確率とそのゆがみ
物が上から下に向かって落ちるのは、世の中の道理であり、法則。物体を支配する理(ことわり)ですから、これを物理学といい、物が上から下に落ちるということだけでなく、その速度や、高さと落ちるまでの時間も計算することができます。
人間関係における理は、倫理と言い、人としてあるべき姿や心がけ、とるべき行動を学ぶ学問となっています。物理、倫理のいずれも、その支配する結果は100%であり、どんなに祈っても物体は上に向かって落ちることはありません。
ところが。学問には統計学という分野があり確率という世界があります。生まれてくる命が男か女かは、ほぼ50:50であり、トランプで好きなカードを引く確率は53分の1であるように。
この世界では、確率の高い選択肢が必ず起こるとは言えません。99%赤い玉が出るとしても、白い玉が出ることもあります。スポーツ、勉強、ゲーム、仕事、私たちの世界は確率に支配されています。どこまで、突き詰めても最後まで100%にはならない、だからこそ面白い。ただ一つ言えることは、何とかして100%欲しい結果が起きるよう、考え、工夫し、努力し、反復したものだけが、結果を掴むということ。例えそれが1%の確率しかなくても。
1%の成功確率を成し遂げた経験を何度も持つ人と、80%の成功確率でもなかなかうまくいない人がいます。そして、この話を理解し、受け止められるのは前者だけなのです。
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