LDA 22でしあわせになろう!

[2021/9/12追記] 最近のUpdate 6で、改修されていることを確認しました。アプローチにLDA 22をセットするだけで、正しいコースでナビされます。

あー、いろいろ誤解を招きそうなタイトルだなw いえ、善玉コレステロールのことではないです。

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これがLDA。江東区の埋め立て地の一角にあります。

まあ単なる「アンテナ」なんですが。実は日本にはここともう一か所にしかありません。で、お世話になるのは

- 旅客機のパイロット
- …をシミュレーションする Flight Simulator マニアの方々

だけです。わたし?もちろん後者です!ということでこれは単なる Flight Simulator の話です。はい、つまんないですね。また次の note にご期待ください。

ILS 22 と LDA 22

そのギョーカイの人には ILS を知らない人はいないと思いますw だってらくちんだし、見えなくても着陸できるし。そうです、ILSは計器着陸装置、です。

で、LDAの存在は前から知っていたんですが、 もう30年近くお世話になっている Flight Simulator 上でもそれが「ある」と知ったのはつい最近でした。で、実際に Simulator 上で Airbus A320Neo を飛ばしてみて、「あれれ?」となったのが最近で、その直後にこの動画を見つけました。

この方は現役エアラインパイロットの YouTuber なんですが(もう収益出てると思うんですが、会社には内緒なのかな・黙認なのかな。あるいは公式!?w)、こういう存在が何よりもありがたい!と狂喜乱舞なのは Flight Simulator ユーザー。なんせ待ちに待った新バージョンがほぼ10年ぶりくらいに出たところで、こういうガチインストラクターがガチ動画公開してくれるともう涙ものなのです。たぶん本業がいろいろあってヒマなんだろうなと邪推w

前置きが長い。

で、お世話になってるILS以外に、なんと「滑走路の外にに置かれる」誘導装置がLDA - Localizer Type Directional Aids. なんだかわかりませんね。つまり、滑走路まで導いてくれるILSではなくて、「方向だけ」精密に導いてくれる誘導システムです。

中身は、中身作った人の論文見つけたので貼っておきます。でもこれが内容の説明としては完璧なんだな。後半は読まなくても大丈夫w

絵をお借りします。こっちがILSの説明としては完璧で、

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ILSから「高度の指示」を取り去ったものがLDAです。最終的な誘導地点では、それこそ数メートルの誤差で誘導してくれます。

で、どこにあるかというと、まさに上記のGoogle Mapのところ、なんですが、航空チャート上ではこういう風に書かれています。

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つまり、この赤丸で囲ったところめがけて方角の誘導をしてくれると。この誘導に従って飛んでいって、赤丸手前のMAP (ミニマム、とよく言います)で55度旋回して滑走路22に降りていく、というイメージです。というか実際そうやっているんですが。

実は、もともと滑走路22には、ここに直接降りるためのILSがあります。ILS 22のチャートはこんな感じ。

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だいたい本八幡上空ぐらいからこの細長い扇形のコースを誘導されて行って、最終的に着陸するイメージ。旋回は必要ありません。

が、地図と実際の街並みw を考えるとわかると思いますが、バリバリの人口密集地上空を飛びます。当然、うるさいとか、危ないとか言われちゃいますね。このLDAを設置するきっかけになったのは、羽田の新国際ターミナル稼働から、つまり国際線を大幅に増やして着陸回数を上げたい、という時期からです。LDAを使って海上を誘導されて旋回して降りていくのなら騒音問題は出ないだろう、という。

あれ?都心降下コースって最近できたよね?あれはどうなん?

こっちはこっちでまた面白いネタなのでまた後日w

まあ面白いっていうと叱られそうですが。

で、何が問題?

ようやく本題にw なげえよ。

上にはっつけたYouTube動画を見ていただくとわかるのですが、キャプテン・ジョーも半信半疑で飛んでいて、途中で「あー、やっぱり」ってなっているのは、Flight Simulator 上のこの LDA 22の実現に

バグがあるw

からですw 。ナビの指示通りだと、マニュアルで降下するポイントの正面に管制塔がきちゃうw 。そこから旋回して降りるのはえらい大変です。キャプテン・ジョーはプロwなので、ちゃんとファイナル作って降りられてますが、私には全然無理でした。もし無理して降りても、後でお客様から(あるいは整備からw)苦情が出るレベルw

実際にFlight Simulatorの画面はこんな感じです。

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この右上の小さい画面がナビ画面です。黄色のラインがもともと誘導されるパスですが、その延長(左側黄色点線)には確かに滑走路 22 の端っこがあるのですが、方角が全然違います。本当は、赤い線のように誘導されるのが正しいのです。で、直線の終点で旋回して滑走路に向かうと。

LDAそのものも実装されておらず、そもそも全然誘導指示がつかまりません。つまり機能してない。

というのが今回のネタでした。ああ長かった。で、キャプテン・ジョーはどうしてるかというと、

ぬあんと!新しい機体を「購入」したと。その中に「乗ってる」ナビデータは正しいようです。なんだよ、あれってFlight Simulator全部で共通なデータじゃなくて、その中の機体固有だったのかよw

コンピューターの中でナビコンピューターのシミュレーションをしてるのね。まあマジ凝ってますね...。

ということで、でもAirbus A320が気に入ってしまった(というか旅客機はそれぞれ強烈に癖があって、簡単に乗り換えられませんorz 現役は機種ごとにライセンスがあります)ので、バグフィックスを待ちましょう。

でも、ここによると、

世界中のLDA全部壊れてると。いやーん。どうやらデータの持ち方自体の「デザインエラー」で、直すのはちょっと大変そう。まあ、それでもLDAは実装しなくていいから、アプローチのナビデータだけでも直してほしいなー。


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