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Lumix Tether ver. 2.0 レビュー

動画対応Lumixユーザー待望の新バージョンが出た!ということで

早速使ってみます。ターゲットのカメラはLumixの中でも動画に特化した BGH1 です。

何が変わったのか

一番大きな違いは、上のダウンロードページで赤字で謳っているように、

「LUMIX Tether for Multicam」「LUMIX Tether for streaming(Beta)」は「LUMIX Tether」に統合されました。

3つあったソフトウェアが一つに統合されたことです。これまでは、GH5/5S/S1/S1H/S5などは

- LUMIX Tether
- LUMIX Tether for streaming(Beta)- ストリーミング用

BGH1 / BS1H (動画特化型) は

- LUMIX Tether  for Multicam
- LUMIX Tether for streaming(Beta)- ストリーミング用

と、主に制御するソフトウェアに2種類あったのですが、これ一つで全部の目的を満たせるようになりました。ヤレヤレw

で、早速、わたしの主な用途である「Windows ノートPCによる4K収録時のリモート操作」にフォーカスを置いてレビューしてみます。ノートPCは以下のスペックです。

- Microsoft Surface Book 2
- Windows 10
- Core i7 8650U
- メモリ 8GB / SSD 256GB
- NVIDIA GeForce GTX 1050 (専用メモリ2GB)
- USB LANアダプタ

BGH1とはギガビットハブを介して有線LANで接続しています。BGH1はPoE+駆動です。これだと電源とデータが一本のカテゴリ6/6eケーブルで済むので、現場での取り回しがとても楽になります。

画面の可変DPI対応、は今回もなされず…orz

ちょっと、いやかなりがっかり…。リリース当初からこれはほんとに使いにくくて何とかしてほしかったのですが…。

Surface Book 2は3,000 x 2000ドットの14インチ液晶なので、当然解像度は200% (192DPIかな)で使っているのですが、Lumix Tetherは可変解像度に対応していないため、画面上では制御パネルがとっても小さく表示されます。

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これが実ドット数で表示されるので、もう小さいのなんの。遠近両用の愛用者である私は、これをいじるためにメガネをかけたり外したり。むーん。1920x1080で使えってことなのかな。今時これを使うようなユーザーで、そんな解像度の液晶使うかなあ…。

これは確かフィードバックも返したと思うのですが、リリース以来何年も放置されています。カナシイ。

V-LogL 対応も今回もなされず…orz

これも同じく、アップデートのたびに期待しているのだけれど、対応されず…。HDMI出力もSDI出力も、V-LogLスタイルを選んだ場合、LUT(ルックアップテーブル)で標準的な色に変換されて出力されるのですが(個別にOn/Off可能)、Tether経由のプレビューではそのまんまです。

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こういう、「浅い」イメージのまま表示されます。こちらはまだ拡大縮小は自由なので、「見えない!」ということはないのですが、でも右側のメニューはほんとにちっちゃいです。

現場はたいていバタバタして、じっくりフォーカスを合わせる環境もない場合も多く、フォーカスコントロールができるレンズなら「One shot Focus」で合わせて固定できるのでいいですが、私が使うケースではフォーカスは手動のレンズも多いので、この浅い画面を見ながら四苦八苦して合わせることになります(ピーキングもOnにしていますが、4Kでかつレンズが明るい=被写界深度が浅い場合はピーキングだけではドンピシャで合わないことも多い)。

これもぜひぜひ改善してほしいなあ。特にGH/BGHシリーズは基本動画命なので、動画で実際に現場で使ってみれば、こんな使い勝手のまま放置されることはないと思うんですが。

できればPC側でLUTをいろいろ選べるようにしてもらえると…。最近は有償無償のLUTをダウンロードして「あてて」使うのが普通になってきてますからねえ(ときどきお世話になってます)。今時のPCのパフォーマンスなら十分可能なはず。

ネットワークが…

これはTetherでプレビューを表示して"Fine"にしたときのネットワークトラフィックです。4K 30p V-LogLにしています。

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常時70Mbps以上、最低でも66Mbpsほど帯域を食っているので、WiFiだと(特に現場だと)不安定になることも多いかもです。有線の場合も、同じスイッチングハブでPCとつなぐなどの手当てをしたほうがいいかもしれない。

そして、ケーブルはCat. 6eだしハブはNETGEARのギガビット/PoEハブなのですが、時々画面の更新が止まります。なんでだろう。

GPU使ってほしい。いやそれ以前に…orz

で、ふとパフォーマンスモニターのGPUの項目を見ると、「0%」つまりGPUは全く使っていない!

たぶん、ですがカメラからは何らかの形で圧縮されて送られてきていると思うのですが、その展開にGPU使ってないのかー。うーん。

そして、ふと思い立ってCPUの使用率見てみたら…

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も、もしかしてこれは…

シングルスレッド!?

ってことですか?マジですか?

カメラはよくできていると思うけれど

いや実際はいろいろ細かい点で不満はありますが、概ね性能と価格は釣り合っていると思いますし、とにかく(B)GHシリーズは長時間駆動に音を上げない!ので、現場ではほんとに信頼できます。

ただし!!

このソフトウェアの出来は正直悲しくなります。Windows とMacOS両方作るためにいろんなところが犠牲になっているのかもしれませんが、やり方はいくらでもあるはずです。特に、マルチスレッドなどの根本的な動作環境の設計があまりに稚拙すぎるんじゃないかなと。

一応、SDKは公開されていますが、「プレビューを持ってきて表示するウィンドウを開く」といった具合で、単にこのTetherソフトウェアを部分的に切り出した感が強いです(GPUアクセラレーションも実装できない)。どうせならネットワークレベルまで公開してツールやソフトウェアの充実を図ったほうがいいのではないでしょうか。そうすれば、Linuxやそれこそラズパイなどからも操作可能にできるかもしれない。

もちろん、ソフトウェア開発力に自信があって、キモのところは公開したくない、のであればわかりますが、今のままでは「単に使いにくいだけ」です。そして、この時代においてそれは、カメラ自体の価値も下げてしまっていることは間違いないです。

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