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TAKU LABO

「どう生きるのか?」よりも、知りたいのは「生きるとはどういうことか?」だ。 「自分(わたし)らしさ?」よりも、知りたいのは「自分(わたし)とは何か?」「なぜ自分(わたし)は存在し…
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#中沢新一

心の豊かさは、何を持たなくとも、いつからでも追求することができる

「『精神の考古学』刊行記念 中沢新一トークイベント」に参加。 イベントの内容としては、本の中に書かれていることを掘り下げるというか、編集者が気になった部分を先生との対談の中で明らかにしていく掘り下げていくというものであった。 私が一番気になった点は、実際に原初の心というか、そういうものは確かに存在するかもしれない。しかし、そういった宗教の体系があり、そういった心の状態まで人は瞑想だとか、いろいろな修行を通して、そういう心の状態になっていくことができる。でもその心の状態になっ

精神のはじまりは存在する『精神の考古学』(中沢新一)

『精神の考古学』(中沢新一) いつの時代も探究者を魅了してやまないのは「はじまり」である。宇宙のはじまり、人類のはじまり・・・と、人はその「はじまり」を想う。 そもそも、人の精神、心というものにも「はじまり」があるのだろうか。きっと誰もがあると思うだろうが、では、どうしてそれが発生したのか、そして、それがどう変わってきて、今、ここにいる僕たちの心はどうなってきたのか。 歴史学者は歴史から、物理学者は物理から、心理学者は心理からそのはじまりの探究を進めてきた。それは、宇宙

AI時代のレンマ的知性の発見

『憲法九条の「損」と「得」』(太田光、中沢新一)を読んでいて、AIについて書かれていることがとても印象的だったので、今日はそのことについて書きたいと思います。 本書の中で、ベルクソンの「純粋持続」の話が出てくるのですが、そこからAIの話が出てきます。 中沢: AIがここまで発達してきたっていうのも、このギリギリのところで別のことを考えましょうという時期に差し掛かっていることの証しだと思う。AI自体は、脳で行われているロゴス(論理)的な働きを外にコピーして取り出して発達させ

平和学の視点でエコロジー思想を考える 『イカの哲学』中沢新一、波多野一郎

『イカの哲学』中沢新一、波多野一郎 『イカの哲学』というタイトルを聞くだけで、何だそれは? と思ってしまうが、詳しくは実際の本を読んでみていただくのがよいだろう。そんなに長いものではなく、また小説の形式をとっているのでとても読みやすい。しかし、そこに描かれている発見は非常に面白い。 『イカの哲学』の著者である波多野一郎氏は、戦争で特攻隊に入り、出発の直前で作戦が中止された。その後はロシアに拘留され炭鉱での強制労働。そのような生死のギリギリのところを彷徨った経験がこの本を生

光を観てしまった人たち 『観光―日本霊地巡礼」(中沢新一、細野晴臣)

『観光―日本霊地巡礼」(中沢新一、細野晴臣) 中沢新一先生が初期の頃に書いた本が「観光」と言うタイトルだったので、どのような本かと思えば、非常にマニアックで、でも中沢先生の原点というか、本性というかそういうのがわかる本ではないだろうか。 観光というのは、一般的なイメージでは物見遊山的なものを考える人が多いだろうが、この本は違った意味で光を観てしまっているのではないかと思う。 初版は1985年に書かれた本なので、だいぶ昔に書かれた本なのであるが、今読んでもどこか新しさという

縄文というOSプログラミングするには?

『新版 縄文聖地巡礼』坂本龍一、中沢新一 僕たちが住む日本には、縄文というものが身近にある。日本中どこへ行ってもその痕跡を見つけることができるのではないだろうか。でも、遠い昔の出来事で、そんなことは現代に何の関係があるのだろうか? と思うかもしれない。 僕も以前はどっぷりと現代の資本主義、近代の思想に飲み込まれていて、極端に言えば、過去=古いもの、今のものよりも劣るもの、くらいに考えていた時期もあった。どうしてそういう思考になってしまったのか? と考えると、現代の消費主義

日本人とは何か。心の考古学から読み解く 『アースダイバー 神社編』(中沢新一)

『アースダイバー 神社編』(中沢新一) 僕たちはずっと知りたいと思っている。日本人とは何かということを。それは私は誰か、何者かということにも通じるのであるが、日本人とは何か? と問うときは、それとはまたちょっと何かが違う感じがする。それはただ哲学的な存在論の話ではなく、僕たちのこころというものに密接に関係しているからではないだろうか。こころとは何か? と問うと、なぜだか出てくる民族的な形式。形式と呼んでいいのかわからないけれども、でも、そういうこころの型や形みたいなものが現

生きる意味は無い 『未来のルーシー 人間は動物にも植物にもなれる』中沢新一・山極寿一

『未来のルーシー 人間は動物にも植物にもなれる』中沢新一・山極寿一 人類学者中沢新一、霊長類学者山極寿一の対談本。話は哲学者西田幾多郎や生態学者今西錦司などに及びそして、人類学はもとより、考古学、宗教学、生命科学、AI…と非常に広範囲な話となる。しかし、それらを横断的に語られることが本書の本質ではないだろうか。最後の方では中沢新一氏の「レンマ学」の話へと進んでいき、「華厳的進化」という言葉が現れる。レンマ的知性の観点から日本の知性を振り返りながら、今後の未来を模索する。

中沢学の道のはじまり 『森のバロック』中沢新一

『森のバロック』中沢新一 南方熊楠とは一体何者なのか? 世の中には天才と呼ばれる人たちはたくさんいる。歴史的にみればもう覚えられないほど多くの天才たちが世の中にはいるのである。でも、天才と呼ばれるものの中でも、それぞれ得意な分野があったりすることが多い。当たり前と言えば、当たり前なのであるが、でも、その中でも時に壮大な思想を考える天才も現れることがある。西洋と東洋の融合を考えた鈴木大拙やあらゆる世界の哲学・宗教の共通点、本質を解明しようとした井筒俊彦のような全体性や統合を考