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ATEM mini / PROスイッチャーを活用する小物たち

ATEM mini / PRO、とても便利です。そしてこの値段で買えるなんて信じられない!てんこ盛りの映像スイッチャーです。

ただ、あまりに安いせいでw、このモデルからスイッチャー使った映像配信・収録の世界に足を踏み入れる人も多いと思います。実は、ATEM mini / PROだけだと苦労したり、できると思ってることができなかったりすることがあります。それを解決する小物を紹介します。

音って聞けないの…?

当然の疑問です。以前の記事ではATEM mini / PROの超強力な音声機能を紹介しましたが、

実は、せっかくデジタルEQやコンプを駆使して仕上げた音を「モニターする」手段がありません。HDMI出力を液晶モニターやTVにつなげて、そのスピーカーなりヘッドフォンなりを聴くことはできますが、なんかそれって違う?

そこで、役に立つのがこういう小物デバイスです。

要は「HDMI信号から音声信号を取り出す」デバイスです。ATEM mini / PROのHDMI出力と液晶モニターの間に挟んで、3.5mmオーディオジャックから適当なアンプなりヘッドフォンアンプなりにつなげてモニターすることができます。30cmか50cmぐらいの短いHDMIケーブルで、ATEM mini / PROに直接つなげるとよいでしょう。

ブーン、ていうノイズが入る…

もう一つ、わりと共通する悩みなのが、これです。特にマイク端子にアナログマイクまたはオーディオ機器を接続した場合に、ブーンというノイズが常に入ってしまうケースがいくつか報告されています。

私自身が経験したケースでは、ヘッドフォンマイクをマイク端子につないだところ、そのノイズ(ハムノイズといいます。ハムはお肉のハムではなく、「ハミング」つまり低い声でハミングするような音、から来ています)がはいることがありました。ほんとにそのマイクをつないだ時だけノイズが出ていたので、マイク入力を持ったほかの機器に接続したところ、同じようにノイズが載っていたので、おそらくこれはこのマイクのシールド(電磁波の遮蔽)がどこか壊れているのではと類推できました(もちろんゴミ箱行きw)。

もう一つの原因としては、これはPA/音響設備ではメジャーな問題なのですが、グラウンドループ、というやつです。

たとえば、マイクを外付けオーディオインターフェースにつなぎ、その出力をATEM mini  / PROに入力し、そこからPCにUSBで接続している。またそのオーディオインターフェースを別のUSBポートで同じPCに接続している場合、

1. マイク - オーディオインターフェース - ATEM - PC
2. マイク - オーディオインターフェース - PC

という2種類の信号経路ができることになります。もしオーディオインターフェースとPCを直接つなげていなくても、電源その他でつながっていると起こる。これがグラウンドループです。つまり信号経路上にできた「わっか」がノイズを引っ張り込むわけです。

これはなかなか解決するのは厄介なのですが、これも一つちょっと特殊なデバイスを「挟む」ことによって解決します。

中身は実はとても単純で、「トランス」が入っているだけです。このトランスで、グラウンドを含む信号線そのものをアイソレート(独立)させることができます。

使用する際には、

マイク - オーディオインターフェース - これ - ATEM mini / PRO - PC

という感じで「挟んで」使います。もしかしたら変換ケーブルが必要かもしれません。

なんか音のほうが早く聞こえる

これは、特にデジタル一眼カメラをATEM mini / PROの映像入力として使用し、同時にマイク入力からアナログマイクで音声を入力した場合によく起こる現象です。

なぜ起こるのか。それは、もともとデジタル一眼カメラがHDMIの出力をリアルタイムで配信したりする用途で設計されていない、からです。ほとんどのデジタル一眼カメラは、4K それも横4096ピクセル以上の解像度があり、それをフルに使ってきれいな写真のデータを構成しています。デジタル一眼のHDMI出力はそれを正確にモニターして構図を決めるためのものですから、

4K以上の解像度 - HDMI フルHD (1920 x 1080)の解像度

へのスケーリング処理が入ります。このスケーリングという処理が曲者で、デジタル一眼の場合はデジタル画像処理のプロセッサの端っこwを使ってしょりするので、どうしても遅れが生じます。

つまり、デジタル一眼カメラのHDMI出力は、実時間に対して遅れているわけです。

かたや、ATEM mini / PRO のマイク入力からの音声はリアルタイムで ATEM mini 内で映像と同時に処理されますから、音のほうが早い、という現象になってしまうわけです。

このへん、まあオンライン会議などで使う分にはあまり問題になりませんが、コンテンツとしてYouTubeなどに公開した場合、「あれ?」という違和感が生じる原因になったりします。

じつはこれは先日までは大きな問題としてATEM mini / PRO ユーザーフォーラム内でもどうやって解決するか真剣に議論されていましたが、最新のATEM mini / PRO のソフトウェアアップデートで解決してしまいましたw

Blackmagic Designのサポートサイトからダウンロード・インストールして、ATEM mini / PROをつないで起動すると、まずファームウェアをアップデートします。次に、オーディオ設定で、赤丸のところをクリックするとサブウィンドウがでて、そこで「音を何フレーム分遅らせるか」という設定ができます。

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これで、違和感を感じなくなるまで「Delay」のつまみを回していけばいい、ということになります。あくまで、前述の方法でHDMI出力からの絵と音を確認しながら調整してみてください。

ネタ大募集中

以上、ATEM mini / PROを使いこなすうえで、共通にぶち当たる問題について簡単にまとめてみました。

なお、この note のネタとなりそうな「こういう場合はどうすれば」という相談を募集しています。ぜひコメントに書き込んでください。

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