います。
whatアジャイルについての答えは無限にある、正解は1つで無いことを書き添えます。
アジャイル開発を一言で表すと?に私の回答も載せてもらいました。
https://speakerdeck.com/miholovesq/xp-matsuri-2018-lt?slide=14
当時はムダ・ムラ・ムリを無くす・・と答えましたが、今は…多分違う答え方をします。
シンプルなやり方で、複雑なものに取り組むということは、
基点となるものは単純で非常に抽象的になり、それをもってして対応する進み方は語り尽くせない。

アジャイルをメタファーで

まるで公園に立っている大きな木のように、
幹は1つでありながら、枝葉に分かれると似ていても完全に一致するものは2つと無いのと似ています。
そして幹をアジャイルと見立てるなら、人の知識経験は根であり、人によってアジャイルの解釈や表現は異なります。

先駆者やアジャイルを経験した多くの方々が様々な方法で説明をされていることからも、
いかにアジャイルは表しきれないことを伺い知ることができます。
そうはいっても物体の無いアジャイルを、最初に伝えるには、どうしても言葉が必要で、
私の言葉でアジャイルを表すと、
抽象的概念で捉えるなら、1つの葉に辿り着くまでの状況認識から選択行動と次への発想のベース。
時に組織論、時にマインドセット、そして時には無駄の排除。
具体的には、MVPを目指す。
品質は高い基準ぴったり、コストはとことん下げる、期限は短く一定、スコープは都度最小限
QCDSを選び作り届け続ける一連の行動であると表現したいと思います。

長めのあとがき

これが現時点で切り取った、私の中でのアジャイルとは何かです。
私のアジャイルについての定義も説明も常に変わり続けています。
永遠に定まることは無いと思っています。
こんなこと言うと、少し怪訝に思われるかもしれませんが、
色々な軸で複数の可能性を考えるので、ぶっちゃけ「アジャイル」に向き合うと疲れます。
でも常に新たな発見や気付きがあり、言葉で表せないくらい面白いです。
少し大げさに映るかもしれませんが、
アジャイルを知ってしまうと、未知と可能性を無限に探求する旅が待っています。

まだ語れるまで遠く及びませんが、
そこには大勢の同志が居て、みなさんが道半ばだとおっしゃられることに敬意を表さずにはいられません。
勇気を持って経験を積むために、より具体的な現実をお伝えしていこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?