堀江由衣という声優

僕には小さな頃から飽きずに続けていることが3つある。
一つは歌うこと。
二つ目は、将棋。
そして三つ目が、「ほっちゃん」こと声優堀江由衣のファンだ。

一応、堀江由衣について説明しておくと、「物語」シリーズ羽川翼役で有名な人気声優さんです。同じく声優の井上喜久子さんを教祖として崇める「17歳教」に入信しており、年齢は「永遠の17歳」ということになっています。

ほっちゃんとの出会いはかれこれ20年程前になる。自宅に不定期で存在した週刊少年マガジンを読んでいた僕は、そこで人生のバイブルとなる一つのマンガと出会う。そう、赤松健先生の「ラブひな」だ。余談ではあるが、僕が一番最初に買い揃えた漫画だ。そして当時、「ラブひな」のアニメ化に際し、ヒロイン成瀬川なる役を務めていたのが、当時まだデビュー3年目くらいのほっちゃんだった。小学校高学年から中学入るくらいの頃で、まだそんなに声優に詳しくなかった僕は、「ラブひな」への愛もあって、「好きな声優は堀江由衣」と公言していた。実際の声をほとんど聞いたこと無いのに、だ(多分「ラブひな」のOVAを1回見たくらい)。
今思えば、ぶっちゃけ頭がおかしいとしか思えないが、当時の僕は、大して知らない彼女を、一途に、そして勝手に応援していた(長野では彼女が出演する作品がほとんど見れなかったという理由もあるが)。
中三に上がる頃には、唯一レンタルCD屋に置いてあった当時最新の4thアルバム「楽園」をレンタルしてカセットにダビングし、それだけをヘビーローテーションしていた。結果、その年の友人からもらった誕生日プレゼントは、ほっちゃんが表紙を飾った声優グランプリだった。
高校に入ってからも、片道40分の自転車通学のお供に「楽園」を聴き続け、途中大学で東京に出た兄に当時発売していた他のアルバムもダビングしてもらい、結局高校3年間は大半をほっちゃんのアルバムを聴いて過ごした(ちなみに他に聞いてたのはビートルズとKOTOKO)。
大学に入ってからやっとファンクラブに入会し、楽曲はすべて初回限定盤を買い、FCイベントやライブにも参加した。
そして昨年末、大学以来およそ10 年ぶりくらいにライブに参戦した。控えめに言っても今世紀最高のライブだった。ほんと行ってよかった。

そんなこんなで、ほっちゃんのファンになって20年ほどが経つわけだが、ここまでの話で不思議なところが一つ。そう、アニメを見てないのだ。声優のファンなのに、その声優のアニメを追ってないという謎。声優というより、一人のアイドルとして20年、彼女のファンをしているのだ。長野では見られなかったのだからまあ仕方ない。実際今でもそんなに必死には追っていない。ラジオは聴いてるけど。

さて、僕は、こんな馴れ初めを書くためにこのnoteを書いているのではない。僕が伝えたいのは、声優堀江由衣の尊さについて語りたいのだ。

僕がFCに入った10年前は、「涼宮ハルヒの憂鬱」のヒットにより、ラノベと深夜アニメが人気を集め、アニヲタの地位がやっと少し向上し始めたくらいの時期だったと思う。
声優界も、水樹奈々が声優として初めて「Hey!Hey!Hey!」に出て、その後紅白にも出て、「声優」という職業の知名度が上がって来た頃だろう。そしてその水樹奈々、そして盟友の田村ゆかりとともに「アイドル声優」の枠組みを牽引したのがほっちゃんだった(水樹奈々はアーティスト声優寄りではあるが)。この3人が確立した「アイドル声優」という概念が一つのモデルケースとなり、現在に至るまで多くの女性声優の目標となっている。
実際、内田彩、内田真礼、水瀬いのりなど、ここ数年で武道館ライブまで到達した人気の女性声優も増えてきている(もちろん前述の3人もやっている)。

そんな中でおよそ10年ぶりに参加した昨年末のライブ。内容自体がめちゃくちゃ良かったのは当然だが、僕が一番感じたことは、「10年経っても変わらず推せるってすごいな」ということだった。
モーニング娘。、AKB48の例をみればわかりやすいが、女性アイドルの賞味期限はかなり短い。そんな中で、自分にとっては10年、ほっちゃんの活動としては大体15年ほど経っても、変わっていない。これは単純にすごいことだと思ったし、奇跡みたいなことだと思った。そして、ほっちゃん本人も言っていたことだが、おそらく10年後は、ない。これは公然の秘密だが、「永遠の17 歳」も10年後には半世紀を越える。さすがに体力が持たないだろう。むしろ昨年末も良くやったなと思うくらいだ。

そうやって、「永遠」ではないことを今更ながらに実感した僕は、ここまでやってきてくれたことに感謝を覚えた。そして、いつまでライブが出来るかわからないから、出来るだけライブに参加しようと思った。さらに、どんな形になっても死ぬまで追い続けたいと、心底思った。

ほっちゃんはきっと、本人が望む望まないに関わらず、アイドル声優のリビングレジェンドとして、これからも声優界に歴史を刻んでいくだろう。
そんな彼女をこれからも応援していきたい。

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